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コロナ禍でも“選ばれる飲食店”の条件とは? ~「必ずまた来たい」のカギは○○と○○!?~

コロナ禍によって様々な変革を迫られる飲食業界。環境の変化で「お客様が再来店したいと思う飲食店の条件」にも変化がみられます。コロナ禍においては、お客様はどのようなお店に「必ずまた来たい」と感じるのか?10,562件の顧客満足度調査(ミステリーショッピングリサーチ(株)MS&Consulting提供)から分かったことをご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.コロナ前とコロナ禍でお客様の再来店に影響している項目が変化、ポイントは「気配り」「清潔度」
  2. 2.「気配り」の平均満足度が低下、再来店率を高めるために強化が必要
  3. 3.「お客様のコメント」から得られたヒント
  4. 4.コロナ禍だからこそチェックしたい2つのポイント


コロナ前とコロナ禍でお客様の再来店に影響している項目が変化、ポイントは「気配り」「清潔度」

【図1】は、「お客様の再来店意思(利用したお店にまた来たいと思ったかどうか)」に影響度の高かった順に各項目を並べたものです。コロナ前とコロナ禍で比較すると、「スタッフの気配り」「お店の清潔度」の影響度が高まっていることが分かります。

‟料理を食べながら楽しむ飲食店”において、コロナ前はイメージの通り「料理のおいしさ」が最も再来店意思に対して影響度が大きくなっていました。ところが、コロナ禍となった現在は、僅差ではありますが「スタッフ気配り」の影響度が「料理のおいしさ」を上回るという結果となりました。ソーシャルディスタンスなど感染症対策が求められるコロナ禍においても「スタッフの気配り」は「料理のおいしさ」と同じくらい重要であることが分かりました。



【図1】お客様の再来店意思に対する影響度ランキング

【飲食業界】お客様の再来店意思への影響度ランキング
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※コロナ前:2019年6月~2019年10月(n= 6434 )、コロナ禍:2020年6月~2020年10月(n= 4128 )、両期間に調査を行った居酒屋業態の調査結果



「気配り」の平均満足度が低下、再来店率を高めるために強化が必要

先程の項目をコロナ前とコロナ禍 の平均満足度(4点満点)で比較したところ、「スタッフの気配り」を除く全ての項目で平均点が上昇しています。コロナ禍にめげず、頑張る現場の様子が窺える結果となりました【図2】。



【図2】コロナ前とコロナ禍の満足度比較(4点満点)

コロナ前とコロナ禍の満足度推移
※コロナ前:2019年6月~2019年10月(n= 6434 )、コロナ禍:2020年6月~2020年10月(n= 4128 )、両期間に調査を行った居酒屋業態の調査結果。


ただし、お客様の再来店意思への影響度が最も高かった「スタッフの気配り」に関しては、コロナ前より平均満足度が下降しています。この背景には、慣れないコロナ対策オペレーションが増えたことによる現場の混乱やコロナ禍でどの程度の接客をして良いか分からないスタッフの迷い等があると推測されます。

「スタッフの気配り」は再来店意思に最も影響度が高い項目です。コロナ禍となり1年以上が経過し、ご来店されるお客様もコロナ疲れをしている今、「スタッフの気配り」は今一度取り組みを強化すべき項目と考えます。

では、お客様はどんなときに「スタッフの気配り」を感じるのでしょうか?10,562件の顧客満足度調査に寄せられたお客様のコメントから考察します。


「お客様のコメント」から得られたヒント

コロナ禍において、お客様が「このお店には必ずまた来たい」と評価した調査のコメントを分類すると、下記のコメントが頻出していました。コロナ禍において「スタッフの気配り」を強化する際、どのような方向に取り組めばいいのかを考えるヒントとして掲載します。


①元気になる接客、心が温まる接客

●皆さん笑顔で明るく、元気の良い接客で、再来店への気持ちがより高まりました(40代女性)
●食べて元気になれるだけでなく、スタッフさんからも元気をもらっているように感じました(40代男性)
●目を合わせて挨拶をして下さったので、お店全体から歓迎の気持ちを感じ感動しました(30代女性)
●予約来店でしたが、手書きの名前入りメッセージカードが置いてあり、おもてなしの心が感じられて嬉しかったです(50代女性)


②コロナ禍でも可能な範囲でのコミュニケーション

●今回の来店ではスタッフさんとのコミュニケーションがあり、外食ならではの楽しみを感じることができました。コロナ禍でコミュニケーションが取りにくい状況だと思いますが、一言でも声掛けがあると、スタッフさんとつながっているという安心感や嬉しさがあります。次回も是非来店したいです(40代女性)
●マスクを床に落としてしまった際、スタッフさんが「マスクは大丈夫ですか?」と確認して下さいました。気にかけて下さっていることが伝わりとても嬉しかったです(30代女性)


③感染症対策の徹底度が高く安心して過ごせる

●消毒や検温を徹底されていて感動しました。とても信頼できるお店だと思いました(40代女性)
●店内は清潔感があり、感染症対策に関しても不安のない居心地の良いお店でした(50代女性)
●感染症対策について丁寧に説明されたPOPがありました。座席にも除菌済みと分かる様に記載があったので安心して楽しめました(30代男性)

④料理のおいしさが増す接客、家では食べられない料理 

●料理提供時に美味しく食べる提案があり、新しい味の発見をすることができました(30代男性)
●料理提供時に食べ方を丁寧に説明して下さり嬉しかったです。お客様に料理を最高の状態で食べてもらいたいという気持ちが伝わって来ました(30代女性)
●家ではなかなか作れない味と食感で、これを食べるためだけにまた来店したいと思いました(30代女性)

※今回の調査では「スタッフの気配り」が影響度1位でしたが、「料理のおいしさ」も大事なことに変わりはないので敢えて掲載しています。接客などを通して料理を120%楽しんでもらえる環境づくりという意味も含めています。


顧客満足度調査に寄せられたお客様のコメントを読むと、‟コロナ疲れ”しているお客様が、今お店に求めていることは、「おいしい料理」「清潔で安心して過ごせる環境」に加えて、「笑顔で歓迎してくれるスタッフ達」だということを改めて感じます。

また、お客様との接点はスタッフのやりがいにつながるサービス業の楽しさでもあります。今一度、「コロナ禍での接客・気配り」を見直すタイミングとなっているのかもしれません。


コロナ禍だからこそチェックしたい2つのポイント

①お客様から見た自社の「気配りレベル」をチェック
顧客意識が大きく変わった今、お客様が気配りを感じられるよう自社のホスピタリティを見直す必要があります。MS&Consultingの顧客満足度調査では「感染症対策の実行度の確認」など独自の設問も設置可能です。コロナ禍で変化した「接客の基準」の再設定をお手伝いいたします。

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②「清潔度」を高める仕組をチェック
スーパーバイザー・マネージャーが1店舗にかけられる時間が減少している今、店舗チェック品質の低下が起こりやすくなっています。MS&Consultingでは蓄積されるデータやノウハウでスーパーバイジング工数の削減と店舗チェック品質維持を実現します。

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(株)MS&Consultingでは自社の持つ大量のデータの分析を定期的に行い、コロナ禍を乗り越えるヒントとなる基礎データを定期的に発信しています。この大変な時期の一助となれば幸いです。

文責:株式会社MS&Consulting 並木彩華

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