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おもてなしの心を育てる小売業専門の接遇研修とプロ調査

株式会社センチュリーアンドカンパニー(ショッピングセンター)

株式会社センチュリーアンドカンパニー

東京都中央区日本橋2-3-4 日本橋プラザビル6階

会社ウェブサイト:http://www.century-and.co.jp/

『季刊MS&コンサルティング 2012年秋号』掲載
取材:西山博貢、文:高島知子
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
百貨店や商業施設をはじめ、ショッピングセンターを中心とした小売業態の企業への人材派遣や接遇研修を提供している、高島屋グループの株式会社センチュリーアンドカンパニー。同社とMS&Consultingはこのほど提携を発表、専門講師による研修や覆面調査と一般モニターによる覆面調査、それに基づいたCS向上支援を包括的に提供していく。同社ならではの接遇研修や調査について、お話を伺った。

73年に設立されて以来、人材教育や人材派遣の面から多くの企業をサポートされていらっしゃいます。研修についての考え方から教えていただけますか?

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株式会社センチュリーアンドカンパニー インフォメーション事業・研修事業統括部長 兼 研修事業部長 今野友佳子氏(左)、研修事業部 プランナー 主任 村松美枝氏(右)

今野氏:高島屋の販売員に対する研修部門を独立させる形で、当社内に設立しました。研修プログラムのベースとなっているのは、小売業の販売員が顧客に接する中で、どうしたら顧客が満足し「また来たい」と思えるか、という視点です。現在は百貨店や商業施設(以下、SC)を中心に、空港のスタッフや病院の職員の方々へも研修を提供していますが、特に小売接客業の分野に強みを持っています。

主な研修は、どのような内容なのですか。

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表面的な対応だけでは、施設の差別化にまでつながる接客の実現は難しい。センチュリーアンドカンパニーでは、「どう振る舞えばお客様にとって気持ちのよい接客になるか」を自分で考えられるよう、顧客に対するマインドを育てることを重視している。

今野氏:接遇研修というと「おじぎの角度は30度」といったマニュアルを思い浮かべがちですが、そうした表面的なことよりも、「お客様をおもてなしする心」を大事にしています。相手をもてなすこと自体を楽しめるようなマインドを育てることに、重きを置いているんです。皆が一律同じような対応をする、画一的な人材育成とは正反対ですね。

講師はほとんどが販売経験者で、受講生の側に立って研修を進めていくところが、受講生の信頼につながっているかもしれません。

研修のポイントはどのような部分でしょうか?

村松氏:接客は机上で行われるものではありませんので、一方的な講義よりもなるべく参加型の内容を心がけています。一社ごとに内容はすべてオーダーメイドなので、それぞれの施設の考えや方針にそって企画していきます。研修の種類の一つに、その施設で初めて働く人を対象にした「入店研修」がありますが、多くの施設では毎週あるいは隔週で90分など定期的に入っています。一方で、店長対象、サブリーダー対象など、テーマ性をもって複数回で企画するケースも多いです。

外部研修事業者へのSCのニーズ高まる

入店研修は、施設の理念や考え方、館内ルールを共有する意図から施設側が自ら行うイメージがありましたが、そうした研修の依頼もあるのですね。

村松氏:もちろんそういう場合もありますし、私たちがお手伝いをさせていただく時もコンセプトの説明などは百貨店やSCの方がされるケースも多いです。ただ、コンセプトが明確でも伝え方によって浸透具合は大きく異なりますので、具体的な理解を促すためのサポートをしています。

百貨店では以前から積極的に研修に取り組んでいると思いますが、独立したテナントが集まって構成されるSCでも、研修のニーズは増えてきていますか?

