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スギ薬局が、エリアマネージャーを軸に挑む「接遇向上」の取り組みとは?

全国に2,000店舗以上を展開し、調剤併設型ドラッグストアを強みに地域の健康を支える株式会社スギ薬局。調剤業界が「対物から対人へ」とシフトする中、同社は今、全社一丸となってホスピタリティの向上に取り組んでいます。そんな流れの中で、なぜ覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」の導入を決断したのか、導入後に現場にどのような変化が生まれたのか、同社  営業サポート本部の平野氏と山森氏にお話を伺いました。

「ホスピタリティ」は最強の差別化戦略

―今、このタイミングで「ホスピタリティ」に注力されている背景を教えてください。

平野氏今、調剤業界は大きな転換期を迎えていて、薬剤師には丁寧な服薬指導やその後のフォローアップといった「対人業務」がより一層求められるようになっています。

また、スギ薬局は「調剤薬局とドラッグストアが同じ店舗内にある併設型店舗」を展開しています。体調が悪く不安な患者様に、薬剤師がプロとして優しく寄り添うことで生まれる深い信頼感は、結果として、調剤薬局だけでなくドラッグストアを含めたお店全体のファンづくりに直結します。

今、このタイミングでホスピタリティの向上に取り組むことは、時代の流れに応えることはもちろん、競合店との最大の差別化につながると考えています。

スギ薬局の接遇改善_対人業務強化のための戦略_インタビュー取材記事

お話を伺った、株式会社スギ薬局  営業サポート本部の平野哲也氏(右)と山森雄介氏(左)

"本当の患者様"の声を大切にする

―覆面調査を導入した目的を教えてください。

平野氏: ホスピタリティの重要性は全社で共有していましたが、その土台となる「接客評価」については、エリアマネージャーが臨店した際の現場での感覚に頼っていました。「患者様から見て、私たちのホスピタリティは本当に届いているのか?」を正しく測定したいと考えたのが導入を決めたきっかけです。

山森氏:薬剤師が対人業務に注力できるようにするために、医療事務に任せる業務範囲が広がりました。そのため「逆に医療事務に余裕がなくなっているのでは?」という懸念がありました。このような現場で起きている課題を把握するという点も、覆面調査の導入を決めた理由です。

―調査会社が多数ある中で、弊社を選んでくださった理由は何ですか?

平野氏MS&Consulting社の覆面調査は、実際に病院にかかり、その処方箋を持った「本当の患者様」がご来店されます。患者様の心理状態も本物で「体調が悪く早く帰りたい時の待合室での体感時間」や「お薬に対する本気の不安にスタッフがどう寄り添えたか」など、医療の現場で重要な顧客体験がリアルなデータとして上がってきます。現場も素直に納得でき、前向きに改善へと動き出せると判断しました。

<"本当の患者様"の声を届ける覆面調査>

調剤薬局向け覆面調査の調査員選定方法(実際の処方箋を持った方が調査)

エリアマネージャーを起点に、調査データを行動に変える

―調査レポートが届いた後、どのように調査結果を活用していますか?

平野氏:調査結果を成果につなげられるキーマンは、店舗を俯瞰して見ることができる「エリアマネージャー」になると考えました。そこで、調査運用の流れの中にエリアマネージャー向けの研修を組み込むことにしました。

具体的には、MS&Consulting社の調査結果閲覧サイトにある、結果を細かく分析できるツールを使いこなして、担当店舗の課題を正しく抽出できるようにするための研修を行いました。

また、「調査結果を現場が受け止められるような形で伝える力」も求められます。薬局長やスタッフとどのように対話すれば反発を生まずに前向きな行動変容を促せるかというフィードバックの手法についても、MS&Consulting社に講師をお願いして学ぶ場を設けました。

<覆面調査活用の流れ>

―「エリアマネージャー研修」の反応はいかがでしたか?

平野氏:エリアマネージャーの行動に変化が見られました。例えば、あるマネージャーは担当店舗のデータを深く読み解き、「この店舗の強みはここだから、まずここを伸ばそう」「この課題に対しては〇〇から始めてみよう」と、根拠に基づいたオーダーメイドの資料を作成して、指導にあたってくれました。

エリアマネージャーが、担当店舗の現状把握や分析を行ったり、あらかじめ伝えるポイントや伝え方を決めてから指導にあたるなど、マネジメントの質が高まったと感じています。

<エリアマネージャーがオーダーメイドで作成した資料>

担当店舗がポジティブに動けるよう伝え方や取り組むポイントを整理

エリアマネージャー起点の薬局指導_エリアマネジメントの質を改善_スギ薬局の事例

平野氏:その他は各営業部に任せる形でしたが、営業部長たちの温度感が高く、週次ミーティングでも調査の話を取り上げてくれ、調査の結果をもとに現場にチェックに行くように指示が出ていました。数値化された結果が出て、課題と対策が明確になったことで温度感が上がったのだと思います。

現場のやりがいにつながる「お褒めの言葉」の増加

―現場へのフィードバックが進む中で、具体的にどのような変化や成果を感じていらっしゃいますか。

平野氏:これまでは「もっと患者様に寄り添おう」と発信しても、具体的に何をどうすべきかは人によって捉え方がバラバラでした。それが、調査結果から「挨拶のトーンや笑顔」「待ち時間のお伝えや配慮の声掛け」といった、患者様にとって重要な行動が可視化されたため、ホスピタリティに対して本部から現場まで同じ目線ができました。

これまでイメージで語られがちだった「ホスピタリティ」という言葉が、具体的な行動と結びついて、全社の共通認識になったことは大きいですね。実際、1回目と2回目の調査結果を比較すると、患者様からの印象評価が+13ポイントも改善しました。

山森氏:お客様サポート室に寄せられる「お客様の声」を大切な指標として確認していますが、覆面調査を始める前と比べて「ご指摘」が減り、「お褒めの言葉」が目に見えて増えました。現場からも「ありがとうと言われる回数が増えた」「かかりつけ薬局として選んでいただけている実感を持てるようになった」といった嬉しい声が届いています。

さらに「地域貢献」できる薬局へ

―最後に、今回の取り組みを踏まえた今後の展望をお聞かせください。

平野氏:スギ薬局の創業時からの想いは"地域貢献"です。患者様お一人おひとりの不安に寄り添い、安心をお届けできるような、最もホスピタリティあふれる薬局を目指して、これからも店舗づくりと人財育成に邁進します。また、顧客満足度とともに従業員満足度も高めていきたいですね。患者様への親切が評価され、スタッフ自身も「ここで働きたい」と思える職場環境を作れたら、それが一番の状態だと考えています。

※取材日:2026年6月29日
※取材:株式会社MS&Consulting   古田 顕尚、執筆:同社 児玉彩子
※記載されている数値や固有名詞などは取材当時のものです。

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