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「FURLA」のブランド創り。それは、お客様に「FURLA」の世界観をお伝えすること。

フルラジャパン株式会社

東京都港区南青山4-18-16 フォレストヒルズ ウェストウィング2F

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『季刊MS&コンサルティング 2008年秋号』掲載
取材・文:八記建太郎
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。

1927年にイタリアのボローニャで創業以来、80年以上の歴史を誇る「FURLA」は、現在、世界約64ヵ国に約194の旗艦店、その他セレクトショップやデパートなど約1,000店舗を持つイタリアでも有数のレザーグッズブランド。その「FURLA」が日本市場で、ブランド力を高めるパートナーとして選んだのが(株)MS&Consulting(以下、MS&C)であった。その理由はなぜか。フルラジャパン株式会社リテイルマネージャー田村雅紀氏、ヒューマン・リソース君島大介氏に話を伺った。

フルラジャパン株式会社が設立されてから10年。ビジネスを展開する上で、どのような想いがあるのですか?

田村氏:FURLAがイタリアに誕生した時代は、ちょうど女性が世の中に進出し始めた頃でした。そして、そんな女性たちのために高品質で機能的な商品を提供しようとレザーのバッグを扱い始めたのがFURLAのブランドの始まりです。それから80年以上経った今でも、当社のブランドの根底には、“自分らしさを表現したい現代女性が、いつまでも女性として輝き続けられるために…”そんな想いが生き続けています。私達は、FURLAというブランドを通じて、FURLAの持っているこの世界観を日本の女性に伝えて行きたいと考えています。

現在でもメインで販売しているのはバッグなのですが、バッグはただ単に持ち運ぶためのものではなく、その人のライフスタイルを彩るためのアクセサリーであると考えています。ですから、当社のバッグは高品質で機能的であるにも拘わらず、強さやフェミニンさも持ち合わせているという特徴があります。

また、当社の商品は実際にご覧になって頂けると分かると思うのですが、20代の女性はもちろん、40代、60代の方でも、年齢に関係なくお使い頂けるデザインとなっています。それは、“女性がいくつになっても、輝きを失わないような商品を提供していきたい。女性を輝かせるために、それを手助けするためのものを作りたい”という想いが、ブランドの根底にあるからなのです。

写真左:ヒューマン・リソース君島大介氏、写真右:リテイルマネージャー田村雅紀氏


世界的にも有数のブランドである「FURLA」が、日本市場でのパートナーとして、なぜMS&Cを選ばれたのですか?

君島氏:私達は、接客を通じて、FURLAの世界観をお客様にお伝えさせて頂く事を大切にしています。だからこそ、商品と同じくらい“販売に携わっているスタッフもFURLAというブランドを構成する大切な要素である”と考えています。そのため、お店に来店して頂いたお客様に対して、接客を通じて、しっかりとFURLAというブランドの世界観を反映したサービスが提供できているかを確認することはとても重要となります。

その点、ミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)は、来店されるお客様がどのような事を考えて買い物をされているのか、またショップスタッフの接客やサービスを通じて、お客様にしっかりとFURLAの世界観を伝えられているのか、というポイントを一般のお客様の視点からチェックできます。これは当社にとって大きな魅力でした。

田村氏:また、日本のアパレル市場自体が成熟しており、洋服業界は完全に下がり調子で、バッグ業界もかなり厳しくなっているのが現状です。その中でFURLAが勝ち抜いていくためには、商品力も当然ですが、FURLAのファンをどれだけ創っていけるかが重要なポイントになってきます。そのためには、お客様の満足度を上げ、ロイヤリティを向上させ、繰り返しお客様に来店してもらえるようにしていかなければならない。つまり、サービス力を向上させて、お客様の満足度を、感動にまで繋げていく事が大切だと考えています。考えています。

ただ一方で、現実として会社には売上目標があるため、ショップスタッフを含め全員が、数字を取らなければならないというところに“視点”が向いてしまいます。そこでMSRの導入によって、“お客様の満足度を上げるためには、どうしたら良いのか”といったお客様の“目線”で考えることで、「こういうことができるよ」とか「こんなことをしていきたい」など、皆の“視点”を変えるきっかけにもなると思いました。


実際にMSRを導入されてみて、感想はいかがですか?