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研修講座の内容は、すべてオーダーメイド。ニーズや現状に合わせたきめ細かなカリキュラムやオリジナルのテキストを企画・作成・実施している。講師と受講者、受講者同士のコミュニケーションを重視した参加・実践型のプログラムであることも特徴だ。

今野氏:研修の必要性を認識されるところが多くなってきました。日本では2000年代初め頃からSCが増えていきましたが、そもそも場所を所有しているのはディベロッパーであり、不動産業です。だから、当時はそれぞれテナント側が教育したスタッフを入れてもらえれば運営できるという考えの施設も多かったのですが、運営し始めたら店によって人の入れ替わりが激しかったり、スタッフの振る舞いなどで施設の雰囲気が左右されたりすることで集客に影響が出てきました。そのようにして、不動産業であっても施設の側がCS向上に取り組む必要がある、ついてはテナントの垣根を越えた施設としての研修が必要だ、という考えに至ったのだと思います。

ただ、コンセプトの説明などは問題なくても、やはり接遇研修になるとノウハウがないと難しいので、私たちのような外部事業者へのニーズが高まっている状況です。すでに数年前から外部を入れて積極的に人材育成に着手してきた施設は、次のステップとして、自分達自身で教える内製化も検討しているようですね。

課題は入店アプローチと接客力による差別化

SCでの研修で課題になるのはどのような部分ですか?

村松氏:一番は、SC側が必要性を感じているかどうかだと思います。例えば年間や数年かけて研修を提供する場合、ディベロッパーの担当者の熱意によって成果はかなり変わってきます。通年になると周年祭やクリスマスなどの催事、あるいは内部のロールプレイング大会など、イベントに照準を合わせて組み立てる研修もあるので、SC側の協力は不可欠です。

特にニーズの高い内容はどのようなものですか?

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専門講師のプロの目による覆面調査を提供。言動や態度など一つひとつの可否を確認し、それを基にどう改善を図っていくかという具体的な取り組みも行っているので、問題点を意識しながら確実なレベルアップにつなげられる。

今野氏:一つは、顧客に対する入店アプローチの強化です。店へ一歩足を踏み入れてもらう声かけや態度などが弱い、という悩みをよく聞きます。もう一つは、商品では差別化できない時代なので、より一層、人で差別化したい、と伺います。笑顔や感じのよさ、共感を示す会話などですね。これを磨くのにロールプレイングが非常に有効なので、研修でもよく取り入れますし、SC全体のロールプレイング大会を手がけることもあります。

村松氏:このような内部のイベントは、モチベーションの向上にも大きな効果がありますね。SC側としては最終的にSC自体の価値を上げることが目標ですから、インナー向けイベントを通して以前より楽しんで接客をしているテナントスタッフを見て、効果を感じられているのだと思います。

SCがどのような状況だと外部研修事業者と組みやすいでしょうか。

村松氏:SCのコンセプトがはっきりしていることと、担当者が問題意識を持っていることです。課題はなんとなく分かっているけれど、解決手段が分からないという場合はお手伝いしやすいですね。もちろん、課題が分からなければそれを探るところから一緒に行うこともありますが、場合によっては当社とは違うタイプの事業者が必要なこともあるので、社外に複数ある選択肢の一つとして当社を捉えていただくような使い方が適していると思います。

タイプの異なる調査で問題点を根本的に解決

研修に加えて講師による覆面調査も提供されているのですね。

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百貨店やSCの考え方に合わせて、研修をオーダーメイドで企画。数回にわたる研修の場合、講師と受講生との関係も構築され、講師が店内を回るとスタッフが喜んで声をかけるようなシーンも珍しくないという。

今野氏:はい、提供しています。課題になっている部分については、事前に詳しく検討した上でプロの目で細かくチェックし、どこに要因があるのかを考察して、話し合いながら改善を図っていきます。ただ、この講師による調査にも課題があって、一つは講師の数が限られるので全国的な施設などの大規模なご要望に応えられない点、もう一つは30~50代の女性が中心なので、10代や20代向けのショップだとターゲットのズレから調査がしづらい点です。

そういった背景から、今回の提携により一般モニターの覆面調査を加えることで補完できる部分が大きいのではと考えています。

プロによるモニターと一般モニターとでは、人数の点以外にどのような違いがありますか?

