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アパレル店舗の顧客満足度(CS)を上げるには?【挨拶編】

アパレル店舗で、顧客の満足度を高め、購入を後押しするような接客とはどのようなものでしょうか。本記事では、覆面調査4,511件のデータを分析し、接客の中でも特に「入店時の挨拶」について注目し、お客様の購買意欲に与える影響を考察しました。

【調査概要】
調査対象:アパレル店舗

調査エリア:全国

調査数:4,511件
調査手法:覆面調査「
ミステリーショッピングリサーチ
調査期間:2023年12月1日~2025年11月30日
調査実施:
株式会社MS&Consulting

「挨拶」は、顧客の購買意欲にどのぐらい影響する?

【図1】は、入店時の挨拶が「なかった場合」と「あった場合」で、お客様の購買意欲にどれぐらいの差が生まれるのかを比較したものです。

【図1】「挨拶の有無」と「強い購買意欲を持った顧客の割合」

【図1】「挨拶の有無」と「強い購買意欲を持った顧客の割合」_アパレル店舗で顧客満足度(CS)を上げる方法

※利用データ:全4,511調査のうち「挨拶有無」「購買意欲」の両設問がある調査レポート1,468件

【グラフの見方】
横軸:入店時の挨拶の有無
縦軸:強い購買意欲を持った顧客の割合

「設問:スタッフの接客を受けて購買意欲は高まりましたか」に"とても高まった"と回答した人の割合。選択肢は「とても高まった /高まった /あまり高まらなかった / 高まらなかった」の4つ。

スタッフから挨拶が「あった場合」は、強い購買意欲を持った顧客の割合が、挨拶が「なかった場合」に比べて約2.4倍跳ね上がることがわかりました。

一般的に、挨拶ができている店舗は、声かけや商品提案など他のサービスの質も高い傾向があります。その影響も踏まえて結果を解釈する必要はありますが、それでもなお「スタッフからの入店時の挨拶があること」が、お客様の気持ちを前向きに動かしている様子がうかがえます。

アパレル店舗の「挨拶ができている割合」平均値

では、お客様から見た時、どのぐらいの割合で「入店時の挨拶」を実施できているのでしょうか?【図2】は、全国のアパレル店舗で挨拶がどのぐらいできているのかを算出した結果です。

4,511件の覆面調査のうち73.6%は「挨拶があった」との評価で、お客様の来店時に約4回に3回はスタッフからの挨拶がある一方で、残りの1回は挨拶がなかったことがわかりました。

【図2】入店時の挨拶の有無
設問:入店時の最初に会ったスタッフからの挨拶(入店すぐの挨拶)はありましたか?

アパレル店の挨拶の有無率

※利用データ:アパレル店舗覆面調査のうち「挨拶有無」の設問がある調査レポート4,511件

「入店時の挨拶」の向上に取り組んでいる企業も多いかと思います。自社の挨拶の実施率について考察する際は、「全国のアパレル店舗で挨拶ができている割合73.6%」をひとつの参考値としてご活用ください。

MSバナーアパレル挨拶

どのような「挨拶」だと、顧客の購買意欲は高まるのか?

「入店時の挨拶」といっても、複数のスタッフから挨拶があることもあれば、軽い会釈程度のこともあります。アパレル店舗では、どのような挨拶があった時にお客様の購買意欲は高まるのでしょうか?

また、入店時の挨拶ができなかった場合に、その後の接客で巻き返すポイントはないのでしょうか?次に、4,511件の覆面調査レポートに寄せられたコメントの分析結果をご紹介します。


①歓迎や安心を感じる挨拶


入店時に挨拶があり、その後にお客様の購買意欲が高まった調査レポートでは、以下の点を評価しているコメントが多く見られました。

  • 入店して「すぐ」の挨拶
  • 笑顔やアイコンタクトのある挨拶
  • 「ごゆっくりご覧ください」「お困りの際はお声がけください」などの挨拶プラス一言

お客様が「歓迎されている安心感」や「相談しやすそう」と感じられる入店時の挨拶が大事だと言えそうです。形式的な一言ではなく、「このお店は居心地がいいな」と感じてもらえる挨拶があることで、その後の声かけや提案もスムーズに受け入れてもらいやすくなっていると考えられます。

