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地域薬局423店舗で患者様対応の向上へ ~本部施策浸透の鍵は「現場のモチベーション」を大切にした進め方~

株式会社メディカルシステムネットワーク
https://www.msnw.co.jp

「なの花薬局」の運営をはじめ、地域住民の健康をトータルで支える「まちのあかり」となることを目指して多角的な取り組みを行う株式会社メディカルシステムネットワーク。同社では2021年より患者様への接遇改善を目的に、覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」を導入されました。その背景と423店舗を動かす活用方法について、薬局事業本部 地域薬局事業部 地域薬局事業セクション部長の山口紫野氏、同セクション マネジャーの高橋千春氏にお話を伺いました。


職員全員の「接遇力」、その上に成り立つ薬剤師の「専門性」

―今、改めて接遇改善に取り組んでいるのはなぜですか?

山口氏:「かかりつけ薬局」「健康サポート薬局」が推進されるなど、昨今、厚生労働省から薬局に求められる要件の幅が広がっています。弊社でも薬剤師の専門性を高めるための教育や健康に関する幅広い情報発信の強化に注力しているところです。ただ、薬剤師が「高い専門性」を発揮するためには、前提として職員全員の「接遇力」が必要だと感じています。患者様に不快な思いをさせることがあっては、せっかく磨いた知識も技能も使うチャンスがないからです。そのような考えから、弊社では専門性を高める教育とともに接遇改善にも力をいれています。

図1 調剤薬局 患者様満足度向上に必要な2つの要素

―接遇改善の打ち手は色々あります。その中から「覆面調査」を選ばれたのはなぜですか?

山口氏:これまでも、接遇改善のためのさまざまな取り組みを行ってきました。内外の講師による研修も実施していますし、エリアを統括するブロック長や接遇担当者が各店舗を回って接遇チェックを行うことも一定の効果が出ていると感じています。ただ、社内主導の取り組みだけでは、100%患者様の立場で考える、見るということがとても難しいです。そこで今までの取り組みに加えて、「患者様の立場から見る」という視点を取り入れるために覆面調査を導入することに決めました。

狙い通り今まで気づかなかった「患者様に喜ばれるポイント」を発見できていると感じます。例えば「OTC医薬品と処方箋薬を比較して説明してもらえて良かった」などのコメントをいただき、我々にとっては特別ではないことが、患者様にとっては大事なポイントなのかと改めて気づかされました。職員から提出される気づきを見ても、細かいところまで気がつくようになってきているなと感じます。

取材相手プロフィール写真 株式会社メディカルシステムネットワーク 薬局事業本部 地域薬局事業部 地域薬局事業セクション部長 山口柴野氏
お話を伺った、株式会社メディカルシステムネットワーク 薬局事業本部 地域薬局事業部 地域薬局事業セクション部長の山口紫野氏(右)、同セクション マネジャーの高橋千春氏(左)


―数ある覆面調査サービスの中から、弊社の「ミステリーショッピングリサーチ」を選んだ理由は何ですか?

山口氏:調査で得られた結果をどう改善に結びつけていくのかという点が重視されたプログラムだったからです。調査して点数を確認して終わりでは意味がありません。「MSナビ」という現場中心に改善を推進できるオンラインシステムがあることも決め手でした。ミステリーショッピングリサーチなら調査結果を現場職員が活用できると感じました。


職員のモチベーションを重視しながら「調査」を「改善」につなげる

―覆面調査をどのように活用していますか?

高橋氏:各店舗での運用の流れは、「MSナビ」の仕組みを使った次の方法を推奨しています。

全職員が活用:気づきシート
患者様の声から気づいたことを自分の業務の改善につなげてもらいたいと考えています。そこで、MSナビの気づきシート機能を使って「明日から実行したいと思ったこと」を入力してもらっています。ポイントは、上長や同僚が、いいね!やコメントを返信できるようにしていることです。一人ひとりが「改善の努力をしっかり見てもらえている」と感じられることでモチベーションが高まり、より取り組みが深まっていくと考えています。

図2 社内コミュニケーションツール、ビジネスチャット活用事例(調剤薬局) 患者様の声からの気づきを交換、CS控除に役立てる


店舗で活用:ミーティングPDCA
調査結果を受けて店舗全体では何に取り組むのか、話し合ったことを「ミーティング報告」として薬局長に入力してもらっています。記録を残すことで、次の調査で取り組みの効果を確認して、また話し合ってというPDCA(計画‐実行‐評価‐改善)のサイクルをつくっています。

図3 社内コミュニケーションツール、ビジネスチャット活用事例(調剤薬局) 顧客満足度調査からの取り組みPDCAをまわす


山口氏:ミステリーショッピングリサーチには豊富なコメント欄があって、レポート内で職員がお褒めの言葉をもらうことも多々あります。そんな褒められた職員に対して「良かったね」「素敵だね」と上司や同僚がしっかりと認めてあげることがよく行われているようです。言われた職員はモチベーションが高まるのはもちろん、また頑張ろうという励みにもつながり、良いサイクルが生まれていると感じます。

グループ全体で意識をさらに高めていく

―ミステリーショッピングリサーチの導入後、どのような変化を感じていますか?

山口氏:MS&Consultingさんからは調査全体の傾向分析レポートもいただいていますが、これが大いに役立っています。弊社には薬局を運営する事業会社が7社あるのですが、その上層部が集まる会議などで取り上げています。患者様には事業会社の違いはわかりません。覆面調査の結果に触れる機会が増えたことで、1店舗だけ、1社だけではなく、グループ全体で変えていく必要があるという意識がより高くなったと思います。今後はグループ各社を横断したチームを立ち上げて、各社の良いところを共有しながら、問題点に関しては合同で解決するなど、さらに取り組みを深めていきたいと考えています。

メディカルシステムネットワーク様では、患者様の声を詳しく聞ける
「ミステリーショッピングリサーチ」を使って接遇改善に取り組まれています

サービスページリンク(ミステリーショッピングリサーチ)


取材日:2022年6月9日
取材:MS&Consulting ドラッグ・調剤業界コンサルタント 古田 顕尚 永渕 孝紘
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。
※文中の「MSナビ」画像は実際の活用例をもとに弊社作成。氏名は架空のものです。

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