夢を叶える会社は、お金に強い会社である、 外食企業の「資金調達」と「資金繰り」のポイント



株式会社ビーワンフード(財務・税務コンサルティング)

本社:東京都渋谷区桜丘町26-1 セルリアンタワー15階
支社:大阪府大阪市北区梅田1-1-3 大阪駅前第三ビル31階
会社ウェブサイト:http://beonefood.co.jp/


担当・取材:相崎 哲史、編集:西山 博貢『季刊MS&コンサルティング 2014年夏号』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承下さい。

2008年以降、外食企業の倒産件数は毎年600件を超えており、資本が少ない企業ほど倒産する割合が高い(右下グラフ:帝国データバンク「2011年外食産業の倒産動向調査」)。結果として、飲食業は「廃業率が高い業界」と言われている。倒産の理由はお金がなくなり支払いができなくなるためであるが、これは、資金調達や資金繰りに関する知識を身に付けることで防ぐことができる部分も大きい。そこで、日本では珍しい飲食店専門のお金のコンサルティング会社である株式会社ビーワンフード 代表取締役社長の廣瀬好伸氏(公認会計士・税理士)に、外食企業の資金調達と資金繰りについてお話を伺った。

御社のサービス内容を教えてください。

国内市場の競争激化、グローバル化への対応等などによって、現在、サービス事業者は厳しい価格競争にさらされています。一方、各地域には、価格競争に陥ることなく、顧客のニーズに合致したサービスを継続的に提供し、「顧客」のみならず「社員」、「地域・社会」から愛される経営を実現している事業者が存在します。


御社のサービス内容を教えてください。

当社では、銀行の融資ルールを銀行内部で学んだ経験と、公認会計士・税理士という専門性と、実際に自社で飲食店を経営したことがあるという経験を組み合わせて、飲食店企業様の「食」をたったひとつの「クリエイティブ・フード」にデザインするというコンセプトのもと、(1)「クリぐるマネー」、(2)「クリぐるオープン」、(3)「クリぐるサポート」の3つのサービスからなる「クリエイティブぐるめ『クリぐる』」というサービスラインを展開しています【図1】。


c061-03具体的には、まず、お金に強い会社になるための土台作りとして、今の資金調達力レベルを測って、そのレベルを上げる(1)「クリぐるマネー」というサービスがあります【図2】。これは銀行の融資ルール(これからの時代の資金調達法)に沿ったもので、当社オリジナルの、おそらく日本で唯一のサービスです。このレベルを上げることによって、理想的な資金調達ができるようになります。


次に、実際に出店するときに、新店舗の収支計画を立て、その収支計画が実現できるような条件、つまり、「余裕を持って返済できる借入条件」を導き出し、その条件で資金調達できるように、銀行をご紹介し、交渉する(2)「クリぐるオープン」というサービスを提供しています。

さらに、経理、総務、人事といった本部業務の業務代行を当社で行うことで、飲食店企業様の業績やお金の状況を把握しながら、資金調達レベルの向上や実際の資金調達をはじめとしたお金に関するあらゆる意思決定をサポートし、併せてコスト削減などのご提案をさせていただいています((3)「クリぐるサポート」)。


飲食店経営のお金の面では、どのような課題が多いですか?

厨房やホールでの店舗運営を車のアクセルやブレーキに例えると、それだけで一応車は運転できます。しかし、目的地(オーナー様の夢や目標)にちゃんとたどり着くためには、カーナビを見ながら「いまどこを走っていて、次はどこの角を曲がるのかな」とか、ガソリンのメーターを見ながら「ガソリンはどれくらい残ってるのかな、目的地まで足りるかな」とか、スピードメーターを見ながら「いま何キロくらい出てるのかな、スピード出しすぎじゃないかな」といったチェックをこまめにしておかないといけません。

つまり、カーナビ=事業計画や予算、ガソリン=お金、スピードメーター=業績といったところで、(1)事業計画や予算を立てていない、(2)それに沿った資金調達ができていないのでお金が足りていない、(3)いまの業績、つまり決算書が読めないのでいまの会社の状態が十分に把握できていない、といったことが多いです。こういった状態を「どんぶり勘定」といいますが、まずはこのどんぶり勘定を「卒業」することが必要です。こうした知識・スキルは、会社経営の運転免許とも言えるかもしれません。


出店に関して陥りやすい失敗事例を教えてください。

例えば、1000万円で新店舗をつくるという時に、(1)手元のお金を使うのか、(2)銀行から融資してもらうのか、(3)リースを組むのか、(4)業務委託で出店するのか、といった選択肢がありますが、その選択を間違っていることが多いです。もちろんケースバイケースなのですが、ある事例で言うと、(1)で出店してしまったために、手元にお金がほとんどなくなってしまい、かつ、新店舗が思うような業績にならず既存店舗の黒字を食いつぶしてしまって資金繰りに困ってしまったということがありました。一方で、別の事例では、(2)の銀行からの融資で出店したものの、融資条件が悪く、お店としては黒字が出ているものの、それ以上に借入金の返済が多くて資金繰りに困ってしまったということもありました。


融資条件が悪いというのはどのような場合ですか?

