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経営の中核を担う人材に求められる人間性

シナジー・スペース株式会社&株式会社アクティブカンパニー(居酒屋業態)

シナジー・スペース株式会社

東京都品川区西五反田2-1-22 プラネットビル8F

会社ウェブサイト:http://synergy.ne.jp/synergyweb/

株式会社アクティブカンパニー

北海道網走市南3条西1-10-1 ロイヤルコート1F

会社ウェブサイト:http://www.age-style.com/

『季刊MS&コンサルティング 2012年秋号』掲載
取材:西山 博貢、文:高島知子
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承下さい。
MS&Consultingでは、20年以上にわたり主に中小企業の経営者向けの研修を提供しているシナジー・スペースと提携し、同社代表取締役の鈴木博氏を講師に迎えて来年1月より「次世代経営者養成講座」の提供を開始いたします。それに先駆けて、受講生に“ヒロさん”と慕われる鈴木博氏と、同社の研修を複数回受講しているアクティブカンパニーの橋本環氏に、経営者に必要な考え方について話していただきました。

c051-02シナジー・スペース株式会社 代表取締役 鈴木 博氏(写真左)。ヒューマニスティックサイコロジー、哲学、経営、その実践的人間探求の中から30年間3万人を超える研修参加者、経営者の成長と突破に貢献。「自分が源泉」の在り方をベースにした教育訓練(※1)を実施。日本におけるヒューマングロウス(人間成長)トレーニングの代表的指導者。また、平成7年よりスタートした経営者研修“SEE”(※2)は社外重役制度を採り入れ、多くの経営者の支持を得て現在述べ1,000社を超えるネットワークに成長した。

株式会社アクティブカンパニー 代表取締役 橋本 環氏(写真右)。23歳で株式会社アクティブカンパニーを設立。現在16期目を迎え、北見市や網走市をメインに「串もん酒もん粋なもん ちょびぞう」など9店舗をドミナント展開。外食産業への貢献と同時に地域の発展・活性化を目指している。経営が不安定であった時期を乗り越え、理念・顧客満足・利益といった要素の全てを追求する経営姿勢を貫いて全店黒字経営を達成し続けている。そのきっかけとなったのが、シナジー・スペース株式会社代表取締役の鈴木博氏との出会いだった。

※1:「自分が源泉」研修とは― 経営者、社員、スタッフが共に参加するプログラム。「自分が源泉」(全ての結果は自分が創っている)の在り方やリーダーシップを、参加型のプログラムを通して探求します。シナジー・スペースが行ってきた研修の根幹をなす人間力研修です。

※2「SEE」とは― 自分が源泉の共通認識のもと、参加メンバー同士が「社外重役」の立場からサポートし合い、長期的かつ卓越した成果を目指す研修プログラム。 自社の存在理由、大切にする価値を明確にし、ビジョンを実現していくために経営品質(Quality Science)の考え方を導入している。 顧客価値を創造し、提供し続けるための組織基盤・仕組みを1年間かけて構築する。

すべての結果は自分次第。「自分が源泉」という考え方

まずは、お二人のプロフィールから教えていただけますか。

c051-01鈴木氏:私は26歳で起業し、以後、教育関係の事業を展開して来ました。そして、その集大成として1989年にシナジー・スペースを新たに立ち上げました。現在メインプログラムとして展開している経営者や経営幹部向けの一年間にわたる研修「SEE」を94年に開始し、「顧客本位に基づいた業績の卓越性」をテーマに研修を開発してきました。SEEの延べ参加者数は1,400人以上、社員研修等を通して社員の方々を含めると、約3万人の参加者の方々に関わってきました。

橋本氏:私は20代の頃から地元の北海道で事業を展開しており、現在は飲食業に絞って北見市や網走市をメインに「串もん酒もん粋なもん ちょびぞう」など9店舗を展開しています。業態の重なりはほとんどありませんが、いずれも北海道オホーツクの食材にこだわり、外食産業への貢献と同時に地域の発展と活性化に貢献することを目指しています。

鈴木先生の経営に対する考え方は、どのようなものでしょうか?

