
【2026年度】省エネ補助金・中小企業向けガイド|対象経費や申請のポイントを解説
エネルギー価格の高騰が続く中、「省エネ設備」の導入を検討しているケースも多いでしょう。本記事では、費用の一部を支援してくれる「省エネ補助金(正式名称:省エネ・非化石転換補助金)」について、2026年度の最新情報をもとに、制度の概要や、公募スケジュール、補助金の対象になる経費、申請のポイントまでわかりやすく解説します。
省エネ補助金とは?
省エネ補助金(正式名称:省エネ・非化石転換補助金)とは、企業や個人事業主が省エネ性能が高い設備を導入する際に、その費用の一部を国が補助する制度です。
具体的には「業務用エアコン」「LED照明器具」「工場で使う工作機械」「エネルギーの無駄をなくすための管理システム(EMS)」などが補助の対象となります。うまく活用すれば、設備投資費用だけでなく、電気代など高騰する固定費負担もダブルで軽減できるため注目度の高い補助金です。
2026年度 公募スケジュールと注意点
省エネ補助金について、真っ先に押さえておくべき情報は、予算が上限に達した時点で公募が打ち切られる可能性があるという点です。つまり、ぎりぎりのスケジュールで動くのではなく、「先着順」の意識を持って早めに申請準備を進めることが肝要です。
<省エネ補助金の注意点>
⚠️3次公募まで予定されているが、確約ではない
2026年度は「3次公募」まで予定されていますが、それ以前に交付申請額の合計が予算額に達した場合、その時点で公募が打ち切られる可能性があります。
⚠️要件を満たしていても「不採択」になるリスク
公募要領には「交付申請額の合計額が予算額を超える場合には、総合評価の結果、不採択となることがある」と明記されています。つまり、1次公募や2次公募であっても予算上限に達してしまった場合、要件を満たしていても不採択になる可能性があります。
2026年度の公募スケジュールは次の通りです。早めに申請準備を進めましょう。
【 1次公募】※終了※
公募期間 | 2026年3月30日~ 4月27日 |
交付決定 | 2026年6月中旬(予定) |
事業完了 | 交付決定日から2027年1月31日まで |
【 2次公募】
公募期間 | 2026年6月上旬~7月上旬(予定) |
交付決定 | 2026年9月中旬(予定) |
事業完了 | 交付決定日から2027年1月31日まで |
【 3次公募】
詳細未定
対象経費になる設備例
省エネ補助金では、オフィスや店舗で使う身近なものから、工場で使う専門的な機械まで、幅広い設備が対象になります。 ここでは、当社に申請支援の要望が多いものを中心に、補助の対象となる設備の事例をご紹介します。
オフィス・店舗に使える設備
- 高効率空調:省エネ性能の高い業務用エアコンなど
- 制御機能付きLED照明器具:明るさや点灯時間を自動調整してくれるスマートLED照明など
- 冷凍冷蔵設備:業務用冷蔵庫・冷凍庫、冷蔵ショーケースなど
- 業務用給湯器:ホテルや病院、福祉施設などで使われる大型の給湯器
- その他:産業ヒートポンプ、高性能ボイラ、変圧器、産業用モータなど
製品を加工・製造する生産設備
- 工作機械:金属などを加工する機械(旋盤、マシニングセンタ、レーザー加工機など)
- プレス機械:金属の板を曲げたり打ち抜いたりする機械
- プラスチック加工機械:プラスチック製品の型抜きや成形をする機械
- 印刷機械:業務用の大型印刷機
- ダイカストマシン:溶かした金属を型に流し込んで部品を作る機械
「指定設備※」以外の設備
「指定設備」以外にも、要件を満たせば以下のような設備も補助の対象になります。
- オーダーメイド型設備:自社の用途に合わせて専用に設計・製造してもらう特注の機械
- 先進設備・システム:国が「最新の優れた省エネ技術である」と認めた高度な設備
- EMS(エネルギーマネジメントシステム)機器:電気やガスの無駄を見つけて、自動でコントロール(最適化)してくれるシステム
※指定設備とは
