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歴史ある駅ビルがコロナ禍で覆面調査の継続を決めた理由とは

湘南ステーションビル株式会社

湘南の駅ビルとして、長年地域に親しまれてきた「ラスカ平塚」。各業界がコロナ禍の苦境にあえぐ中で、いち早く覆面調査(以下、MSR:ミステリーショッピングリサーチ)の導入継続を決定した。今回はMSR継続の背景や、コロナ禍での独自の取り組みについて、運営会社である湘南ステーションビル株式会社の取締役平塚店長の丸茂淳氏(写真下)、同店営業部のCS推進課長、君島亜紀氏に話を伺った。


地域密着で地元の貢献にこだわる「ラスカ平塚」

––「ラスカ平塚」さんは、駅ビルの中でも大変歴史があるとお伺いしました。


丸茂氏:湘南を訪れる方々の玄関口としてオープンしたラスカ平塚は、開業47年。長い間、地元密着の駅ビルとして親しまれています。その歴史の中で、親子3代にわたりご愛顧いただいているという声もお聞きします。弊社、湘南ステーションビルが運営する4施設の中でも、最も歴史がある館です。

平塚は、東京や横浜のベッドタウンでもあり、多くの地元の皆さまが毎日のように平塚駅を利用されます。また、従来からのお客様に加え、駅を利用する通勤途中の皆さまの需要にもお応えしようと、2019年にはファッション雑貨やカフェなど、新店舗出店をメインにしたリニューアルを行いました。長年築いてきたお客様との関係はそのままに、さらに多くの方のライフスタイルに即した存在になれるよう、地域密着を信念に日々の運営を行っています。


湘南ステーションビル株式会社取締役平塚店長 丸茂淳氏 写真

湘南ステーションビル株式会社取締役平塚店長 丸茂淳氏


感染への不安を経て、不安は次の段階へ

––コロナ禍で、館内外にどのような変化がありましたか?


丸茂氏:ショップさんをはじめ、働いているスタッフの方々の中に感染への強い不安感がありました。その不安をどう取り除くかということが、まず、コロナ禍で我々が取り組んだことです。2020年の春の段階で、店舗ごとに時短営業の希望があれば対応するなど、各店舗の要望に柔軟に対応をしてきました。感染を拡大させないという目線で、働く方々のサポートとケアに取り組みました。

そして現在、ショップさんの不安は「この状況でどう売り上げを確保して行くか」という次の段階に移っています。我々はその不安解消につながるような、売り上げ確保に向けた前向きな取り組みや、スタッフの方々のモチベーションを上げていく仕組みづくりへとシフトしている段階です。

具体的には、予約販売制やテイクアウト品の充実が主な取り組みです。特に外出やイベント参加等の楽しみが制限されている中ですので、傾向としてはおうち時間を楽しめる商品の需要が高まっています。最近でいうと恵方巻の売り上げが爆発的に良かったのも、時流を反映していると思いますね。少し贅沢なものを自宅用に購入するという流れが見えてきましたので、施設全体で売れ筋商品の傾向を共有し、売り上げアップのためにモチベーションを上げ、自信をつけてもらうという動きは、各ショップさんが行っている施策のひとつです。

また、お客様についても同様に、昨年春ごろは感染防止の対策が主な取り組みでした。お客様の年齢層が比較的高めなこともあり、感染に対する不安を多く抱えているという前提で、徹底した対策とその周知という動きを行っていました。

しかし、こちらも現在は状況が変わってきています。感染防止策に対する知識もある程度浸透している状況で、やはりおうち時間の充実や、気分が明るく晴れるような商品や、出来事を求めていらっしゃるようです。そこで、当館では現在、屋上庭園で月に1回「ラスカdeマルシェ」というイベントを開催しています。これは、当館テナントではない、地域のさまざまなショップの方々にお声かけをして、マルシェイベントを行うものです。そのほか、館内のホールで映画鑑賞会やミニコンサートを開催するなど、感染防止を徹底しつつ取り組んでいます。

これらのミニイベントが大変お客様に好評で、都心まで出かけられない日々を少しでも紛らわす機会になっているようです。



【写真】ラスカdeマルシェ

ラスカdeマルシェチラシ



MSRはショップの「健康診断」のようなもの

––コロナ禍でさまざまなことが変化していく中においても、弊社のMSRを継続されている理由を教えてください。


君島氏: 2019年度に行った施設リニューアル時には、「ショップの接客率の向上」「カテゴリー担当がショップ目線で支援できること」「リニューアル店・新規店のCSレベルを把握してサポート体制を強化すること」という3つのMSRの目的がありました。

MS&Consulting社の調査は、1人の方の意見ではなく3人の方のコメントがレポートとして上がってくるので、他の調査会社と比較してショップの方々の納得感が高い、という印象です。また、調査員の方の年齢層や性別、調査の時間帯に希望を出せるという点や、地域密着という当館の特徴に合致した湘南在住の調査員の方に絞ることができた点も良かったですね。実際のお客様の声と近いものを得られるという部分が大変興味深く、MSR導入に至りました。

MSRを実施すると多角的に課題が見えるので、今はショップさんの健康診断のようなイメージを持っています。調査結果を受け取った後のフィードバック研修では、一般のお客様がお店に訪れたときに、どういう接客を望んでいるのかをリアルな数値で見れたり、コロナ禍での取り組み事例を紹介されたことにより、ショップの納得感が高かった。

実際、店長のモチベーションが下がっていたりと心配していた店舗は、フィードバック研修を受けて、『一時は落ち込んでいたが自信を持って何をすればよいのかが分かった」と、研修後にお店が活気づき、そういうのを目の当たりにすると、良かったと感じます。

コロナ禍でコスト削減は至上命令ではあります。しかし、MSRという名の健康診断を行うことで、コロナ禍でも変化に対応できるショップさんが増えるのでは? と考えています。「当たり前のことにに疑問を持つ」ショップさんが増え、一緒にこれからのことを考えるきっかけになればと思い、継続を決めました。


館全体を意識改革! 新サービスを生み出す組織へ

––来期以降のCS、ESに関する取り組みや、展望をお聞かせください。


丸茂氏:まず、コロナ禍におけるお客様の意識の変化をしっかり捉えること。我々に求められている「もの」や「こと」はどんどん変化していると思います。人の変化、暮らしの変化、街の変化を捉えながら、地域の皆さまと一緒になって少しでも明るい未来につなげていければと考えます。

スタッフの方々に向けては、引き続き安心して働ける環境づくりを進めていきます。また、皆さんのモチベーションをいかに上げていくか、という部分は取り組みを強化したいです。現在は、各ショップでの良い事例を共用のホワイトボードに書き込んで紹介していくという、コミュニケーションも兼ねた仕組みを作っているのですが、このアナログなやり方を次年度は例えばタブレットで共有できる仕組みにするなどをやっていきたいですね。


【写真】コミュニケーションボード

コミュニケーションボード 写真


来期はぜひ、館全体の意識改革とモチベーションアップを実現させたいです。そのために、ショップの方々、当社社員も含めて、新しい取り組みやサービスを生み出す、考え出すことのできる環境や体制を整えていきます。


取材:株式会社MS&Consulting 金澤則幸、黒澤理沙
記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは取材当時のものです。

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