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「心を満たすお店を創りつづけ お客様を元気に 地域を元気にする」を経営理念に掲げるアクティブカンパニーは、豊かなオホーツクの食材にこだわり、地域密着型の事業を展開している。

鈴木氏:経営者として顧客や従業員に向き合って会社を経営していくには、いろいろな方法論・やり方がありますが、私は「経営者として、人としてどう在るか」ということを重視しています。それは、「自分が源泉」という言葉に集約されます。自分がすべての始まりであり、すべての結果は自分が創り出しているとまず認識することから経営は始まる、という意味を込めています。

一生懸命やっているのに成果が上がらないと、つい人や環境のせいだと思いがちです。長年経営者の仲間と関わってきて、問題の本質はそのような物事の捉え方にあると気づきました。良い・悪いは別として、起こってくる結果の源泉が自分にある、と捉えると主体が自分自身に戻ってきます。その結果、課題にニュートラルに向き合うことができ、その本質が見えそれに対して主体的に取り組んでいけるようになります。経営者研修をはじめ、当社のすべてのプログラムは「自分が源泉」をベースに行っています。

心の聖域に秘めている思いを、口に出すことから始まる

シナジー・スペースの研修は、具体的にどのような内容なのでしょうか。

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鈴木氏の研修は、まずは参加者の関係構築から行うので、初回から心強い経営者仲間ができるという点でも満足度が高い。講座で学び、現場にフィードバックし、また次回の講座で振り返るといった取り組みの繰り返しで、継続的な経営の改善を図る。

鈴木氏:SEEを例にお話すると、定員は12名前後、これをひとつのグループと捉えて毎月1回、年間13回のセッションを通して経営に取り組んでいきます。年間で8期ほどを随時開講しており、この9月には115期がスタートしました。

SEEの特徴は、3つあります。一つは、先ほどお話した「自分が源泉」という物事の捉え方をベースにしていることです。これはSEEだけでなく、当社のどの研修においても基盤となるものです。

2つ目は、グループで取り組むことで生まれるダイナミクスや多様性です。同期になるメンバーとは、もちろん雇用関係はありませんが互いに“社外重役”の立場を取り、互いの会社のことを「我がこと」としてとらえ、関わっていきます。12人の知恵や人間性の融合によって、一人では生み出せない大きな効果・気づきがうまれます。当社の社名、シナジー・スペースには、融合や共鳴が生まれる空間という意味を込めています。

3つ目は、リアリティを扱うことです。このことも、多くの経営者の方との関わりの中から見えてきたことですが、多くの経営者(私を含めて)は「人に言えないこと」を持っているようです。「経営者として恥ずかしくて…」「自分に能力が無いと見られるのでは…」等の思いがよぎるのだと思います。そして、経営課題の本質はこのような思いの裏に潜んでいます。「(良い・悪いを置いておき)事実を事実として捉えることから始めましょう!」、という目的から誠実に互いが関わっていくと、「あるがまま」を互いが許容する場が創られます。「事実を暴露する勇気」「すべてを許容する寛大さ」「互いを力付ける貢献」、これらは、正直で誠実なスペースの中で起こることと、私は確信しています。

A or BではなくA&B。相反する価値のバランスを取る

橋本さんは「SEE」をはじめ鈴木先生の研修を複数受けられているとのことですが、研修を通して変わったことは何でしょうか?

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アクティブカンパニー経営理念 アクティブカンパニーでは、スタッフやマネジャーそれぞれに向けて、人としてどう在るべきか、組織としてどう在りたいかを明文化したクレドを作成し、社員全員で共有している。ここには、「SEE」で得た学びや気付きが積め込まれている。

橋本氏:物事の捉え方ですね。「人間の最後の自由」という言葉をひろさんから教わったんです。どんな状況でも、その状況をどう捉えるかは自分で決められる、という意味です(自分が源泉)。初めて研修を受けたとき、当社は大赤字に苦しんでいました。以前は好業績だったのが、私が交通事故に遭い半年ほども現場を離れたことで、内部が大きく揺らいでしまったのです。知人からの紹介を受けて、ヒロさんの研修に参加したところ、自分がいかに目先のことに捉われ、理念やスタッフをないがしろにしていたかを実感しました。その後、「自分が源泉」を出発点にしました。捉え方を訓練したというほうが近いかもしれません。学んだことを徹底的に会社に反映し、日々の経営を改善しながらも理念の浸透に邁進しました。うまくことが運ばないときは、「自分が源泉」、「自分で創った結果なら自分で創り変えることができる」というメッセージが自分を力づけてくれました。その結果、V字回復というにはまだ足りませんが、今では何とか経営を安定させることができています。

