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勤続年数によって変わる満足度と注力すべきポイント

第3回従業員満足度コラム

2018/06/26 更新

サービスチーム力診断は延べ回答数51万件を突破

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サービス業全体に広がる人材難・採用難を背景に、「会社の健康診断」として従業員満足度調査をご依頼いただく企業様が、年々増加しております。その影響もあり、2018年3月末時点で従業員満足度調査「サービスチーム力診断」は延べ回答数が51万件を超えました。MS&Consultingでは、これらの匿名化された調査データを国立研究開発法人産業技術総合研究所の研究チームと分析し、診断ツールの精度向上やコンサルティングの品質向上に活かすことでクライアントの皆様に還元・貢献できるよう、研究開発に取り組んでいます。本日は、その中で分かった面白いデータをご紹介いたします。

勤続年数によって変わるポイント「成長感」

starclm_no3_2仕事において自分自身が成長していると感じるか、を聞いた「成長感」という設問があります。この項目はモチベーションの理論として有名な「ハーズバーグの二要因理論」でも「動機づけ要因」と分類されており、継続的なモチベーションを形成するために重要な項目であると言われています。サービスチーム力診断のデータでも、分析すると「成長感」はESレベルが高いお店でも低いお店でも、スタッフのロイヤルティを高めるために重要な項目になっています。

しかしこの「成長感」、実は他のモチベーションに関わる項目と比べても「勤続年数が長くなることで満足度が下がる」という傾向が特に強い項目になっています。グラフに示す通り社員とアルバイトの両方で年次が上がるごとにスコアは右肩下がりとなっており「仕事においてあまり成長していると感じられない」と思うスタッフさんが多くなっていることが分かります。もちろん業種や業態、会社によって変わる部分はありますが、お店の中で一通り仕事ができるようになって、何か次に新しい目標がある訳でもない、という状態になってしまうと『成長』というのは確かに感じづらいのかもしれません。グラフを見ると、アルバイトスタッフで勤続3年、社員で勤続2年がひとつの境になっています。

成長感を高める事例

starclm_no3_3しかし、会社としては入社3年目を迎えた社員、4年目を迎えたアルバイトというとお店の主力メンバーであり、そういったスタッフさんの帰属意識が下がって退職してしまう、ということはできるなら避けたいところ。こういったメンバーが成長感を持って働き続けるというのは、自然とそうなるものではなく上司である店長さんなどの関わりがとても重要です。では、現場の店長さんはどのような工夫でスタッフの成長感を高め、ESを向上させているのでしょうか?

ある飲食店の店長さんは、スタッフの成長レベルにあわせた「成長」を感じてもらうために、「新人スタッフ」と「ベテランスタッフ」で異なった居場所(=役割)を工夫して作っていました。
「新人スタッフ」に対しては「お茶を持っていく」ことを積極的に任せました。お茶を持っていくことは、すぐにできて、お客様からも笑顔が返ってくる仕事。「笑顔が良いねとお客様が言っていたよ」「〇〇ができるようになったね、良かったね」などと積極的にフィードバックをすることで、自身の成長をより感じられるようにしています。

一方ベテランスタッフに対してはある商品の販売の企画を任せました。お店のメイン客層に近い女性スタッフさんに、その商品のオススメレシピやPOPを作ってもらいました。そして、その後のフィードバックで「●●さんがPOPをつくってくれたおかげで、出数が●●個増えました、ありがとう!」「●●さんが●●をしてくれたからすごくよかった!」と、何が良かったのか具体的に言葉かけをすることで、ベテランスタッフにも新しいチャレンジを通して成長を感じてもらうことに成功していました。

年次が上がってもマンネリ化せずに「成長感」を得続けるには、こういった工夫が不可欠です。お店では、スタッフに応じた成長の階段、目標設定がされているでしょうか。そして、フィードバックで自身の成長を実感させられているでしょうか。もし、お店での動機づけが足りないなと感じているときには、こういった観点でお店やスタッフを観察することも効果的かもしれません。

次回は、逆に年次が低いほど満足度が低い項目について取り上げ、その改善事例と一緒にご紹介します。

※サービスチーム力診断では、診断後に自身の課題となっている項目を改善するためのヒントとなる実際の改善事例をレコメンドする機能を搭載しております。サービスチーム力診断の詳細はこちら>>

文:錦織 浩志

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