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コロナ禍でも売上前年比140%達成、すご腕店長の『店舗マネジメント術』 ~働きたい店舗アワード受賞インタビュー~

2021年度 働きたい店舗アワード5,994店舗中10位を獲得され、売上も昨年対比140%と好調な株式会社バンダイナムコアミューズメント 、川之江店  金﨑店長に「売上向上につながった取り組み」や「従業員満足度(以下、ES)のマネジメント」についてお伺いしました。

※『働きたい店舗アワード』では、tenpoket チームアンケートの結果が特に優れていた店舗を年に一度表彰しています(詳細はこちら⇒)


 ―コロナ禍にあっても売上・利益予算2年連続達成、今期売上は前年比140%(21年8月末時点)と非常に好調です。どのような取り組みをされているのですか?

当店は地方立地なので新規のお客様のご来店は多くありません。今、店舗にいらっしゃるお客様にいかにリピートしてもらえるかが生命線です。ですから、お客様に当店での時間をより楽しんでもらえるよう『スタッフからの声かけ』をとても大切にしています。

例えば、次のようなお声かけです。

常連様▶「〇〇さん、最近どうですか?」

景品が取れたお客様▶袋をお持ちして一緒に喜ぶ

同じゲームに何回も挑戦しているお客様▶「景品になっているそのアニメ面白いですよね」


ゲームセンターで声かけに熱心に取り組むのは一般的ではないかもしれませんが、過去このやり方でお店のファンになって下さった方が沢山いました。方針を貫けば自然とお客様が増えると考えてきました。

結果、実践を積み上げてきたタイミングで、近隣のショッピングセンターが改装のため一時閉店となり、今までご来店のなかったお客様がご来店、そのお客様がリピートしてくださり、昨年対比140%という今の業績につながりました。

川之江店はとても高い顧客満足度スコアを叩き出している

顧客満足度調査スコア一覧

※ミステリーショッピングリサーチ(MS&Consulting社提供)のデータより


―お客様への声かけ、スタッフ育成はどのようにしていますか?

実はゲームセンターはメダル補充、景品補充、エラー対応など裏方作業が多いんです。そういった裏方作業のちょっとした合間にお客様にお声かけをする必要があります。ですから、‟どのような接客対応をすべきかの判断”に時間をかけられません。スタッフには"お客様の何を見ればいいのか”を具体的に教えるようにしています。

例えば、次のように教えています。

「両替機に〇回行かれたら声をかけて」
「同じゲームをずっとしているお客様には声をかけて」
「景品が取れたお客様には袋をお持ちして」


その上で、スタッフの目の前で僕が何回もやって見せています。

スタッフからは「ゲームセンター勤務にこんな仕事があるとは思わなかった」と言われたりします。でも僕は「お店の印象はスタッフで決まる」と考えています。実際、スタッフの対応でお店に愛着を持ってくださりリピート利用につながっているお客様もいれば、その逆もあります。これからも「スタッフからの声かけを大切にする」という方針は徹底したいと思っています。

お話を伺った、株式会社バンダイナムコアミューズメント namcoフジグラン川之江店 金﨑店長


―「働きたい店舗アワード」では5,994店舗中10位となりました。躍進の土台には高いESがあると感じます。どのような点を意識されていますか?

「スタッフとの信頼関係」が店長に1番必要なことだと思っています。そのために常日頃からよく話しかけ、関係性を構築することを心がけています。

【スタッフとの距離が縮まる会話】

「雑談」や「面白い話」など、スタッフとの距離を縮めるための会話を意識的にしています。僕らは接客業なので‟仕事を楽しんでいる雰囲気”がとても大切ですが、店長との距離感が遠くなってしまうとお店の雰囲気が悪くなってしまうからです。

【信頼を得るための会話】

ただ、雑談だけでは「信頼関係」は築けません。スタッフの仕事ぶりを見守って必要に応じて声かけしています。「私のことをちゃんと見てくれているんだ」とスタッフが感じられることが大切だと思っています。店内ですれちがった際、また時にはインカムを使ってなど、都度声をかけるようにしています。

例:ありがとう。いつも助かっているよ。

例:あの仕事、対応できそう?


また、業績達成のためにはキャンペーンの成功が欠かせませんが、「売上を上げよう!」「頑張ろう!」ではスタッフの心は動きません。特に大事にしているのは、「担当してくれた仕事がどういう結果につながったのか」を必ず伝えることです

例:「あなたが〇〇を頑張ってくれたので、こういう結果になったよ」「POPを担当してくれたキャンペーン、目標〇%達成したよ!」

こんな言葉かけで必ず成果を伝えるようにしています。自分の仕事と業績の関係がイメージできるようになってきたことで、最近はスタッフの方から「POP作りましょうか?」など自主的に動いてくれるようになってきました。


スタッフ写真
スタッフが仕事を楽しんでいる雰囲気がお客様にも伝わり、お店のファンを増やしている



ES調査(tenpoketチームアンケート(株)MS&Consulting提供)はどのように活用していますか?

スタッフが感じていることが「項目別スコア」として見える化されるので、今自分に足りていない部分を把握して、その後のマネジメントに活かしています。例えば、前回は「感謝承認」のスコアが足りなかったので、スタッフとのコミュニケーションでその点を意識するようにしました。

年に2回、自店舗のESを客観的に把握している

従業員満足度レポート(バンダイナムコ)

※従業員満足度レポート(tenpoketチームアンケート(株)MS&Consulting提供)


実は店長になったばかりの時は自分の思う通りにスタッフをコントロールする方が売上がついてきて良いと思っていました。ところが、その考えだと長期的には上手くいきませんでした。そんな紆余曲折を経て「スタッフから信頼されること」を大事にしたマネジメントをするようになりました。店舗内、スタッフ間の雰囲気は良くも悪くも必ずお客様に伝わります。スタッフにも、お客様にも、当店を楽しんでもらえるような「雰囲気の良い楽しいお店作り」を今後も目指したいと思います。


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​​​​​​​※取材日:2021年9月10日
※取材・執筆:株式会社MS&Consulting ブランディング推進部 並木彩華
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。



 

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