国(事務局)があらかじめ「省エネ性能が高い」と基準を定め、公式にリストアップしているカタログ品のことです。業務用エアコンやLED、工作機械などが含まれます。
4つの申請の型
2026年度の省エネ補助金は、「(Ⅰ)工場・事業場型」「(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型」「(Ⅲ)設備単位型」「(Ⅳ)エネルギー需要最適化型」という"4つの型"が用意されています。自社の目的や導入する設備の規模にあわせて、最もフィットする型を選んで申請する必要があります。
4つの申請の型

(Ⅰ)工場・事業場型:建物全体で省エネ投資をしたい企業
工場や事業所といった建物全体のエネルギーの使い方を根本から見直し、大幅な省エネを目指すための型です。この型には4つの申請枠が用意されています。
●中小企業投資促進枠
中小企業限定の使いやすい枠です。国があらかじめ定めた「指定設備」や、自社向けに設計してもらう「オーダーメイド型設備」を導入し、事業所全体のエネルギー使用量(電気やガスなど)を、設備導入前と比べて1年間で7%以上減らすことを目指す計画を設定します。
通常、国は「短期間で元が取れる設備なら補助金がなくても買えるはず」と考えるため、他の枠では「設備代を電気代の節約分で回収するのに5年以上かかること」が要件となっています。しかし、この枠は中小企業向けに「3年以上」に要件が緩和されています。つまり、3〜4年で元が取れる「自社にとってよりお得な設備投資」であっても補助金の対象になるという特徴があります。
- 補助率:1/2以内
- 補助上限額:1年間で最大15億円(※特例活用により最大20億円)
●一般枠
対象設備は先述の「中小企業投資促進枠」と同じですが、「一般枠」は大企業も申請できる枠です。省エネ率の目標が10%以上と高く設定されており、投資回収年数も5年以上求められます。中小企業の場合、まずは条件が緩い「中小企業投資促進枠」から検討するのが基本です。
- 補助率:1/2以内(中小企業の場合)
- 補助上限額:1年間で最大15億円(※特例活用により20億円)
●先進枠
国が認めた最新の先進設備・システムを導入して、事業所全体のエネルギー使用量を30%以上削減など高い省エネ目標を設定し、計画をする枠です。
- 補助率:2/3以内(中小企業の場合)
- 補助上限額:1年間で最大15億円(※特例活用により最大20億円)
●サプライチェーン連携枠
取引先など複数の企業(4社以上)が協力して省エネに取り組むための、2026年に新設された枠です。
- 補助率:1/2以内(中小企業の場合)
- 補助上限額:1社あたり1年間で最大15億円(※特例活用により最大20億円)
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型:化石燃料から電気等に切り替えたい企業
石炭・石油・ガスといった「化石燃料」で動いている古い設備を、「電気や環境に優しい燃料」で動く設備に入れ替えたり、新しく設置したりするための型です。 2026年からは、次世代エネルギーである「水素」に対応した設備も対象になりました。中小企業の場合は設備代だけでなく工事費も補助してもらえる点がポイントです。
- 補助率:古い設備の入れ替えや改造は1/2以内、新しく設置する場合は1/5以内
- 補助上限額:3億円(※電気に切り替える場合は5億円)
(Ⅲ)設備単位型 / GX設備単位型:機械1台から入れ替えたい企業
この型は「業務用エアコン1台」「工作機械1台」など、1台単位から申請できるのが最大の特徴です。 国があらかじめリストアップした省エネ性能の高い「指定設備」のカタログから選んで古い設備と入れ替えるだけなので、他の型よりも手続きのハードルが低く、中小企業によく使われる型となっています。この型には3つの申請枠が用意されています。
●従来枠
