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株式会社イートファクトリーホールディングス

圧倒的なリピート率を誇る非効率店舗で成長を加速
人手不足の時代に負けない「逆張り経営」を実現するポイントとは 株式会社イートファクトリーホールディングス

2019/11/14 更新

外食 51~99店舗 tenpoket(テンポケット)

※この記事は、第12回クオリティサービス・フォーラムの講演内容をレポートするものです。
※記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは講演当時のものです。
食を通じ、関わる全ての人に"明日への活力”を提供する企業を目指す、株式会社イートファクトリーホールディングス。屋台居酒屋『大阪満マル』をはじめとする飲食事業で、国内外合わせて3業態76店舗(2019年4月現在)を展開する。人手不足が叫ばれて久しい飲食業界において、効率化の真逆を行く経営方針で直営店のみならずFC展開も順調にその数を伸ばし、出店数100店舗をその視野に捉えるなど、成長著しい注目企業だ。あえて時代に逆行する非効率経営での成功ポイントについて、同社取締役兼、事業開発本部長 利川 弘大氏にご講演いただいた。

主力業態『大阪満マル』の魅力とは

株式会社イートファクトリーホールディングスの主力業態は、『大阪満マル』という居酒屋です。満マルは、基本の展開立地を路面1階、商店街や駅周辺に設定していて、月商800万円、年間1億円程度の売り上げが見込めることを出店基準としています。“フラっと立ち寄り、サクっと飲み食い、ゴッツー美味いのに、メッチャ安い”がコンセプトで、気軽に立ち寄れる立地の良さと雰囲気を重視しており、チープ感にこだわったファサードなど、入りやすい店づくりが特長です。そして、満マル業態の特筆すべき魅力は「圧倒的なメニュー数」「圧倒的なコストパフォーマンス」そして「広告宣伝費が実質ゼロ」という3点です。

私は最初、客として満マルと出会ったのですが、その時の衝撃は今でも覚えています。とにかく安くて美味しくて、すごく元気で。それでいてものすごい数のメニューがありました。それもそのはず、業界ではメニュー数の平均が70〜80種類と言われていますが、満マルはグランドメニューが200種類、さらに月替りメニューもあります。飲食業界でも効率化が進むなか、なぜメニュー数の多さにこだわるのかというと、それはお客さまを“飽きさせない”ためです。また、メニューが豊富なことでコンセンサスが取りやすく、顧客ターゲットを広げることができます。「満マルに行きたい!」でなくてもいいのです。「しゃあねえな」と選んでもらう。そういう気軽さが特色なのです。

さらに、60席以上の大型店を基本としています。小規模だと、お客さまが店ではなく人に付くからです。たくさんの席と圧倒的なメニュー数は、例え店長が変わっても店の売り上げを落とさないための戦略でもあります。

また、満マルは圧倒的なコストパフォーマンスの良さにもこだわっています。平均原価率は39%。原価率120%のメニューもあります。客単価は、平均2,000円〜2,200円です。お会計が600〜700円というお客さまもたくさんおられますが、その代わりにリピート率がとても高く、50%近くを誇ります。他のチェーン店と比べて倍以上はあるのではないでしょうか。スーパーやコンビニでお酒とつまみを買っても600〜700円。それならフラっと満マルに立ち寄っていただき、元気な従業員と「まいど―!」と声を交わすほうが魅力的です。そういう需要が、リピート率の高さにつながっていると考えます。

広告宣伝費が実質ゼロという点も、コストパフォーマンスに大いに貢献しています。一般的には売り上げの5%〜10%を広告宣伝費にあてていると思うのですが、弊社はグルメサイトでの広告宣伝なども一切お断りしています。広告宣伝に費用をかけても店に実力がなければ客足は続きません。それならその分原価に費用をかけ、お客さまに還元する。それが最高の広告宣伝だという理論でやっています。

業態寿命がないという、飲食業界では通常考えられない特長も、こういう流行り廃りに左右されない強さからきているのだと思います。

あえて時代に逆行する! 「逆張り経営」の戦略

満マルの拡大戦略の方向性ですが、先にも述べたように、他のチェーン店はまずメニュー数を減らし、原価率を抑え、低オペレーション化を進めることで利益を確保しようとします。しかし、弊社はあえてメニュー数を大幅に増やし、寿司も店で握り、刺身も引き、おすすめメニューも毎月更新しています。こうした手間暇をかけて徹底した非効率化を行う部分は、時代に逆行した経営をしているとも言えます。チェーン店理論とは真逆です。

また、他のチェーン店が省力化、PB化に勤しみ、高単価化を目指す技術力に関しても、人と技術力が必須の逆行した戦略をとり、その上で低単価に設定しています。これは店側の都合で戦略を立てるのではなく、「自分たちが客だったらこういう店に行きたい」という”逆張り”を選択しているのです。ではなぜ、人手不足の時代に逆行したこの仕掛けで、直営とFCでの大規模展開が実現しているのでしょうか?

