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ここがいけない!働き方改革 ~サービス業で成果は出たのか?徹底検証~

文:前原 直斗

「働き方改革」とは?


2019年4月から施行された「働き方改革関連法」。業界を問わず、多くの企業が本格的な対策に乗り出しました。施行から11カ月経過時点でのサービス業における成果を、「働きがい」の観点から検証していきます。

まずは、働き方改革の背景を振り返ってみましょう。

出典:「働き方改革実行計画」(厚生労働省)を基に弊社作成

出典:「働き方改革実行計画」(厚生労働省)を基に弊社作成


メディアで目にする働き方改革の事例では、「労働時間削減」の実践に留まっているケースが多く見られます。


【よくある事例】その①

就業時間になると、PCの電源を強制的に切ることで退社を促す、という対策。しかし、その結果、夕方のカフェや飲み屋に“フラリーマン”が出没している様子が、ワイドショーに出ていますよね。


よくある事例】その②

経営陣から管理職へ、一般社員の残業を規制するようにと通達するケース。その結果、部下に残業させないように、代わりに上司が頑張って働くことになります。「時間は短くなっても、仕事量は変わらないから、終わらない」という嘆きの声も、街頭インタビューでよく聞きます。


サービス業では成果が出てる!?「働き方改革」 

では、サービス業の現場ではどうなっているでしょうか?

飲食店で働くパート・アルバイトスタッフの従業員満足度調査の結果を、働き方改革の前後で比較してみましょう。


数値は「今の仕事に働きがいを感じていますか?」の質問に「まさにそう思う」と回答した人の割合

働き方改革前|期間:2018年4月~2019年2月、回答数:  85,032件
働き方改革後|期間:2019年4月~2020年2月、回答数:112,704件

※出典:弊社サービス「tenpoketチームアンケート」より


働きがい(モチベーション)が、みごとに向上しています!

しかし、「働き方改革」の成果が出ていると言うには、まだ早いです。店長やマネージャーなど、管理者層の結果をご覧ください。


数値は「今の仕事に働きがいを感じていますか?」の質問に「まさにそう思う」と回答した人の割合

働き方改革前|期間:2018年4月~2019年2月、回答数:6,037件
働き方改革後|期間:2019年4月~2020年2月、回答数:9,943件

※出典:弊社サービス「tenpoketチームアンケート」より


働きがい(モチベーション)が低下してしまっています。他に低下した項目では、「自身の仕事に対する誇り」「さらに良くしようとする改善意識」「成長実感」が特徴的でした。


つまり、サービス業で働く管理者層は、こういった状況に陥っていると考えられます。



「働き方改革」 失敗の理由は・・・

なぜ、このような失敗が起きてしまうのでしょうか?

それは、解決手段が、労働集約的だからです。人から人へ仕事を移しているだけで、仕事のやり方が変わっていないので、仕事を渡せた人は負担が軽くなり、受け取った人は負担が増えるという結果になるのです。


ヒント「生産性を高めたいときの視点」


【結論】

一、働き方改革の成果は、会社全体の生産性が向上したかどうかで評価すべし!

一、一部の成果に隠れて、他のどこかに負荷が集中していないかを確認すべし!


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