国があらかじめリストアップした省エネ性能の高い設備「指定設備」の中から選んで、古い設備と入れ替える、一番手軽でよく使われる型です。エアコンや照明器具、生産用の機械など、幅広い設備が対象になります。
- 補助率:1/3以内
- 補助上限額:1億円
●メーカー強化枠(GX設備単位型)
国が定める環境対策(GX要件)に積極的なメーカーが作っている指定設備に入れ替える枠です。
- 補助率:1/3以内
- 補助上限額:3億円
●トップ性能枠(GX設備単位型)
指定設備よりもさらに高性能な「トップ性能設備」の専用リストから選んで導入する枠です。この枠の最大のメリットは、古い設備の入れ替えだけでなく、新しく設備を設置する場合(新設)も補助の対象になる点です。
- 補助率:入れ替えは1/2以内、新設は1/5以内
- 補助上限額:3億円
(Ⅳ)エネルギー需要最適化型:エネルギーの無駄をなくしたい企業
エネルギーマネジメントシステム(EMS)と呼ばれる、電気やガスなどの使用状況を見える化して自動でコントロールするシステムを導入するための型です。 エネルギー使用量を2%以上削減することを目指します。
この型ではなく、中小企業がよく利用する「(Ⅲ)設備単位型」などでEMSを導入する場合、EMS単体での申請はできず、エアコンや機械の入れ替え等とセットで申請する必要がある点に注意が必要です。
- 補助率:1/2以内(中小企業の場合)
- 補助上限額:1億円
省エネ補助金の申請ポイント
省エネ補助金は人気が高い補助金です。採択率を高めるための3つのポイントをご紹介します。
「省エネ効果」をデータで正確に証明する
省エネ補助金の審査で最も厳しく見られるのは、「省エネ効果(設備を入れ替えることで、どれだけエネルギー使用量を減らせるか)」です。 「たぶんこれくらい減るだろう」といった大まかな推測は通用しません。設備カタログの数値だけでなく、今の古い設備がどれくらい電気等を使っているか、最低1週間以上の「実測データ」を取って正確に計算することが求められます。直前になって焦らないよう、計測器の準備含め、早めにデータ収集をはじめることが大切です。
審査で有利になる「加点要素」を抜けもれなく盛り込む
「過去に公的な省エネ診断を受けている」「パートナーシップ構築宣言を行っている」など、国が推奨する取り組みを満たしていると加点があり、採択の確率がグッと高まります。自社がすでに満たしているものがないか、これから準備できるものがないか、加点要素を抜けもれなくチェックして申請を行いましょう。
申請に必要な要件が抜けないようにする
省エネ補助金は、数値目標を申請書に記載することが必要です。例えば、各枠で定められた「投資回収年数」や「経費当たり省エネルギー量」といった数値が必要になります。 また、申請類型によっては、「中長期的な計画」の作成や、「EMS(エネルギーマネジメントシステム)の活用計画」を公表することが義務付けられています。申請に必要な細かい要件があるので、抜けもれが発生しないようにチェックリスト化して対応するなどの工夫が大事です。
「相見積もり」など必要書類を前倒しで準備する
手続きには原則「3社以上の相見積もり」をはじめ、「過去1年分の決算書」や「商業登記簿謄本」、「エネルギー使用量実績の確証(光熱費の領収書など)」「省エネルギー計算の根拠書類」といった多くの証明書類の提出も求められます。非常に煩雑なため、相談役として設備メーカーや補助金に詳しい専門家と早くからチームを組んで準備をスタートさせる進め方がおすすめです。
まとめ
2026年度の省エネ補助金は企業の目的に合わせて選べる幅広い申請の型があり、活用しやすい補助金です。一方で、実測データの収集や相見積もり、中長期計画の策定など申請手続きの難易度は高めです。「自社に合う枠が分からない」「手続きが不安」という方は、認定支援機関である当社へまずはお気軽にご相談ください。お問い合わせはこちら>>
※監修:株式会社MS&Consulting 補助金チーム 宗像吉樹、執筆:並木彩華
※本記事の情報は2026年5月26日時点の情報です。