村松氏:一般の方だと、細かいチェック項目がありながらも全体の印象が大きく影響するので、実際の来店者の気持ちに近い視点で課題を捉えることができると思います。課題がどこにあるかを探るのにも適しているでしょう。ただ、その結果を受けて現場でどう取り組んでいくかは現場に委ねられますので、改善活動のやり方に工夫が必要です。一方でプロの視点だと、一つひとつの具体的な行動レベルまで確認し、そのときの販売員の気持ちも踏まえて面談や施策を計画をしていくので、具体的な課題解決の手段として有効です。両方の活用で、相乗効果が期待できると思います。

数多くの小売業向け研修を手がけてきた御社から見て、おもてなしのレベルが高いSCのポイントは何でしょうか。

今野氏:やはり、SC側とテナントとの距離が近く、日頃からコミュニケーションが取れていることだと思います。そういうSCは一体感をもって顧客への目配りができ、それが施設の雰囲気にも表れます。立場は違っても、皆でを向上させようという連帯意識が大事ですね。

センチュリーアンドカンパニー:サービスメニュー一覧

プログラム 対象 研修の狙いと進め方
販売力向上研修 販売スタッフ
(新人~ベテラン)
接客のプロになるためには、「もう一度行ってみたい」「またあなたから買いたい」と思って頂けるような固定客づくりが重要です。お客様の購買心理に応じた接客販売のステップを理解し、他店と差がつく接客販売を目指します。対象メンバーのキャリアに応じて、コンサルティングセールスの基本から顧客心理に応じた対応まで、レベルや課題に応じたプログラムを設計し、実施します。
販売スタッフのための
専門講座
販売スタッフ 「セールストークに生かすカラーの基礎知識」「商品演出に活かすVMD基礎知識」「婦人服・紳士服のフィッティング」「進物の基礎知識」「ラッピング」「外国語講座(英語・中国語)」など、プロの販売員として、接客・販売の現場で活用できる専門知識を学びます。
CS向上研修接客マナー研修 販売スタッフ 対面販売における販売員の役割の重要性を認識し、お客様に好印象を与える販売員の基本マナーの習得を目指します。お客様に対して、形だけでなく「どんな気持ちで実践するか」を重視し、心からのサービス・マナーの実践につなげていきます。
ビジネスマナー研修
新入社員研修
全業種、全従業員 小売・サービス業にかかわらず、あらゆる業種で他社との差別化の鍵として「顧客サービス向上」「ホスピタリティ」がますます重要視されています。全従業員を対象として、日頃の行動が相手にどういう印象を与えているか、「感じの良い」要素とは何かについて、体験的に学びます。新入社員には社会人としてのビジネスマナーの基本、接遇・社内コミュニケーション等の職場マナーなど、実践的で効果的な動機付けができるようなカリキュラムを実施します。
ショップ運営・
メンバー育成研修
管理職、ショップ店長、
職場リーダー
ショップ運営のキーマンである店長を対象として、マネジメントの具体的な取り組みを「コミュニケーション」「CS」「人材育成」「売場管理」などのテーマで実施し、ショップの運営・管理に活かしていきます。また、多様な価値観を持ったメンバーを理解し、効果的な対応方法・育成方法を学ぶことで、メンバーとの信頼関係を構築し、イキイキとした職場づくりを目指します。
インストラクター育成 社内インストラクター、
スーパーバイザー
社内のインストラクターとして、ショップスタッフに対して、現場でのおもてなしマインドや販売スキルを指導していく手法について学びます。販売現場や、個々のスタッフの状況に応じた指導育成法の習得と、成果の出せる指導者の育成を目指します。個々人のキャリアや能力・性格に応じた個別指導法をロールプレイングやパーツトレーニング・ケーススタディ等を通して習得していきます。

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