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おふろ甲子園

おふろ業界から日本を元気に!「おふろ甲子園」の取り組み
温浴業界でのミステリーショッピングリサーチの活用

おふろ甲子園

一般社団法人ニッポンおふろ元気プロジェクト

取材:吉川高弘
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
温浴業界で働く人が最高に輝ける場を提供することを目的として、「おふろ業界から日本を元気に!」を合言葉に2年に1回開催されている「おふろ甲子園」。今年(2017年)で第4回目を迎える本イベントの審査には予選としてミステリーショッピングリサーチが活用されており、新規客目線でのレポートが、温浴業界の市場拡大を考えていく上で大きなヒントとなっているだけでなく、現場スタッフのモチベーションアップにも一役買っているという。
第4回「おふろ甲子園」でミステリーショッパー運営部部長を務められている、株式会社クア・アンド・ホテル 石和健康ランド支配人代理 清水剛氏にお話を伺った。

日本おふろ元気プロジェクト「おふろ甲子園」

――まず初めに、「おふろ甲子園」を主催されている「ニッポンおふろ元気プロジェクト」について、ご紹介いただけますか?

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第4回「おふろ甲子園」でミステリーショッパー運営部部長を務める、清水剛氏。

私たち「ニッポンおふろ元気プロジェクト」は、全国の温浴施設の社長・支配人・店長・関連業者などおふろに関わる有志によって運営される業界団体です。おふろ業界の発展を目指し、全国の温泉・温浴施設でさまざまな情報交換や勉強会、イベントなどを開催しています。
プロジェクトのメンバー同士、本来は競合関係ということになりますが、「おふろ業界の発展」という共通の目的のために、良いことも悪いこともシェアし合っていこうという雰囲気が非常に強いプロジェクトです。例えば最近ですと、タトゥーのお客さまや外国人のお客さまへの対応を話し合ったり、「100のありがとう風呂」といった全国一斉イベントを開催したり、変わったところでは温浴アイドル「OFR48」のプロデュースをしたりと、おふろ業界の発展のために硬軟織り交ぜた活動をしています。
今年で第4回目となった「おふろ甲子園」もそうしたイベントの一つで、エントリーしていただいた全国の温浴施設のうち、ミステリーショッパー(覆面調査員)による審査で「接客やクリンネスといったサービスが素晴らしい」と評価された優秀店舗が、決勝大会のステージで自店の想いや取り組みを発表し、日本一の店舗を決定します。

地域密着型業態における「新規客の声」の重要性

――「おふろ甲子園」の予選審査について、第1回、第2回は他社さんで、それ以降は弊社のミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)で調査をされていますが、調査会社を切り替えて良かったことはありますか?

業界の有志からなるおふろ甲子園事務局メンバー

業界の有志からなるおふろ甲子園事務局メンバー

回を追うごとに調査項目がどんどんブラッシュアップされ、その結果として設問数が増えていったのですが、そういう状況の中でも御社には価格も含めてフットワークよく動いていただき、「何のために調査をするのか」という調査の背景をしっかり汲み取っていただいた上で私たちがやりたい調査を実現してくださったことに、一番感謝をしています。

おふろ屋さんの仕事と言っても、ただお湯を沸かしてお客さまを待っていれば良いというわけではなく、接客面、清潔面など多岐にわたる業務があります。また、館内に飲食店やボディケア店などのテナントを擁することも多く、そうしたテナントのスタッフさんにまで店舗の姿勢や方針を共有することの難しさもあります。「そうした課題を持つおふろ屋さんの助けになりたい」という気持ちで調査設計した結果、設問数も100を超える内容となり、調査をされるモニターさんも、レポートを運営される御社にもご苦労をおかけしていると思いますが、それだけの内容を一人のお客さまに網羅的に見ていただける機会は他になく、大変ありがたく感じています。

決勝大会当日の店舗によるプレゼンテーション

決勝大会当日の店舗によるプレゼンテーション

また御社のレポートは「悪いことだけではなく、良いことも積極的に見つける」というスタンスで運営されていて、前向きなコメントが多くいただけることも素晴らしいです。「長所伸展」という言葉もありますが、「弱みを知る」だけではなく、「強みを知り、伸ばしていく」ことも非常に重要なことだと思います。

――おふろ甲子園に参加された施設の皆さまからの反応はいかがですか?