例えば、借入を3年で返済するのと、5年で返済するのと、7年で返済するのと、10年で返済するのと、どれが一番いいと思いますか? そう、長ければ長いほど返済は楽ですよね。もちろんその店の収支計画にもよりますが、仮に「新店舗の投資資金を2年で回収できる」計画であったとしても、そのとおりになる確率は決して100%ではないので、2年で回収できなくても余裕を持って返済できる条件で借りなければならないのです。

金利も同様です。1%と2%と3%と、どれが一番いいかといえば、当然1%ですよね。会社のステージにもよりますのであくまで目安ですが、例えば10店舗から20店舗の会社であれば、返済期間は7年以上、金利は1%前後で借りられたらまずまずではないでしょうか。


良い条件で融資してもらうにはどうしたら良いのでしょうか?

基本的には、(1)融資してもらえるかどうか、(2)いくらくらい融資してもらえるか、(3)返済期間はどれくらいか、(4)金利はどれくらいか、といったことは決算書の内容によってほぼ決まります。

銀行は会社の決算書をもとにその会社を「格付け」しています。この格付けが上がれば良い条件で融資してもらいやすくなります。ちなみに、「いまどれくらいの格付けになっているのか」を銀行が実際にやっているやり方と同じ方法で予測して、その格付けを上げるコンサルティングをしているのが先ほどの【クリぐるマネー】です。

例えば節税しすぎると融資してもらいにくくなりますし、してもらえたとしても(3)返済期間や(4)金利などの条件は悪くなりがちです。つまり、「税金」という目線でしか決算書がつくられていなくて、「資金調達」という目線が抜けてしまっているために、格付けが下がってしまっていることが多いです。私の経験上、100社中95社はこの点で失敗してしまっています。

同じ業績でも、「決算書の見せ方を変える」だけで、格付けが上がるのです。何も粉飾する必要はありません。ちなみに、決算書というのは主には貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)ですが、PLを気にするオーナー様は多いものの、BSが放ったらかしになってしまっていることが多いです。でも、格付けについては、PLよりもBSのほうが重要といっても過言ではないくらいにBSが大事だということを知っていただきたいです。


実際に資金調達する場合、その他の注意点を教えてください。

(1)設備資金で借りるのか、運転資金で借りるのか、(2)日本政策金融公庫、信用金庫、地方銀行、都市銀行のどこから借りるのか、(3)保証協会付き融資、プロパー融資、当座貸越など、どういった借り方をするのか、(4)どういった条件で借りられたらベストなのかについて、短期的な目線ではなく、長期的な戦略をもって資金調達すべきです。これらのためにも、先ほどお話したとおり、収支計画をしっかり立てて、その計画で余裕を持って返済できる条件で資金調達できるように、こちらから銀行に提案していきましょう。

受け身ではダメです。銀行から提示される条件が必ずしも会社にとって良い条件とは限りません。銀行との交渉の仕方、付き合い方でも良い条件を引き出せる方法はいくらでもあります。

借りる時が本当に大事なのです。なぜなら、例えば、毎月100万円ずつの返済条件で借入をしたものの、資金繰りがしんどくなったので半額の50万円にしてもらった、または返済を止めたということになれば(これを「リスケ」と言います)、格付けが下がってしまって、それ以降借入ができなくなってしまい、成長スピードが遅くなってしまいます。そうならないような条件で、予め借りるときに交渉すべきなのです。もちろん、それでも資金繰りが苦しくなることはあります。その時もリスケをする前に資金繰りを改善する方法はいくらでもあるので、リスケは最後の最後の手段とすべきです。


もっと詳しくお話を聞いてみたい場合はどうすれば良いですか?

「超実務的」なセミナーも定期的に開催していて、今回の内容をもっと詳しく具体的にお伝えしていますので、ぜひご参加いただければと思います。「セミナーは好きじゃない」という方は、「飲食店経営での絶対に避けたい失敗事例集」という小冊子を無料でお配りしているので、お気軽に弊社ホームページからお申し込みください。「もっと早く個別に話が聞きたい」という方のために、「おかねの窓口」という初回1時間無料相談サービスもご用意しています。


今後の展開を教えてください。

『たったひとつの、「食」を生み出す“BE ONE FOOD!”』を企業スローガンとして、例えば、「これから多店舗展開・新規出店を進め、飲食業界にその名を刻み込むような存在になりたい!」そんな、「この世でたったひとつのオーナー様の夢」を叶えるため、クリエイティブに、ワンストップでサポートさせていただく会社になりたいと思っています。

そのために、より多くの財務データを収集し、売上予測のデータベースや出店のシミュレーションプログラムの作成などに役立てていきたいですね。そして、さらに〝融資以外の〟資金調達やコスト削減のお手伝いをはじめ、居抜き物件等の情報提供、人材紹介・人材育成、WEBマーケティング、海外進出などの総合サポート企業を目指しています。当社は「超現場主義」なので、オーナー様やスタッフ様が現場(店舗)でのサービスに専念するためにできるすべてのサポートをしていきたいと考えています。


ビーワンフードの基本的な「サービスの考え方」

記事のPDFをダウンロード

pagetop