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チーム意識を作る会議の進め方|HUGE新川社長に聞く7

2002年の日米首脳会談では会食の接客を担当、「サービスの神様」とまで言われた、株式会社HUGE新川社長に、自社での会議運営の方法をお伺いした(取材:株式会社MS&Consulting  常務取締役  渋谷行秀)。

自分だけが目標達成しても意味がない

当社では、早番・中番・遅番という3つのチームで店を運営しているのですが、例えば経営会議のときに、目標の数字に対して中番が105%で達成、遅番が89%で未達でしたという報告があったとします。もしそれで中番のメンバーが「自分たちは達成しました」と得意げな顔でもしているようなら、僕は怒りますよ。「自分たちが達成なら、それで良いわけ?」「あなた達は遅番の人のために何をしてあげたの?」と。

セクショナリズムというか、チームごとに足を引っ張り合うような状態では、良いお店はできません。先ほどのような状況になったら、必ず「じゃあ、遅番をフォローするために、自分たちは何ができるだろう?」という話し合いをします。こういうコミュニケーションが、より大きな視点で、つまり「自部門」ではなく「店全体」という視点で物事を考えられる土台になってくるんですよね。

ちなみに経営会議には、希望制ではありますが、アルバイトスタッフにも参加をお願いしています。会議に出て、店や会社が考えていることがわかってくると、同じ仕事でもより主体的に、より楽しくできるようになってくるし、実際に顔を合わせて「へぇ、遅番にはこんな人がいるんだ」「早番でこんな子が頑張ってるんだ」と分かれば、時間帯が違っても興味が出てくるし、助け合おうという気持ちも生まれてきますから。

会議の進め方で組織は変わる

当社は今年で店舗展開をして12年目になりますが、ずっと目標を達成してきました。1度も目標未達成という年はありません。もちろん、店舗によって凸凹はあります。全店が好調というわけにはいきません。でも、早番・中番・遅番の話と同じで、どこかが補うんです。結局これが組織の力というか、「チームでやる」ということなんです。

未達成だった店舗の分まで別の店舗が稼ぐという、数字だけの話ではありませんよ。

例えば、「今年から店長になりました」という新人店長の店。新人なのでチーム作りがまだ上手にできなくて、年度当初の何カ月か、そのお店で目標未達が続いたんです。それで、僕も会議で、ちょっと声を荒げて「どうなってるんだ?」と聞くじゃないですか。でもそういうことがあると、必ずその後は別のベテラン店長が声をかけて、フォローしています。特に僕からベテラン店長に頼んでいるわけではないんですが、ごく普通に「実際、どうなの?」なんていってミーティングをして、アドバイスをしてあげて、その後飲みに行ってメンタル面のフォローもしてくれている。で、そういうことがあって1カ月、2カ月すると、目標達成できるようになってくるんですよ。新人店長が。

そういう組織だからこそ、連続で目標達成、前年超えが実現できたと思っています。こういう風土を作るためにも、コミュニケーション、特に会議の仕方は重要ですよね。


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取材:株式会社MS&Consulting 常務取締役 渋谷行秀

MS&Consulting 渋谷行秀
MS&Consulting 渋谷行秀
株式会社MS&Consulting 常務取締役。日本ホスピタリティ推進協会理事。「サービス・プロフィット・チェーン理論(顧客満足度・従業員満足度・業績の3点を連鎖して向上させる考え方)」の実践と啓蒙をライフワークとしており、同分野におけるコンサルティング実績は300社を超える。著書に「こうすれば顧客満足を超える店になる―サービス・プロフィット・チェーンの実践ノウハウ(商業界)」。

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