
アプリ会員130%増! WEGOの接客力向上の取り組み
1994年、大阪の小さな古着屋からスタートした株式会社ウィゴー。現在では若年層から絶大な支持を集め、国内外に約190店舗を展開する企業へと急成長を遂げています。そんな同社が近年直面したのが、コロナ禍をきっかけにした「接客力の低下」という課題でした。この課題に取り組むために導入したのが覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」です。同社コーポレート本部の澤石氏と池沢氏に、具体的な取り組み内容について話を伺いました。
「接客力低下」への強い危機感
―はじめに、覆面調査の導入を決めたきっかけを教えてください。
澤石氏:店舗を回っている時に「基本的なことからできていないな」と感じるケースが増えたことがきっかけです。そして、その根本的な原因はコロナ禍を境に、入社してくるスタッフの傾向が変わったことにあると思いました。
以前は洋服が大好きで、たくさん接客を受けてきた人が数多く入社してきてくれていました。ところが、コロナ禍を通して洋服のオンライン購入が当たり前になったことで、実店舗で接客を受けた経験が少ない新人が増えました。接客の体験数というベースが違うため、従来の研修だけでは新人に響かないと感じていました。
池沢氏:また、コロナ禍でスタッフ数を絞らざるを得ない時期があり、会社の屋台骨といわれる5~10年目の層が薄いという問題もありました。店長もスタッフも若く、経験豊富なスタッフが少ない中で状況を変えていかなければいけない。そんな折に、信頼している方からMS&Consulting社のことを伺い、覆面調査をお願いしたというのが導入までの流れです。

―調査会社が多数ある中で、MS&Consultingを選んでくださった理由は何ですか?
澤石氏:まずは「実績」ですね。我々のように店舗数が多い企業にとって、同規模の小売業から選ばれている安心感は大きかったです。設問数と費用のバランスも良いと判断しました。
決定打になったのは「伴走力」です。調査スコアをもらうだけだと改善につなげるのが難しかった経験があります。御社は調査スコアの意味を一緒に考えてくれたり、他社事例を交えて「こういう改善方法はどうか」と提案してくれたりと、我々の状況を踏まえて並走してくれます。この「調査結果をどう店舗改善に活かすか」まで親身に考えてくれる姿勢が導入を後押ししました。
アプリ会員130%増を実現した、お客様優先へのシフト
―覆面調査を店舗にフィードバックするようになってから、どのような手ごたえを感じていますか?
池沢氏:店長の考え方が良い方向に変わってきていますね。店長が課題点を毎週店頭チェックしたり、スタッフに伝えるようにしたりという動きが生まれています。今は、サービスの当たり前の基準と比べて、自店ができていないポイントを一つひとつ改善してくれている感じですね。
―店長会議でも覆面調査の結果を共有されています。どのような工夫をされていますか?
工夫というわけではありませんが、うちの店長は身近な存在から受ける影響が大きいのもあり、まずは、私自身が熱量を持って「ここを変えたいんだ」という強い想いを語るようにしています。
その上で、覆面調査の結果をもとに「今できていないこと」を自覚してもらい、「では、どうしたらいいのか」という具体策を伝えています。
<店長会議資料(抜粋)>

店長発表の時間を取ることもあります。最近の店長会では、ある店長が発表した「二番手育成」の話が大きな反響を呼びました。社歴の浅い店長が多い中、どうスタッフを巻き込んでいくかは店長たちの切実な悩みです。「一人で考え込まずに悩みを共有し、みんなで作り上げていく」という姿勢が、多くの店長の心に響いたのだと思います。
―現場に変化を感じますか?
池沢氏:アプリの新規会員獲得数が前年比130%と大きく伸びました。新規会員獲得はレジでのお声だけでは限界があります。接客の入り口となる「商品を手に持っているお客様に袋をお渡しする」という行動を取れるスタッフが増えた結果です。積極的にお客様へアプローチする姿勢が徹底されてきたことは良い傾向だと感じています。他にも、複数人で作業していても一人は必ずお客様を見るといった体制ができたりと、スタッフのマインドが「作業優先」から「お客様優先」へと変わりつつあります。
<覆面調査のスコアも変化している>

実は過去に、「この会社でサービスを頑張っても意味がないですよね、評価されるのは売り場づくりが上手な人ですよね」と辞めていったスタッフがいました。それがとても嫌で「CSも正当に評価される」と示したいと考えています。まだ、全スタッフを巻き込めているとは言えませんが、少しずつ変えていきたいですね。
―最後に、今後さらに目指したいWEGOの姿についてお聞かせください。
澤石氏:WEGOはファッションの面白さをはじめて知るエントランスストアという一面も持っています。セルフスタイルのお店ではありますが、その中でも、自分が持っている知識を活かしてお客様が欲しい服を見つけることをサポートできる販売員を育て、ファッションについて気軽に相談できるスタッフ、いつでも親身になって寄り添ってくれるスタッフがいるお店にしていきたいですね。
※取材日:2026年7月6日
※取材:株式会社MS&Consulting 横山隼也、森未咲
※記載されている数値や固有名詞などは取材当時のものです。
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