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SS業界初の紺認証取得で 10年後も20年後も発展できる豊かな企業へ

<おもてなし規格認証2019 紺認証取得事例レポート>
東京都西部地区を中心にサービスステーション(以下、SS)や車検専門店、コーティング専門店などを展開するヤマヒロ株式会社。スマートなカーライフを提案する同社は、経済産業省が2016年8月に創設した「おもてなし規格認証」において、「★★(紺認証)」(以下、紺認証)を2019年9月に取得した。SS業界で初となる紺認証取得に至った経緯や今後の展望を、同社代表取締役社長 山口寛士氏、常務取締役 上島義明氏、新規事業開発部担当部長 今田陽氏に伺った。

※経済産業省が創設した「おもてなし規格認証制度」の審査には、弊社サービスの顧客満足度覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」が利用されています。

取材:渋谷行秀

※記載されている会社概要や役職名などは、取材(掲載)当時のものです。ご了承ください。

――おもてなし規格認証取得のきっかけを教えてください。


今田氏:現在の社長である山口寛士が2013年に就任したタイミングで、経営方針の大きな転換がありました。お客様と長きにわたって取引をさせていただくには、お客様に寄り添い、必要とされるものを提供していくのが大切だという観点で事業を展開していくことになったのです。

その流れで、まず、自己革新を通じて顧客の求める価値を創造し続ける組織を表彰するという「日本経営品質賞」に出会いました。そこに挑戦するなかで「おもてなし規格認証」の存在を知ったのが取得のきっかけです。

取得にあたって、いわゆる「サービス」と「おもてなし」はイコールではなく、サービスの上にホスピタリティがあるという考えを共有できました。これにより、サービスという等価交換ではなく、おもてなしという1ランク上のものを提供するという考えが社員にも浸透したのではないかと感じています。




――貴社は通常のSSで重視される売り込み活動をされないと伺いました。


今田氏:弊社もかつては売り込みをしていました。前述のように社長交代のタイミングで従来のSSの運営を根本から見直し、売り込みで数字を上げる考えは廃止されましたが、売り上げは大きく落ち込みました。売り込んでいくことが正しいという業界のなかでそれを実行するわけですから、当時は大変でしたね。危機感を覚えて退社してしまった社員もいたほどです。

上島氏:SSは売り込まれるというイメージでお客様からの信頼も薄く、機会損失となっていた部分を、10年後、20年後に勝ち残っていける体制へと変えていったということです。

まず、何でもやっていたSSで、「やらないことを決める」ことを明確にしました。タイヤも売ります、コーティングもやります、そして弊社でいうと32拠点が全部同じことをやっていた中、それぞれの技術や商品知識のレベルが専門店と同じかそれ以上なのか? と考えたときに、今のままでは劣る、と。そこから、組織体制をマーケット別の事業部制に変えました。車検専門店、コーティング専門店というようにそれぞれの店舗が提供するサービスを絞り、売り込みをしない代わりに専門化したのです。


――経営計画書が貴社のマネジメントの中心になっていますが、どのように活用しているのでしょうか?


今田氏:いわゆるルールブックとして、経営計画書を活用しています。お客様対応なども含め、現場任せだった部分もルール化していきました。最初はみんなに読んでもらうのも大変だったのですが、今では1日1回は経営計画書を開いて読み合わせを行うところまで浸透しています。

山口氏:私が社長になった当初、改革を急いだあまり非常に雰囲気が悪くなった時期がありました。そのときに言われたのが「社長が何を考えているのかよくわからない」ということ。そこから、経営計画書を作り、ともに学んでいく姿勢に変えたのです。他の企業に社員と一緒にベンチマーキングに行ったり、研修を受けたり、そういう指針をもとにした学びを共有していくなかで少しずつ良い空気に変わり、落ち込んでいた売り上げも徐々に上がってきました。


経営計画書


――今回の紺認証取得を踏まえ、改めて顧客満足に対しての御社の考え方や取り組みをお聞かせください。


山口氏:リピートしていただけることがお客様満足度を表すと考えています。各事業部でのリピート率にはまだまだ課題があり、そういう意味ではお客様満足度に対して私たちが今満足できるレベルには到底ありません。しかし逆に言えば機会損失に溢れた状態ですので、売り上げも私たちのレベルも、これから上がっていくと考えています。

取り組みとしては、アンケートやお客様の声を取得して日々の業務を改善することは実行できていますので、そこからもう一段階、社員の理解と本質的なレベルアップが必要だと思います。店舗数を抱えるなか、店ごとのレベルのギャップというものがどうしても埋めきれていないので、その部分の底上げが今後の重要施策ですね。



――おもてなし規格認証は従業員満足あっての顧客満足度ということがベースとなっていますが、御社のエンゲージメントに関しての取り組みをお聞かせください。


山口氏:まずは採用を止めないこと。新しい人材が入ってくることで、若手社員が成長するからです。また、会社が客観的に評価される機会も増えます。例えば休日の日数や福利厚生など、他社より魅力がないとそもそも入社してもらえません。そういう意味では経営改善にもつながっていると考えます。

次に、顧客満足度が上がると利益が上がり、その利益はきちんと社員とお客様に還元する、ということをしっかりと社員に伝え続けていくことです。経済的にもやりがいとしても、この会社にいてよかったと思ってもらいたいという気持ちを常に根底に持っています。

今後も立地や価格だけではない、お客様に選んでいただける店舗を育てつつ、物心ともに豊かなファミリー企業を目指し、社員に希望のある会社を作って参りたいと思います。

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