《コメント例》
・入店直後に笑顔で「いらっしゃいませ」と挨拶があり、歓迎されていると感じました。

・入店にすぐに気づき、明るい声で挨拶があり、歓迎の気持ちが伝わりました。
・挨拶の後「お手伝いがあればお声がけください」と続き、心強く感じました。

※わかりやすくするために、本意を変えないように注意しながら表現を一部修正しています(以下、同)


②挨拶ができなかった時の巻き返しポイント


では、挨拶ができなかった場合に巻き返すには、どのような点がポイントになるのでしょうか?入店時の挨拶はなかったものの、その後の対応でお客様の購買意欲が高まった調査レポートに多く見られたコメントは以下の通りです。

  • 話しやすい雰囲気での声がけがあった
  • 寄り添って一緒に選ぶ姿勢を感じた
  • 深い商品知識に基づく丁寧な提案

残念に感じたり、居心地が悪いと感じたりしているお客様への対応となるため「その後長い間放置しない」「お声がけする時は、話しやすい雰囲気や寄り添う姿勢をいつも以上に意識する」といった点が大事なポイントとなっています。

《コメント例》
・挨拶はありませんでしたが、その後、話しやすい雰囲気で声をかけてくださり歓迎を感じました。

・気づいていただいてからの対応は非常に良く、歓迎されていると感じました。

【コラム】接客中に新規来店があった場合の対応

混雑時の調査レポートでは、「目線や会釈で入店に気がついていることを示す」「今の接客が終わったらすぐに一声かける」といった接客があった場合は、好印象のコメントが寄せられていました。どうしようもない状況があることはお客様も理解していますが、そのうえで、こうした小さなひと工夫をどこまで意識できるかが、印象の差につながっているようです。

顧客満足度の向上につながらない「残念な挨拶」

一方で、入店時の挨拶があったにも関わらず、お客様の好印象につながっていないケースもありました。該当する調査レポートに多く寄せられた「残念な挨拶」の特徴をご紹介します。


「誰向けかわからない挨拶」と「心が感じられない挨拶」


店舗のスタッフは挨拶しているつもりでも、お客様にその気持ちが十分に届いていない調査レポートでは、以下のようなキーワードが見られました。

  • 誰宛に向けたものかわからない挨拶
  • 目線があわない挨拶
  • 笑顔がない、表情が硬い挨拶
  • 声が小さい挨拶

「歓迎されている感じがしない」「自分に言われた気がしない」とお客様に受け止められてしまうと、せっかくの挨拶が好印象に結びつかず、かえって残念な印象を残してしまっています。

現場の皆さんは十分わかっていることだとは思いますが、自分たちの挨拶が気持ちが届くものになっているかを時々立ち止まって見直してみる――その基本の積み重ねが大切だといえそうです。

《コメント例》
・入店時の「いらっしゃいませ」は、作業的に繰り返している印象が強く残念でした。
・入店するとすぐに「いらっしゃいませ」と挨拶をしてくれました。ただ、個人に向けてというよりは、全体に向けて挨拶している印象で少し残念でした。

まとめ

「入店時の挨拶」は大切。現場の方は感覚的にわかっていることだとは思いますが、覆面調査のデータからも、その後の購買意欲に大きく影響することがわかりました。また、お客様との関係構築の第一歩となるような「挨拶」には以下のようなポイントがありました。

  1. 入店後すぐに、笑顔とアイコンタクトで心を込めた挨拶
  2. 大勢に向けた挨拶ではなく、一人ひとりに向けた挨拶
  3. 「ごゆっくりご覧ください」といった、お客様が安心してお買い物できるプラス一言
  4. 接客中であってもお客様に気づいていることが伝わる、目線や会釈などの細やかな配慮

当社では、お客様が実際にどう感じたかなど、詳細なコメントと共に挨拶の実行度を確認できる覆面調査『ミステリーショッピングリサーチ』をご提供しています。具体的な改善につなげたい場合は、お気軽にご相談ください。サービスご紹介ページはこちら>>

MSバナーアパレル挨拶調査

※分析:MS&Consulting アナリスト 伊藤友篤、執筆:同社 ブランディング推進部 並木彩華

MS&Consulting 伊藤友篤
MS&Consulting 伊藤友篤
株式会社MS&Consulting リサーチ部マネージャー・中小企業診断士。同社入社後、クライアントに、従業員満足度・顧客満足度調査の設計及び教育支援を担当。その後、覆面調査運用チームのチームマネージャーとして「QCDの可視化」をテーマに、生産管理・品質管理の改革を推進。直近のテーマはAI活用・データ分析高度化・原価管理。

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