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『サービスのチカラ今からできる!笑顔のアクション接客編』 ―接客の理論化を学ぶ1冊―

取材:砺波敬之、編集:宮本紗和

​​​​​​​※記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは取材当時のものです。


遠山啓之(とおやま ひろゆき)

株式会社プレジャーカンパニー サービスマネージャー

2000年、株式会社グローバルダイニング入社。モンスーンカフェ恵比寿店の店長などを経験した後、高いサービス構築力を見込まれ、一日で一組のお客さまが入るかどうかだったフレンチレストランの店長に就任、月商1400万円の繁盛店へと立て直す。2013年、株式会社プレジャーカンパニー入社。社内では、サービスの教育、教育の仕方の教育、人材マネジメント・組織作りの教育を担当。社外においては、店長やアルバイトスタッフ向けの研修やイベント内のセミナー、専門学校の非常勤講師を務めるなど、多岐に渡り活動している。


外食業界を担う人材のための“接客の教科書”となるべく上梓された、『サービスのチカラ今からできる!笑顔のアクション接客編』。今回は、その著者であり、東京・神奈川を中心に「アジアンビストロDai」などの飲食店を15店舗展開する株式会社プレジャーカンパニーのサービスマネージャー遠山啓之氏に、書籍内容について伺った。

まずは、今回の著書を執筆された理由をお聞かせください。

外食業界でよく取り組まれている行動指標「QSC」に対する流れの違いに気づいたことがきっかけです。QSCとは、料理の品質(クオリティ)、接客(サービス)、清潔さ(クレンリネス)のことですが、この3つはそれぞれ時代に合わせて変化しつつ進化してきました。特に、料理と清潔さに関しては、目に見えやすく重視されやすいものですので、長い飲食事業の歴史の中で何度もイノベーションを起こしながら進化を遂げています。


では、接客という部分ではどのような変化が起きてきたのか? そう考えたとき、大きなインパクトがあったのが、ファミリーレストランで導入されたPOSシステムです。このイノベーションの背景には、大企業が、一気に店舗展開し、飲食業や接客に興味がないような人材も束ねて管理し、スタッフとして戦力化していく必要があったという事情があります。そのために、接客を合理化し、マニュアル化したのです。この考え方は、ミスやトラブルを減らすためには有効でしたが、弊害として、自分で考えなくても仕事ができてしまうという状況を生み出しました。また、間違ったマニュアルによって間違った日本語や考え方が氾濫し、そういう接客を受けて育ってきている世代では、間違いを間違いと思えないという人も少なくありません。


接客の大きな転換期として、POSシステムの導入がありましたが、実はそれ以外で大きなインパクトがある変化、進化はありません。なぜかというと、接客というものは料理や店と違って無形で、それを受けたお客様の体験でしかないからです。




接客が持つこの特徴は、そのまま教育の難しさにもつながっており、接客を体系的に組織になじませ、下に教えていくということは大変困難なことです。どうしても個人のパフォーマンスや感覚に依存する部分が多く、私自身も、どうすれば若い世代に納得感を与えながら接客スキルを教えられるのか、かなり悩みました。私は、何も教えなくてももともと接客の感覚が鋭い、いわゆる天才肌のスタッフをたくさん見てきましたが、それと同じくらい、接客が好きなのに天才肌のスタッフと自分とのギャップに苦しみ、成長できずに辞めていくスタッフもたくさん見てきました。実は私も、感覚が鋭いスタッフには敵わない一人です。


そういう状況を経験してきた私が、半ば自分のためでもありますが、熱意があるスタッフを救いたいという考えで始めたのが、感覚が鋭いスタッフの接客を分析するということでした。約10年にわたって分析とトライアンドエラーを繰り返し、たどり着いたのが今回の著書で紹介している「接客の理論化」です。今回はこの理論を広め、接客にイノベーションを起こすことで外食業界をもっと活性化していきたいという思いで執筆しました。


具体的に「接客の理論化」とはどういうことでしょうか?

一言でいうと、お客様が「感じが良い」と思うスタッフの行動を分析し、それをアクションに落とし込む、ということす。

例えば、お客様の入店から、ご注文、商品提供、お会計、お見送りなど…入店から退店までの流れのうち、接客シーンで一番重視するべきなのは、入店時の第一印象です。店の入り口でスタッフに気づかれなければお客様は不安になります。不安が溜まるとそれは不満に変わります。来店時は、アイコンタクトで気づいていますよ、声のトーンを上げて「いらっしゃいませ」と挨拶し、席も空いていますよ、というアクションをすることで、集客数が増え、売り上げも上がった店舗をたくさん見てきました。


また、入店対応の教育は、チーム力向上や早期育成にもつながります。新人に「気配りをしっかりしてください」と言ってもなかなか難しい。しかし、入店時の第一印象に絞ることで、周りのスタッフも指示がしやすく、新人でもすぐに対応することができ、成功体験を積みやすいのです。

このように、現場で培ってきた接客ノウハウを理論化することで、合理的且つスムーズにスタッフ・店長の育成ができます。




「接客力」を上げると「売り上げ」は向上するのか、気になるところです。

年間23.5万件の覆面調査を実施する業界No.1のMS&Consultingさんが分析した、「CSと売り上げとの相関」データからも、入店時の第一印象(お出迎え)が重要であることがわかっています。このデータをもとにMS&Consultingさんと開催したMSゼミ※でも、他社・業態・価格帯に関わらず、入店対応を重視した店舗の売り上げが上がったということが実証されました。

※MSゼミとは、飲食店の入店から退店までのオペレーション・顧客印象を改善する研修プログラムです。



しかし、店舗の接客力を底上げするにはスタッフが納得して取り組んでいるか、ということも重要です。私も使っている、MS&Consultingさんが提供する覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」は、できた・できていないといったチェックだけではなく、接客シーン別にその場の状況や受けた印象をコメント付きでレポーティングしてもらえます。覆面調査員はすべて一般消費者なので、店長が指摘をするよりも説得力があり、反発が起こりづらくスタッフの自主性も上がるのでおすすめです。

覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」資料ダウンロードはこちら>>


どのような人たちにこの本を活用して欲しいとお考えですか?

接客の教科書として、店長や指導者はもちろん、これから外食業界を目指す人などあらゆる立場の人に活用して欲しいですね。時系列で章立てているので、成長に合わせて確認できるようになっていますし、QRコードから動画の視聴もできます。「この動画のようなこと、よくやってしまっているな」といった気づきが得られ、納得できるような仕掛けです。


本質的な話をすると、人が外食をする意味は「楽しみたい」からではないでしょうか。テクノロジーがどれだけ発達しても、楽しみや、生産者・料理人の思いを伝えることができるのは、人です。人手不足の中で、オペレーションを簡素化していくことは必要ではありますが、店の価値を下げてはいけません。お客様に喜んでいただくことがすべての取り組みの目的であり、ES向上や業績向上はその手段や結果に過ぎないのです。


接客は見えないからこそわからない部分が多く、うまくいかない原因がわかりづらいものです。この本では、そんな「接客」を見える化しています。誰でもできる、今すぐできる接客理論を詰め込んだ1冊ですので、ぜひこの本で皆さんの接客力をワンランクアップさせてほしいです。


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