地域でひかり輝くニッポンのおもてなし企業の秘訣

「おもてなし経営企業選」のご案内


地域でひかり輝くニッポンのおもてなし企業の秘訣

『季刊MS&コンサルティング 2012年秋号』掲載
取材・文:錦織浩志
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承下さい。

2012年9月4日(火)、経済産業省主催の「おもてなし経営企業選(事務局:株式会社MS&Consulting)」の広報活動の一環として、東京商工会議所の国際会議場にて「おもてなし経営推進フォーラム」が開催されました。


「おもてなし経営企業選」は、(1)従業員の意欲と能力を最大限に引き出し、(2)地域・社会との関わりを大切にしながら、(3)顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営を「おもてなし経営」と称し、このコンセプトに合致し、かつ他の事業者の参考となるような企業経営事例をおおむね50社程度選出して取りまとめ、公表するという経済産業省の取り組みです。これは、「おもてなし経営」を地域企業が目指すビジネスモデルの1つとして、世の中に広めていくことを目的としており、今後も啓蒙のためのフォーラムが各地で開催されます。

キックオフとして開催された東京のフォーラムにはおよそ200名が出席し、経済産業省 大臣官房審議官 商務情報政策局付の今林顯一氏の挨拶の後、ネッツトヨタ南国株式会社 取締役相談役の横田英毅氏と株式会社ヤマグチ 代表取締役の山口勉氏の2名により基調講演が行われました。

横田氏からは「仕事にやりがいを感じることによって社員は幸せを感じ、内側から動機付けられる。そういった社員からは人間力によって自然とお客様の幸せを考えた『おもてなし』が生まれる」というお話がありました。また山口氏からは「ちょっとした困りごとにも徹底的に対応することによって、商品が高くても買っていただける信頼関係が築け、『こんなものが欲しいから、見積もっておいてくれないか』というやりとりも可能になる」といった事例の紹介がありました。そして両講演の後にはそれぞれ、人と経営研究所所長の大久保寛司氏をファシリテーターに迎えたディスカッションが行われ、参加者の理解がさらに深まり、フォーラムは大盛況の内に幕を閉じました。

「おもてなし経営企業選」の応募は既に始まっており(募集期間:2012年9月11日~11月末日)、書類審査(同年12月)、ヒアリング調査(2013年1月)、現地調査(同年2月)、選考委員会などを経て、2013年3月に結果が公表されます。選出された企業は上記ホームページ等で広報されます。

現在、この取り組みは日経MJなど様々なメディアに紹介されており、注目度も高くなっています。「おもてなし経営企業選」は、選ばれた企業がおもてなし経営の成功事例として広く知られるようになるだけでなく、そこで働く従業員の方にとっても大きな誇りとなるであろう大変価値のある取り組みです。ぜひ、皆様奮ってご応募ください。


東京会場講師 ネッツトヨタ南国株式会社 取締役相談役 横田 英毅氏

「最幸のおもてなしを生み出す組織作り~満足と感動、幸せと人間力~」というタイトルで、ネッツトヨタ南国の事例を中心に講演されました。講演中の「一番大切なことは、社員だ」という言葉にも表れるように、横田様は社員の幸せを第一に考えられており、そのための人材育成や、取り組みが数多く紹介されました。

人材育成では、「社員の人間力を高めることを目的とし、その人間力から『おもてなし』は自然に生まれてきます。そして、その自然な『おもてなし』にお客様は感動してお店のファンになってくださり、社員もまた仕事にやりがいを感じている」というお話がありました。会場からは「理想的な経営だ」という感想も聞かれました。


東京会場講師 株式会社ヤマグチ(でんかのヤマグチ) 代表取締役 山口 勉氏

「デフレを勝ち抜く地域密着型経営」というタイトルで、大型家電量販店の出店にどういう対策を取ったのか、そしてそれをどう実現させていったのかを中心に講演されました。。

安売りによって勝負をしている大型の家電量販店に対抗するために、でんかのヤマグチがとったのは、その逆を行く「高売り」でした。粗利を35%にするため、商圏やお客様を思い切って絞り、昔ながらの電気屋さんという原点に返って「ちょっとした困りごと」をとにかく徹底的にお手伝いをするサービスを始めました。それが顧客との信頼関係につながり、高くても買っていただけるという経営が成り立っているという事例が紹介されました。会場からは「実務的で参考になる」という声が多く聞かれました。


「おもてなし経営」のコンセプト

地域のなかには、企業を取り巻く経営環境が一層の厳しさを増すなか、地域・顧客との関係を徹底的に強化することで、価格競争に陥ることなく、顧客のニーズに合致したサービスを継続的に提供し、「顧客」のみならず「従業員」、「地域・社会」から愛される経営を実現している企業が存在します。

このような企業で行われている、「(1)従業員の意欲と能力を最大限に引き出し、(2)地域・社会との関わりを大切にしながら、(3)顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営」を「おもてなし経営」と称し、地域のサービス事業者が目指すビジネスモデルの1つとして普及を図ります。


「おもてなし経営推進フォーラム」開催スケジュールについて(参加費無料)

「おもてなし経営」を実施している企業経営者の皆様をお招きし、地域・顧客密着型経営を支える従業員育成手法や地域・社会との関係強化策について御講演いただき、「おもてなし経営」の秘訣をご紹介します。開催スケジュール、お申し込みなど詳細は、おもてなし経営起業選公式ホームページをご覧ください。


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