おふろ甲子園に参加してくださった方からのアンケートでは、「お客様の感想を『言葉』という形で、『何が良くて、何がいけないのか』教えていただけるのが、とてもありがたいと感じました」、「コメントを記載していただける箇所が多く、具体的な意見が参考になりました」、「人の目線はそれぞれで、気が付くこと、気が付かないことさまざまだと思います。お客さまも同じで、それぞれの方に対応していくことが接客業のサービスでなければならないので、良い資料になりました」など、フリーコメントが良かったというご感想が特に多かったです。

――特に新規のお客さまからは、なかなかアンケートを書いていただけない場合が多いので、新規客目線でのフリーコメントが多く集まった点に価値を感じていただけたのでしょうか?

そうですね。おふろ屋さんというのは、これまで地域密着を大切にしてきた業態だと思いますが、その裏返しで、どうしても新規客よりも常連客を重視する傾向があります。例えば、おふろ屋さんにはロッカーキーや館内のキャッシュレスといった独特のシステムが存在しますが、今回のMSRのコメントでは、そうした私たちが「当たり前」と思っていた部分で、新規のお客さまが「わかりづらい」と戸惑われているケースがあることがわかりました。
逆に考えれば、はじめてのお客さまに対して利用方法をしっかりと説明するなど、今後はこうした部分を改善して新規のお客さまにも喜ばれる施設を目指すことで、おふろ業界の市場を拡大していくことができるのではないかと思います。そんな気づきを得られたことも、非常に良かったです。

CS(顧客満足度)だけでなくES(従業員満足度)にも効果

運営部によりMSRのレポートチェックも念入りに行う

運営部によりMSRのレポートチェックも念入りに行う

――清水さんは「おふろ甲子園」の運営に携わられる一方で、店舗として「おふろ甲子園」に出場なさっているわけですが、参加者の立場からのご感想はいかがですか?

まず何より、レポートがわかりやすい点が良いと思います。
CSを向上させようと思うとスタッフが動いてくれなければどうにもならないわけですが、現場のスタッフにはパートさんも多いです。そのため、わかりやすいということが非常に大事です。その点、おふろ甲子園の(MSRの)レポートでは「客観的に見て、うちは全国で何番目のおふろ屋さんなのか」「何ができていて、何ができていないのか」がシンプルにわかるので、MSRの結果をもとにPDCAの改善サイクルを回す、それもトップダウンではなく、どうしたら良いかを自分たちで考えて改善に取り組んでもらうことができます。また、プロ目線ではなく、一般のお客さま視点からの率直なご意見なので、納得性が非常に高いのも良い点です。

それに、CSだけではなく、スタッフのモチベーションアップ効果も感じています。
スタッフに向けて「今回もおふろ甲子園に参加します」とお知らせしたところ、パートさんから「私は○○について特に頑張ります!」と意気込みを伝えるメッセージが返ってきたり、(おふろ甲子園の)結果が出た後に「この会社で働けて嬉しいです」と言ってくれるスタッフもいました。
自主的に改善活動に取り組むことで自然とやる気も生まれますし、継続的に参加することで自分たちの取り組みの成果がわかることも、スタッフのモチベーションアップにつながっているのだと思います。

――ESあってのCSですね。

おっしゃる通りです。
例えば弊社の場合、私が「おふろ甲子園」の調査設計をする立場でもありますので、調査項目を事前に知っているわけですが、だからと言って店舗として高得点が取れるというものではないんです。マネジメントの経験がおありの方でしたらわかっていただけると思いますが、「ここがチェックされますから、ここは必ずこうしましょう」というマニュアルさえ作っておけば、その通りにスタッフが動いてくれるのであれば、何の苦労もないわけです。
結局、スタッフ自身が「やろう」と思って動いてくれなければ成果にはつながらないので、スタッフのやる気に火を点けることができるわかりやすい仕組みという点で、MSRのレポートは非常に価値があると思います。

多くの企業を巻き込んで、温浴業界の活性化に

温浴アイドルや元プロレスラーの熱波師(ロウリュウ)など様々な方が業界を盛り上げる

温浴アイドルや元プロレスラーの熱波師(ロウリュウ)など様々な方が業界を盛り上げる

――「おふろ甲子園」を今後どのような大会にしていきたいですか?

まずは参加店舗数をもっと増やしていきたいですね。
第1回目の26店舗からスタートして、今回の4回目で46店舗の参加となりましたが、今後も一軒でも多くの店舗に参加してもらいたいと考えています。そのために、毎年ブラッシュアップして、いわば我々の店舗運営ノウハウの魂のような調査項目を作り上げ、魅力を高めて、より多くの施設がエントリーしていただけることを願っております。
「おふろ甲子園」という一つのイベントを通じて競合同士が交流することで、切磋琢磨しながらおふろ業界を盛り上げ、またおふろ業界で働いている人が夢や誇りを持てるような大会にすることを目指して、今後も取り組んでいきたいと思います。

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