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サービス業の人手不足対策は「採用増<離職減」

文:砺波 敬之、編集:宮本 紗和

新元号「令和」になり、今後変わっていくのではないか?良くなっていくのではないか?と将来に希望を持つ声が増え、世の中の雰囲気が少し明るくなってきたように感じられます。厳しい状況が続いていた居酒屋業界においても、3か月連続(2019年1月~3月:一般社団法人日本フードサービス協会)で、売上前年対比100%を超えており、明るい兆しが見えてきております。ただ、居酒屋業界をはじめサービス業全体において、人手不足は昨今、喫緊の課題であり、どこの企業も頭を悩ませている問題だと思われます。人手不足を解消するためには、採用数を増やし、離職数を減らすことが重要ですが、当社が実施したアンケート結果から、人手不足感が強い店舗は、採用以上に離職率低減に力を入れる方が効果的であることが、当社の調査データから分かりました。


人手不足対策には、採用増より「人材の定着率」!

当社はサービス業の店長3,072名を対象に、店長が感じている「人手不足感」と、その店舗の実際の「離職率※1」「採用率※2」の関係性を調査いたしました。
その結果、離職率に関しては「人手不足を強く感じている店舗ほど、離職率が高い」という相関が見られたのに対し、採用率に関してはそのような関係性が見られず、むしろ「人手不足感が最も高い店舗が、最も採用率が高い」という逆転現象が起きていることがわかりました。
※1 離職率 =直近1年間で離職した人数 ÷ (回答時の在籍人数+直近1年間で離職した人数)
※2 採用率 =直近1年間で採用した人数 ÷ 回答時の在籍人数

調査概要
期間:2018年7月21から2019年2月28日
対象:当社従業員満足度調査「tenpoket(テンポケット)」回答者のうち、店長の職位にある方
方法:インターネットによるアンケート調査

本調査では、まず、店長に対して自店舗の人材充足感(店舗を運営するのに必要な人員が十分確保できていると思うか)について質問し、「十分確保できている」「ある程度確保できている」「どちらともいえない」「あまり確保できていない」「全く確保できていない」の回答ごとに、店舗を5つのクラスに分類しました(表1)。

(表1)あなたの店舗を運営するのに必要な人員が十分確保できていると思いますか?(n=4187)


そして、店舗の実際の離職率と採用率を5つのクラス別に比較したところ、離職率に関しては「人手不足を強く感じている店舗ほど、離職率が高い」という相関が見られたのに対し(表2)、採用率に関してはそのような関係性が見られず、むしろ「人手不足感が最も高い店舗が、最も採用率が高い(=直近1年間で採用した人が占める割合が高い)」という逆転現象が起きている(表3)ことがわかりました。

(表2)人材充足感と離職率

(表3)人材充足感と採用率


スタッフが辞めない店舗をつくり、負のスパイラルを断ち切ろう!

これは「人手不足から既存従業員の負荷が大きくなり、その結果として離職率が上昇してしまう。さらに離職したスタッフの穴を埋めようと新しいスタッフを採用しても定着できずに離職していまい、人手不足が解消しない」という負のスパイラルが数値面で確認できる結果であると考えられます。つまり、人手不足問題の解決には採用を増やすだけでなく、人が辞めない職場をつくっていくことが、欠けてはならない必須条件なのです。


関連コラム:感動はホスピタリティから生まれる、「お客さまの感動」を生み出す秘訣【前編】
     :感動はホスピタリティから生まれる、「お客さまの感動」を生み出す秘訣【後編】

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