HOME > 特集インタビュー > 有限会社ミュー

【第8回クオリティサービス・フォーラムレポート】
顧客満足、社員満足を高めて強みを伸ばす組織へ

有限会社ミュー

有限会社ミュー

URLhttp://www.mieux-co.jp/

代表者:恒松 慎吾 代表取締役
所在地:島根県出雲市渡橋町1186栄幸ビル2F
設立年月:1998年11月
事業内容:美容業
展開するブランド:Mieux(ミュー)、approve(アプルーヴ)、他
社員数:正規50名

※『季刊MS&コンサルティング 2015年冬 特別号』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、講演(掲載)当時のものです。ご了承ください。

美容の可能性を広げたい

QS8-06-03

有限会社ミュー 恒松慎吾 代表取締役

島根県出雲市に美容室4店舗、スパサロン1店舗を構える有限会社ミュー。2014年5月に行われた第1期「スタイリスト CIS AWARD」(MS&Consulting主催)にて、4店舗のひとつであるapprove(アプルーヴ)店の店長がスタイリスト歴4~10年の部で準グランプリを受賞するなど確かな技術や対応力に定評がある。

代表取締役の恒松慎吾氏は、日本ビューティ・コーディネーター協会の山陰エリア委員長も務める。人口が少なく、顧客の高年齢化も目立つ地域において、美容メニューはもちろん、ボディスパからヨガまで幅広いサービスが人気の同社だが、同氏は「3年前まではごく普通のサロンでした」と語る。「JBCAの活動を通して出会った方々に刺激を受け、自社でも美容業全体に可能性を広げようと、組織づくりやサービス開発を進めてきました」。

 

QS8-06-04

コミュニケーターが参加するミーティング。コミュニケーターの選抜基準には「素直さ」が重視される。

そのベースとなっているのが、同社が掲げる「All About Beauty」というコンセプトだ。美容室の市場規模は微減が続き、現在1.6兆円を割り込んでいる。しかし、視野を広げて関連事業をみてみると、コスメ1.7兆円、健康サプリメント1.5兆円、エステやアイラッシュなどは数億円レベルだが今後の伸長が見込まれる。同社のコンセプトには、これらを総合的に取り入れ、顧客へ提供する意図が込められている。

ネットワーク型組織への転換

QS8-06-01同氏は、このコンセプトの実現に際して「ビューティゾーンを広げる」ことを大事にしていると話す。「一般的にこれまでは、『より美しくなりたい』という美容への積極性は若いうちが高く、年齢を重ねるにしたがって『マイナス面を隠すもの』として、美容が消極的に捉えられていくようになると考えられていました。ところが今は、より高い年齢層の方々が中心となり、“大人ビューティ”への対応が求められています。そもそも、20代後半や30代という時期に、美容に対してネガティブになることは、非常にもったいない話だと思います。そこで従来のイメージを取り払い、どんな年齢でもそのお客さまに合ったビューティを提案したいと考えました」。

一人の女性が幸せになれば、家庭や職場が明るくなり、ひいては社会の明るさにもつながる。「ビューティは社会貢献だといつも念頭に置いています」と同氏。加えて、専門サービスの充実や幅広い年齢層の顧客への対応が求められるので、スタッフのキャリアの多様性も増す。

この考えが、同社のさまざまな仕組みや施策に反映されている。美容業界は離職率が高く、特にローカルエリアでは人材の確保は死活問題だ。そこで同氏の考えを共有しながら、ES向上そしてCS向上へとつなげるために同社が取り組んだのが、大幅な組織再編である。数年前、一般的なピラミッド型組織から、店長とビューティ・コーディネーター(以下、BC)、そして同社独自のポジションであるコミュニケーターとアソシエイトの4種の役割がそれぞれ機能を補完し合う「ネットワーク型組織」へと転換を図った。

BCは、JBCAが定義する職能を踏まえながら、スタッフのアイデアリサーチ分析や、サロンワークマネジメントなどを行う。コミュニケーターは現場と店長、会社とのパイプ役を務めるほか、数字を把握し改善へのアイデアやリーダーシップを担う。アソシエイトは技術寄りの立場で、最新技術やトレンドの把握と共有、勉強会の企画や実施などを担当。それぞれが立てた企画を、最終的に店長が意思決定する。

全員参加の店づくり

QS8-06-02

BEST BEAUTY COORDINATOR AWARD 2013ではJBCA特別賞を受賞(写真は石飛未来氏の発表シーン)

4種の役割の連携が、サロンワーク全体を円滑にし、CS向上に大きく貢献している。「全員参加の店づくりができるようになりました」と話すのは、BCの石飛未来氏。4種の中でも、コミュニケーターは次期店長を見据えて経験を積んでもらうポジションだという。最近、コミュニケーターからの提案で、スタッフの勤務を9~18時と11~20時の2部制に変更した。顧客アンケートで「営業時間を長くして欲しい」という意見があり、分析の結果、2部制を導入して営業時間を拡大すればCS・ESが共に向上すると推察されたからだ。

「早番なら勤務後に2時間レッスンをしても20時に帰れるので、家族との時間も十分取れます。また、スタッフの負担を減らしながら生産性を維持するために、事前にスタッフ一人ひとりの各メニューにかかる時間を徹底して分析し、スタッフが動きやすくお客さまをお待たせしないシフト組みができる仕組みを開発しました」(石飛氏)。

さらに、コミュニケーターは「MSリーダー」としてミステリーショッピングリサーチの勉強会に参加し、異なるタイプの顧客への対応やカウンセリングの方法論などを現場へ共有し、コミュニケーション力を高めている。

「All About Beautyの実現と同様に、責任を持たせた役割分担による幹部育成が大切」と恒松氏。幹部が育つと会社が安定し、離職率も低下し、それがCS向上へ、ひいては業績へとつながっていく。

「今後は労務管理とリクルーティングにも注目して、サロンのブランディングを図りたい」と恒松氏は語る。勢いのあるサロンから、学びの多い分科会となった。

導入事例の詳細検索

業態別・導入サービス別・掲載季刊誌の掲載別で事例を絞り込んで閲覧できます。