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帰属意識に影響を及ぼす5つの項目とは?

文:砺波敬之 編集:宮本紗和

帰属意識が低いと離職が進みやすい?!

以前のコラム(チームビルディングを成功へと導くマネジメントとは?)で、“店舗の状態に合わせて改善の打ち手は異なる”とご紹介しましたが、特に最下位層のランクD店舗※では、離職の可能性が高いスタッフが多くいらっしゃるため、店舗改善が急務となっています。

帰属意識(会社の一員であるという意識)のスコアが低いと、離職が進み人手不足となり、一人ひとりの負荷が大きくなることで、さらに離職が進むことが分かっています。そのような負のスパイラルを脱却するために、何とか離職を防ぎたい、と頭を悩ませている店長・エリアマネージャーの方も多いのではないでしょうか。

※従業員満足度調査「tenpoket(テンポケット)」では、サービス業の平均スコアゾーンをステージBとし、全体を5段階(S~D)に分けています。ランクは重要3項目「帰属意識」「推奨意識」「働きがい」のスコアで設定しております。

なぜ帰属意識が低いと離職が進みやすいのか?

帰属意識が低いと離職が進みやすいのは、帰属意識が高い従業員は、組織に対する忠誠心が強く、自分の職場に対する責任感や使命感を持っているため、離職する可能性が低くなるからです。

また、帰属意識が高い職場では、従業員同士のコミュニケーションが活発で、互いに支え合う風土が育まれます。これにより、職場の雰囲気が良くなり、ストレスが軽減されるため、離職率が低下すると考えられます。

離職予備軍を把握するには

今回のコラムでは、“どの項目のスコアが低いと帰属意識が下がりやすいのか?”について、tenpoketの結果を基にご紹介いたします。表1※では、帰属意識への影響度が大きい順に項目を抽出しております。

表1の上位5項目に注目すると、「心身の健康」「仕事への誇り」「改善意識」「適正な評価」と5項目中4項目がスタッフの満足度項目になります。これらの項目から、スタッフの業務量、労働時間、給与とのバランスが取れていること、また「お客様に喜ばれる、メンバーから感謝される、スキルが向上する」などの実感も重要であることが分かります。

※外食業界の店舗に在籍している社員・アルバイト・パート58,180件(2018年4月1日~2019年3月31日)を基に分析。

表1|影響度ランキング

人材定着のポイント

つまり、最低この4つの項目「心身の健康」「仕事への誇り」「改善意識」「適正な評価」だけでも、KPIに設定し、改善を図っていけば、帰属意識が向上し、離職率を低減させられると考えられます。「心身の健康」「人間関係」「適正な評価」が上位5項目に入ってくるのは、皆さん想像に難くない結果かと思います。一方で、「仕事への誇り」や「改善意識」と、より良くしたい、より良くなりたいという向上心の表れと見える項目が入ってくることは、アルバイトやパートといえど、仕事に対する人の根本的な欲求なのかもしれません。人間関係などのストレスを感じて辞めるスタッフが多い中で、向上心を醸成させることができずに辞めてしまっているスタッフがいることにも注意が必要です。

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Tips:従業員エンゲージメント調査における「帰属意識」

弊社が提供するチームアンケートの重要3項目≒従業員エンゲージメントスコアは「帰属意識」「推奨意識」「働きがい」の3つのスコアからなっています。

従業員エンゲージメントを測定する項目は各社によって若干異なりますが、
・帰属意
・推奨意識
・働きがい

などの最終指標を測る項目は設定するのが一般的です。

その中でも、特に「帰属意識」をスコア項目に含めることをお勧めしています。採用難の今、店舗ビジネスにおいても従業員エンゲージメント改善を進める時には、「離職防止」「人材定着」につながる設問設計が重要だと考えるからです。

実際に、チームアンケートから得られたビックデータを分析したところ、組織との信頼関係としての「帰属意識(会社や店舗に所属し続けたいと感じているか)」のスコアと、店長に対する人材不足感のアンケート結果には相関が見られました。

帰属意識のスコアが高い(Sランク、Aランク)店舗とスコアが低い(Cランク、Dランク)の店舗では、店長が「店舗を運営するのに必要な人員が十分確保できていない(≒人材不足だ)」と感じる割合が10pt以上差も差があったのです(表2)。

表2|帰属意識(横軸)と人材不足感(縦軸)の関係


人材難の時代においては、従業員エンゲージメント調査を実施されている企業様、実施を考えている企業様においては、「帰属意識」に着目した調査設計やデータの活用を一考してみて下さい。

従業員エンゲージメントの成熟度は店舗ごとに異なります。優秀店舗のやり方を模倣することは、帰属意識やエンゲージメントを向上させる主要な方法論の一つですが、「店舗のコンディション」に合わせてステップを踏んでエンゲージメントを向上させることがポイントです。

従業員エンゲージメント調査「tenpoketチームアンケート」では店舗ごとのコンディションにあわせた課題と対策を自動レコメンドしています。自分の店舗の現在地を知り、改善する為の施策としてぜひご活用ください。


お役立ち資料

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