
靴専科のブランド力を底上げする「FCオーナーを支える研修システム」とは?
HITOWAグループが展開するブランドのひとつ、皮革製品の修理・クリーニング専門店「靴専科」では、FC加盟店向けの研修に力を入れています。今回は、FC事業における研修体系の再構築の内容やポイントについて、同社 靴専科事業部 次長 大友氏、ならびに、研修開発に共に携わった弊社 横山氏にお話を伺いました。
創業21年。「接客の原点」に立ち返る研修体系の構築へ
―FCオーナー向けの研修の充実を決断された背景を教えてください。
大友氏:FC加盟店様から「色々な講習会を提供してほしい」という声が根強くあったことがきっかけです。靴専科は創業21年を迎え、多くの加盟店様は積み上げてきた確かな経験と知識をすでにお持ちですが、一方で、新しい情報や刺激を求めているということだと考えました。
―「接客」に着目した研修を特に充実されました。何故ですか?
大友氏:今、どんな研修を提供すべきかと考えた時に行き着いたのが「接客」という答えです。リペア業を営む場合、高い技術があれば問題ないと捉えられがちですが、お客様のニーズを引き出して適切な提案ができなければ高い技術も宝の持ち腐れになってしまうからです。

お話を伺った、株式会社HITOWA 靴専科事業部 次長 大友良祐氏。
例えば、靴の修理でご来店されたお客様から「何年ぐらいお履きになったんですか?」と伺ってみると、「成人式に買ってもらった思い出の靴なんです」といった会話につながります。すると、私たちも「この部分の補強もすると長く履けますよ」といった提案ができます。"大事にされている物の総合プランニング"を任せてもらえる立場を目指すことが、靴専科が一 番重要視しているところです。
一方で、私たちが目指す接客を、毎日やり続けるのは難しいことです。日常の忙しさの中でつい流れ作業になってしまうこともあると思います。高い接客マインドを持ち続けるためにも、誰かが常に言い続けることが必要なテーマだと考えています。だからこそ「原点に立ち戻れるような研修を創りあげたい」とMS&Consultingさんに依頼しました。
成長するために「外部の視点」を取り入れる
―研修会社が多数ある中で、MS&Consultingを選んで下さった理由は何ですか?
大友氏:まずは、担当の方々が、我々の想いを汲んでくれるという部分でしょうか。「こういうことをやりたい」とお話しすると、弊社にあわせた完全にオリジナルの講習会アイデアをすぐに絵にしてもってきてくれます。それが議論の起点となって、我々の課題解決につながるアイデアが2つも3つも生まれるなど、とても有意義な打合せを持てることをありがたく思っています。
会社としてさらに成長が必要なタイミングや成長にブレーキがかかったタイミングでは、外部のアドバイスを取り入れていくことが大事だと考えています。今後も多角的な意見をいただきたいですね。
<研修資料(抜粋)>
研修プログラムは靴専科様の目的や課題にあわせてゼロから設計

―研修をどのようにFC加盟店様に届けていますか?
大友氏:MS&Consultingさんに講師をしてもらう研修は動画にして、それを自社のプラットフォームでオンライン配信しています。同じ時間、同じ場所に集まる対面型の研修だと、どうしても参加が難しい加盟店様が出てきてしまいます。いつでも、どこでも視聴ができる動画の配信をメインにしました。
研修については、メールや新聞レターでご案内しています。また、フランチャイズ本部の役割として、研修内容が役立つと判断した店舗にはスーパーバイザーから個別に連絡するようにしているのもあって、視聴率は85%ほどあります。
答えを押しつけない、加盟店様ごとの課題に寄り添う
―研修プログラムで工夫している点を教えてください。
MS&Consulting 横山:加盟店様の状況はそれぞれです。一律の考え方を一方的に押し付けることにならないようにというのは強く意識しています。また、一般論だけでなく、靴専科様にあわせた具体例やデータを盛り込み、自分の事として受講してもらえるプログラムを意識しています。
大友氏:MS&Consultingさんの強いところは「顧客の声」を集められるところにもあると思います。実際、消費者アンケートを行って、その声を研修で使用したことがあります。自社で実施するのが難しく断念していたところ、MS&Consultingさんで引き受けていただいたことがありました。
その際、靴専科を利用したことがあるお客様の回答を700名分も取得できました。自社実施だと経験上、回答数は300程度がほとんどですので、驚きましたね。感覚ではなくデータをもとに研修内容を組み立てることができました。
<研修資料(抜粋)>
一般論に留まらず、実際のデータやブランドにあった具体例も活用する

リペア業界の新たな価値をつくる
―今回の研修支援の導入後に感じている変化はありますか?
大友氏:最初の講習会は対面型で行ったのですが、その際のFCオーナー様の反応を鮮明に覚えています。「参加して良かった」「接客は重要だと改めて思った」といったお声を沢山いただいたんです。改めて接客について考えるきっかけ、原点に立ち戻る機会になっていると感じています。
動画の視聴率は85%あります。もちろん100%を目指したいと思っていますが、全体の85%のオーナー様が何かを変えたい、向上したいと考えて視聴してくださっている訳です。研修の意味があったと思っています。次はそこからどう売上につなげていくかという段階ですね。店舗ごとにしっかり処方箋を作ってスーパーバイザーと共に課題解決に取り組んでいければと考えています。
―今後の展望をお聞かせください。
大友氏:「物が壊れてはじめて立ち寄っていただけるお店」から一歩踏み込んで、「壊れる前に立ち寄っていただけるお店」に変えていきたいという想いがあります。
靴やカバンを買った時に、まず靴専科に立ち寄っていただく。長持ちさせるために、壊れる前に利用する場所として多くのお客様に認識していただきたいです。もっとお客様のお役に立てる部分があると考えています。そのような流れを靴専科から仕掛けていき、いずれはリペア業界全体が成熟していけば良いなと考えています。
※取材日:2026年5月29日
※監修:株式会社MS&Consulting 横山隼也、森未咲、執筆:同社 児玉彩子
※記載されている数値や固有名詞などは取材当時のものです。
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