君島氏:今年の5月にMSRを導入したのですが、姫路にある山陽百貨店のショップの店長が初めてMSRの調査レポート結果を見た時に、私に伝えてくれた感想がとても印象的でした。それは、「今までは、自分達がお客様に対して提供してきた接客やサービスが、お客様にとって本当に正しかったのか、なかなか判断がつかなかったんです。でも、今回のレポート結果を確認できたことで、自分達がやってきたことはやっぱり正しかったとわかったんです。それが1番の収穫でした」という言葉でした。

MSRというのは、お客様の生の声が評価の判断基準になっている。だからこそ、彼女は「自分達がやってきたことが間違っていなかったんだ」と思うことができた、そして、自分達の接客やサービスに自信を持てるようになったと、私は彼女の言葉を聞いて強く実感しました。もちろん、ショップスタッフだけでなく私達自身も、お客様の本当の声というものは、なかなか聞く機会がないのが現状です。そういう意味でも非常に良かったと思っています。


君島さんは、研修に対して独自のお考えをお持ちであると伺ったのですが、弊社の研修はいかがでしたでしょうか?

君島氏:私が講師をする研修もありますし、外部に依頼する場合もあります。一番大切なことは、研修を受けることで、次の日から受講者自身の行動に、どのような変化をもたらすか、だと考えています。その点、御社の初回研修(MSRを効果的に活用するための研修)は非常に価値がありました。例えば、ショップの店長を対象に、非常に当たり前のことですが、挨拶の大事さについて改めて研修をして頂きました。すると受講後、横浜そごうの店長は、「基本的なことだけれど、そう言えば挨拶って本当に大切だよな。私ちゃんとやっていたのかな」と自分の行動をしっかりと振り返り、自店に持ち帰っていました。そして、横浜そごうのショップでは、店長自身がしっかりと挨拶に取り組みながら、他のスタッフにも共有していく事で、お店全体で改善活動に主体的に取り組んでいったのです。その結果、お客様の反応が明らかに変わり始め、販売につながる機会が増えていき、成果が1ヶ月後の売り上げの伸びにも現れていきました。もちろん、挨拶だけでなく様々な要素もありますが、お店の雰囲気が変わってきていること、その結果が数字に繋がっていることは確かだと思います。


1回の調査では、一人のお客様の声しか確認できません。その点を御社ではどのようにとらえられていますか?

君島氏:その点は、まったく問題ないと考えています。FURLAにとって一人のお客様は、100人の中の一人でなく、一人のお客様こそが全てであるという意識を持っています。そして、一人一人のお客様の満足の積み重ねが100人のお客様の満足に繋がっていくと考えています。つまり、「1=100」を目指さなければならないのです。そのために、当社のショップでは、基本3~6名体制で対応させて頂いていますが、どんなお客様がいらしても、FURLAらしい接客を提供できるように、スタッフの接客やサービスをFURLAの基準で統一する必要があると考えています。

また、私は「100-1=0」という言葉を使います。これは、“たとえ99人のスタッフが頑張ってお客様を幸せな気分にしても、一人のスタッフがお客様に不愉快な気分を与えてしまえば、その瞬間、99人の努力は無駄になる”といった意味なのです。

FURLAはお客様の満足度を上げていくために、お客様の声に対してしっかりと向き合い続ける必要があると考えています。そのため、このような取り組みを1回で終わらせるのではなく、継続して取り組むことが重要であり、また並行して、ショップスタッフの全体的なレベルを上げていくことにも取り組む予定でいます。


最後に、“スタッフもブランドを構成する大切な要素”と考えておられる御社の人材育成について、お話を聞かせてください。

君島氏:人材育成の基本的な考え方に、“仕事を通しての自己成長”というものが前提としてあります。そして、当社が考える自己成長とは、“人間性の成長”と“ビジネススキルの成長”です。

たとえば、御社のMSRには、調査の結果に対して犯人探しをしたり、悪いところを責めるのではなく、お客様の声を活かして、皆でアイデアを出し合って、いかにチームワーク良く改善を行っていくかが重要であるという特徴があります。それゆえ、ショップスタッフや店長には、お客様だけでなく一緒に働くメンバーへの理解が常に求められます。そこが人間性の成長に繋がっていくと考えています。

また、ビジネススキルについては、MSRを通じてお客様の生の声に気づく事で、スタッフ自ら試行錯誤しながらも、お客様に喜んでいただくための接客やサービスの方法を考え、取り組むようになります。そしてさらに、お客様の声に耳を傾ける事で、お客様にとってその取り組みが正しかったのかを判断します。この繰り返しが販売力、すなわちビジネススキルの成長に繋がると思っています。

最後に、FURLAで働くことで、一人一人が自己成長し、最終的にお客様のベネフィットとなり、企業の利益に繋がり、会社を発展させる。そこからまた、一人一人が更なる自己成長を遂げていく。そのような連鎖の繰り返しが、企業とFURLAブランドの継続的な発展に繋がると信じています。


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