顧客の心に寄り添う「ハートフルリラクゼーション」

インタビューのポイント

・リラクゼーション業界No.1、「Raffine」500店舗展開の裏側
・研修と面談による実践的サポートをセラピスト3000名に実施
・協会を立ち上げ資格制度やガイドライン策定など業界活性化に貢献


株式会社ボディワーク

代表者:清水 秀文 代表取締役

所在地:東京都港区赤坂1-1-14 NOF溜池ビル1階

設立年月:2001年1月

会社ウェブサイト:http://www.bodywork.co.jp/

事業内容:リラクゼーション

展開するブランド:Raffine、Grand Raffine、他12ブランド

社員数:正規171名、リラクゼーションセラピスト約3,000名


『季刊MS&コンサルティング 2015年冬 特別号「サービスの強化書」』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。


株式会社ボディワークは、全国の商業施設や駅構内、空港、路面などにおいて、主力ブランドのRaffine(ラフィネ)を中心としたリラクゼーションスペースを500店舖、グループ会社を含めた全体では約700店舗を展開する業界最大手の企業である。ボディケアやリフレクソロジーなどのサービスを通じて疲れた人々を癒やし、笑顔になって帰っていただくために、技術だけではなく、顧客の心に寄り添うおもてなし=「ハートフルリラクゼーション」を提供することで、心も体も元気で健康に過ごしていただきたいというのが、同社の考えだ。


「人の育成」が業界一位の礎となる

「商売の原理原則は、人(お客さま)が集まる場所に、良い人(スタッフ)がいること」と同社社長の清水秀文氏は語る。顧客が集まる良い場所を見つけ、「ハートフルリラクゼーション」を体現するスタッフを育成することが、繁盛店を創り出すという考え方である。同社は創業当初、温浴施設内への出店を続けてきた。温浴施設ならば、ある程度の集客は見込める。しかし路面店を出すようになり、集客が伸び悩む。その原因は人の育成が追いつかなかったことだ。同業他社でも、人が育たないまま闇雲に出店することによって顧客満足を落とし、廃業する企業も少なくなかった。この経験を通して同氏は、「人の力」によって顧客を集めることの重要性を学んだと言う。この価値観が、店舗数業界一位への礎となった。

同社では新人研修後、店舗でセラピストとしてデビューする前に、インターンショップ(デビュー前のセラピストを実践的に教育するための店舗で、料金は通常の半額程度に設定されている)に配属される。セラピストは、受付、カウンセリング、施術などを顧客に対して実際に行うことで、現場の厳しさを学習する。このインターンショップの卒業には細かいチェック項目をクリアすることが必要で、卒業できないセラピストもいるという。現場デビューの厳しさを肌で感じることが、セラピストの成長につながり、新人セラピストの質を高めサービス品質の均一化につながっている。

「ハートフルリラクゼーション」の提供には、心のこもった接客が大事。年に1回行う「接客R1コンテスト」を通じて、優良接遇を共有することでレベルの高いケアへと繋げている。


人の育成の鍵は「モチベーション」

もちろんセラピストとしてのデビュー後も、接客技術を向上させる機会は数多く設けられている。年に1回、グループ全体で「接客R1コンテスト」という接客のロールプレイングコンテストを行い、日頃の接客の様子を他店のセラピストに披露する場をつくる。グループ全体で5千名以上のセラピストがいるが、優秀なセラピストの対応を共有し、学習することで、全店のセラピストの質的向上を目指している。

また、同社がセラピストを育成する上で重視していることが、仕事に対するモチベーションである。同社には70名程度のマネージャーがいるが、定期的に、店長やセラピストとの個人面談を行っている。 仕事だけではなく、プライベートの話も共有することで、マネージャーがセラピストの状態を把握し、モチベーションの維持と向上に努めている。本部からは、マネージャーに対して各店の離職率のデータを共有。お店の状態を定量的にも明らかにし、対策を考える機会を提供している。

2007年、リラクゼーション業の社会的認知の向上と繁栄のために、清水氏は日本リラクゼーション業協会を立ち上げ、初代理事長に就任した。セラピストの資格認定制度の構築、コンプライアンスに関するガイドラインの作成など、業界全体の質を高めるための活動に注力している。高齢化社会に突入し、医療費の高騰から健康寿命の延伸が叫ばれる中、同社をはじめリラクゼーション業の果たす社会的役割はさらに大きくなると思われる。

冊子「毎日、岩さん」(一部抜粋)


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