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株式会社甲羅(居酒屋業態)

愛知県内42店舗、全店黒字経営。
不況だからこそ伸びる業態の秘密

株式会社甲羅(居酒屋業態)

株式会社甲羅

愛知県豊橋市東脇3-1-7

ウェブサイト:http://www.kora.co.jp/

赤から公式ウェブサイト:http://www.akakara.jp/

『季刊MS&コンサルティング 2009年春号』掲載
取材:泰道善行、文:西山博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
2003年の出店以来、東海地方を中心に、現在グループ直営28店舗、FC44店舗を展開する「赤から」。外食産業全体が厳しい状況の中で、昨年度は95%以上の店が黒字となり、不況に強い業態としても注目を集めている。業態開発を行った株式会社甲羅の鈴木勇一社長、FC本部機能を担う株式会社グッドブレーンの水谷準社長にお話を伺った。

株式会社甲羅 鈴木勇一社長インタビュー

株式会社甲羅 鈴木勇一社長

株式会社甲羅 鈴木勇一社長

私は「飲食業とは、お客様に感動を売る『感動業』である」と考えています。感性を磨くことによってお客様の気持ちを汲み取り、それをサービスに反映させていく。そしてお客様に感動を与え、その対価として感謝の気持ちを頂く。この「感性・感動・感謝」のサイクルこそが、飲食業だと捉えています。

このサイクルを実現するために弊社では、一般には「QSC:Quality, Service, Cleanliness」と言われるのをアレンジした「QHA:Quality, Hospitality, Atmosphere」という方針を掲げています。これには、おいしさだけではなく楽しさを提供できる店にしたい、という気持ちを込めています。私はよく「飲食店のディズニーランドを目指そう」と言うのですが、ディズニーランドはアトラクションに入らなくても、園内に一歩入ったところから楽しいですよね。どういう部分からそう感じるかというと、雰囲気であったり、キャストのホスピタリティであったりするわけです。私達も、料理がおいしいのは当たり前で、さらに店内の設えやスタッフのサービスなどを通じて、総合的に「このお店に来て、楽しい時間を過ごせた」とお客様に言って頂けるような店を目指しています。

ミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)を「スタッフの感性を育てるためのツール」として活用

定期的に店舗ミーティングを行い、キッチンとホールでどのように連携をはかっていくかを互いに考え、改善活動を実施している。

定期的に店舗ミーティングを行い、キッチンとホールでどのように連携をはかっていくかを互いに考え、改善活動を実施している。

弊社では、MSRをスタッフの感性を高めるための教育ツールとして捉え、5年前から活用しています。

お客様に感動を与えられる店を目指すにあたり、立派な建物や設備がいらないわけではありませんが、やはり人を感動させるのは最終的には人でしかあり得ません。立派な建物は、一度は感動を与えるかもしれませんが、三度も来れば慣れられてしまうでしょう。しかし、人のサービスというのはそういうものではありません。ここでいう“サービス”とは、もちろん、マニュアルの徹底というレベルの“サービス”ではありません。マニュアルは基本中の基本であり、それを超えたサービスがあった時に初めて、お客様を感動させることができるのです。

では、そういうサービスができるようになるためにはどうすれば良いかというと、スタッフの感性を育てるしかないのです。確かに感性は、生まれ持っての素質によるものですが、教育によって後からいくらでも伸ばすことができます。ただ、その教育というのは、上から「こうしなさい」とやり方を教えられるようなものではなく、「気づき」を与えて、自分で考えさせるというプロセスが重要となってきます。その点でMSRは、お客様の声という形で「気づき」を与えてくれるシステムであり、感性を育てるための効果的なツールだと考えています。

ヒット業態開発の秘訣は「誰もやっていないことをやる」

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「甲羅本店」や「赤から」などのヒット業態をご覧になった方から、業態開発の秘訣について聞かれるのですが…。考えてみると、小さい頃から絵を描いたり、工作したりするのが好きで、「物をつくる」ことについてよく考えている気がします。今でも、24時間のうち半分くらいは、「次はどんな店を作ろうか」と考えていますよ。

繁盛店を作る大前提は、お客様の視点を最初に持ってくることだと思います。「こんな店を作ったら、お客様は喜んでくれるかな?」というのが、全ての起点です。あと、私が店を出すときにいつも考えているのは「一番店になれるか」ということですね。「一番店になる」というと大変そうに聞こえますが、一つだけ、すごく簡単な方法があります。それは、「誰もやっていないことをやる」ということです。

「甲羅本店」はまさにそれで、一号店を出店した豊橋市にはそれまでカニの店が一軒もありませんでしたので、カニの店を作れば一番店になれるということを、まず思いつきました。その後、「じゃあ、この地域にカニのお店を出すとしたら、どんなお客様が来るのか」と考えました。小さい子供連れのお客様が多そうだから、畳の部屋を作ろう。サラリーマンの宴会需要もありそうだから、対応できるようにしないと…。そういう順番で考えていったのが、ヒット業態に的中した秘訣ですね。

商品開発

赤から鍋

赤から鍋

「赤から鍋」は、もともとコプチョンチャンゴルという韓国鍋がベース。それを鈴木社長が見て、「この色(赤味噌色)は八丁味噌の色と同じで名古屋の人には受け入れられやすいのではないか。名古屋では、鍋の名物は無かったから名古屋の新名物にしよう。」というコンセプトでトライアル店舗から導入し、一気に火がついた商品。

また「鶏セセリ焼」は、今でこそよく食されるが当時は焼き鳥ではあまりメジャーでなかったセセリ(頸筋部分の肉)を、本当に美味しい食材であることを消費者に知って頂きたいということで商品化を進めて、受け入れられた商品である。
このように料理に対する社長の想いを商品化し、また、開発された料理の品質を落とすことなく、多店舗展開するための仕組化も進めている。一例としては、レシピのみならず、調理過程をDVDに映像化して「ビジュアル的マニュアル」を作成し、全店舗で共有している。