鈴木氏:目の前の売上を立てることも大事ですが、企業の経営には長期的な理念の浸透が不可欠です。でも、多くの場合はまずは売上を、と考えてしまい、ある程度の時間が必要な理念の浸透やそのための日々の声掛けなどがおろそかになりがちです。でもよく考えれば、組織が強固にならなければ売上も上がらないので、これらは両輪なんですね。だから、安直に“A or B”(AかBのどちらか)と考えずに、相反する価値でも“A&B”(AとBの両方)という考え方で捉えていくことが大切だと思っています。

橋本氏:あらゆる局面で、その考え方を意識していく必要があると実感しています。例えば原価率を抑えるだけなら簡単ですが、そのままでは商品の質が下がり、お客様の満足度も下がります。原価率を抑えながらお客様の満足度を上げる、さらに従業員の満足度も上げる、といったようにいくつもの軸の両立に取り組むと店が元気になってきます。この考え方はスタッフにも共有し、実現できる方法を皆で日々考えています。

CS・ES・業績は、人が育つ土壌の上に表れる

経営の中核を担う人にとって必要なことは何でしょうか?

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鈴木博著 『自分が源泉~ビジネスリーダーの生き方が変わる~』 創元社。参加企業70業種・1,400社を超える中小企業経営者研修“SEE”を主催し、企業と経営者を長年見守り続けてきた著者がヒューマングロウス(人間成長)のエッセンスを語る、ビジネスマン必読の書。

鈴木氏:自分を見つめ、自分が源泉だと腑に落ちると、今は辛い状況だったしても「自分次第で可能性が開ける」と前向きに考えられるようになります。すると自ずと、周囲に対する感謝の気持ちが生まれ、それがスタッフに伝われば人が育つ土壌が生まれます。CSやES、業績といった成果は、その土壌の上にこそ表れるのではないでしょうか。

例えば橋本さんの会社は今ではこの土壌がよく育まれて、信頼関係が厚く、価値観もしっかりと共有されています。方法論ではなく、このような好循環を自分で生み出していこう(自分が源泉)という姿勢がもっとも大事だと考えています。

橋本氏:前向きな姿勢は、経営者には本当に欠かせないと思いますね。どんな事業も、それに関わるすべての関係者が幸せになるのが理想ですが、その一番手前にいるのが顧客と従業員。特に経営者にとって従業員は内部の顧客とも言えます。経営者が常に前向きに笑顔でいることで、スタッフを盛り上げて巻き込んでいくことができ、お客様にもっと価値を感じていただくにはどうするかを皆で考えていけるようになるのだと思います。

鈴木氏:「前向きな姿勢」で思い出すのは橋本さんが5店舗目「肴や二代目萬太郎」をオープンした時の話ですね。「よくオープンにこぎつけたね!」と聞いたときの橋本さんの言葉が印象的でした。

橋本氏:資金が足りなくて、当時は『もう無理だ!』と思っていました。でも、無理だと思っているのは自分。どのような状況であっても、捉え方は自分で選べます。それならば『できる!』と捉えてやってみようと思いました。

鈴木氏:これは象徴的な話で、ビジョンを明確にして、コミットメントを生きる!という経営者の姿勢、これが一番大事だと思います。そんなリーダーの生き方に社員の方は心を動かすのではないでしょうか。橋本さんの会社の社員の方々の主体性には目を見張ります。

以前、ヨットが趣味だという参加者からお話を聞きました。「東から風が吹いていても、帆の張り方次第で、ヨットは東に向かって進むことができるんです。風がヨットの行く先を決めるのではなく、その風を『帆』でどう捉えるかでヨットの行き先が決まるんです」。これから始まる「次世代経営者養成講座」は、そんな物事の捉え方を実感し、さらなるCSとESの向上に取り組める場にしたいと考えています。

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