1つ目の理由は、科学された「立ち上げノウハウ」の存在です。

自社で内外装工事を完結できる仕組みがあり、物件選定からオープンまでが迅速です。素早い立ち上げが可能なファサードの仕掛けもあります。今では当たり前になってきていますが、イスやテーブルも簡易な作りで、内装もほとんどベニヤ板。クロスも貼りません。チェーン店にはあまり見られない手作り感です。チープだからこそ大衆的な店内の雰囲気が安心感も作り出しつつ、スピーディーにオープンできるというメリットがあります。

そして、スタッフ育成には「満マル1ヶ月カリキュラム」を用いて、200種類の料理を習得するための料理技術研修を、1ヶ月で徹底して行っています。この教育プログラムにより、手間のかかる多数の料理ノウハウを短期で取得できます。

また、オープン時は専属トレーナーによる「キャスト1週間メニュー」というアルバイトキャスト向けの研修を行います。この研修では“笑顔・元気・感動”という理念の話をします。なぜ笑顔が必要なのか、感動が必要なのかということをしっかりとわかっていただくための研修です。また、この理念や考え方の指針を書いたクレドカードというものをみなさんに名札にして渡し、サービスの的を絞り、加速するためのアプローチをおこなっています。

2つ目は、サービスの「選択と集中」を徹底していることです。

MS&Consultingさんに入っていただき、あえて2項目にサービスの的を絞ることでCSアップと原価率ダウンを両立することに成功しています。

まずはテーブルに対する目配り気配り。オーダー時におしぼりを変える、皿を持って行くなどのテーブルに対するサービスを全国的に徹底しています。再来店意思、リピート率に一番相関するという分析があるからです。

次にオーダー時の串カツ伝票の説明です。これは、「串カツはテーブルの伝票でオーダーするシステムである」ことを一言添えるという徹底です。この説明をすることで串カツの出数が上がります。原価率が100%を超えるメニューもあるなか、原価が安い串カツの出数が上がることで全体のバランスが取れていきます。

これらを踏まえて毎月MS&Consultingさんと細かい部分をミーティングさせていただき、的絞り項目のデータ共有と勉強会を全国で実施することで、グループでの統一を図っています。あえて時代に逆行した戦略でも大きく出店数を伸ばすことができる秘密は、これらの理由にあるのです。

CSの課題を見える化し、課題を解決するMS&Consultingとは?

「非効率化」と「階級別インセンティブ」でモチベーションをアップ

これは自慢なのですが、満マルのアルバイトキャストさんは、満マル愛がある人ばかりです。休みの日にプライベートで食べに来てくれたり、遠方の満マルに行ってくれたり、すごくファンが多いと思います。これもMS&Consultingさんに担当していただいていますが、従業員満足度調査「サービスチーム力診断」でも、スタッフ満足度の重要項目で平均値以上が出ています。

飲食店でスタッフが辞めていく理由の多くは、「もうここで学ぶことがない」「出会いが少ない」というもの。そんな中、満マルの業態はオペレーションが他店より多く、平均7人は働いています。業態を非効率化することによって、スタッフにとっては仲間ができ、学びの希望が叶えられているのです。実際に、満マルでは離職率がかなり低くなっています。

人手不足を防ぐ取り組みをもう少し紹介したいと思います。まずは、アルバイトキャストさんへの取り組みで、星取表というものがあります。これは、その日の売り上げ目標を達成したらカレンダー形式の表に星マークを付けるというもので、達成した日は出勤したキャストさん全員に1日300円が支給されます。この取り組みを始めたことにより、キャストさんが一丸となって目標を追うことが増えました。店長だけで目標を追わず、キャストさんとも共有することで毎日の達成感を得る仕掛けを作ったのです。

スタッフが「突然辞める前に」店舗の現状を把握し、課題を解決する『サービスチーム力診断』を資料DLする。

社員への取り組みとしては、SV、部長、幹部は半年に1回の評価ですが、店長への評価は月1回実施し毎月インセンティブを出すなど、階級別のインセンティブ制度を採用しています。また、売り上げ数字だけではなく、普段の働きぶりなども基準にすることで、社員・店長のモチベーションアップにつなげています。

評価・達成感・称賛
飽きない仕掛けをスタッフにも

さらには全スタッフに向けての取り組みとして、ポジション習得表という能力に報酬が紐づく仕組みで自分の技術レベルを確認できる指標づくりを行っています。

前述のように、スタッフにとっては、学びがなくなることが辞める動機になり得ます。何をどう学べば時給が上がるのかを「見える化」することによって自分の戦闘能力がわかり、仕事に対する達成感と、飽きずに成長できるモチベーションを提供できていると考えます。

また、達成できなかったことではなく、達成できたことにフォーカスし、承認・称賛するようにしたところ、達成できなかった、やらなかったスタッフの行動にまで変化が見られるようになりました。このことから、日々の星取表や評価、毎月の成果発表会に加えて、年に1回『イートファクトリーアワード』という表彰式を開催するなど、多くの称賛の機会を設け、スタッフに対しても飽きない仕掛けをおこなっています。

最後に

2人に1人以上の若者が飲食店に勤めた経験があると言われているにも関わらず、慢性的な人手不足が続いています。それは、飲食業界全体に魅力がないからなのではないでしょうか。しかし、私たちがその魅力を作っていくことで、人手不足は解消していけるはずです。

全社一丸となり、業界の先頭に立って、今後の居酒屋業界を盛り上げていきたいと思います。

イートファクトリー様の事例をDLする

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