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株式会社ユナイテッドアローズ(アパレル小売)

“基本項目のチェック”から一歩進んだ活用で
各事業の方針や現場の状況に応じたレポート活用を実現

株式会社ユナイテッドアローズ(アパレル小売)

株式会社ユナイテッドアローズ

取材:吉川 高弘 担当:江端 慎二
※本記事に記載されている名称や内容などは、平成27年10月取材時点のものです。
「UNITED ARROWS」をはじめ、「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」など、紳士服・婦人服および服飾雑貨のセレクトショップを複数展開する、株式会社ユナイテッドアローズ。お客さま満足を提供する3要素として「ヒト(接客サービス)・モノ(商品)・ウツワ(店舗環境)」を徹底的に磨き上げることを競争力の源泉と位置付け、その一つの施策として早い段階から覆面調査を導入。現在は挨拶などの接客基本項目のチェックだけにとどまらず、各事業の方針や現場の状況に応じた調査運営を行っている。覆面調査を現場改善に役立てるための工夫を、経営戦略本部人事部 松田 耕治氏に伺った。

弊社のミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)のご活用は2012年からになりますが、御社ではそれ以前から覆面調査を利用されていますね。

当時は御社とは別の会社様にご協力いただいていましたが、私が店頭にいた頃から覆面調査はありました。ただその頃は、一定の評価以下だと勉強会に招集されたり、個人面談を実施されるなど、あまり良い活用方法ではありませんでした。「調査結果をどのように店頭が活用すれば良いのか」見えないままに、ただレポートが届くので、結果を点数でしか捉えられず、点数が良かったら「(調査モニターが)接客力の高いメンバーに当たったよね」、逆に点数が悪いと「(接客したのが)新人メンバーだから仕方がないよね」といったように、そのとき偶然、調査モニターを対応したスタッフ個人の問題としてでしか結果を捉えられませんでした。

弊社が調査を担当するようになって、MSRのレポートを店舗の改善・強化にどう活かしていくのかを店長様にお伝えする「調査結果活用研修会」を実施させていただきました。

同社では、「店はお客さまのためにある」という社是の元、どうすればお客さまに喜んでいただけるか、どうすればお客さまに満足にしていただけるかをスタッフ一人ひとりが考え、行動していくことを大切にしている。個性をもったスタッフ各々が、お客さま満足の創造を目指すため、様々な研修を受けている。

トライアルで実施した勉強会では「MSRの結果をどのようにスタッフに伝えて、活用すれば良いのか、どのようなショップミーティングを実施することで『個人の問題』ではなく『店舗の問題』として改善・強化が進むのかという具体的な手法を学ぶことができて、とてもためになった」という感想が聞かれました。ショップミーティングを効果的に実施するよう、事前準備の仕方、場の雰囲気の作り方、メンバーへの質問の仕方など、リーダーとして必要なスキルを具体的に解説していただいたので、店長が現場に戻ってからすぐに実践できたと思います。

ユナイテッドアローズ社は数十のストアブランドで成り立っていますので、事業ごとに悩みや要望も異なってきます。今期は調査結果の活用に特に力を入れ、事業部から強い要望があがった「BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS」でトライアルの勉強会を実施いたしました。評価いただいた点を活かしながら、事業ごとの悩みや要望に合わせてレポートの活用を更に効果的に進められるようサポートをしていくことが、人事部の役割だと考えています。調査はお店の健康診断と捉えていますので、効果的に活用するには「診断」だけで終わるのではなく、具体的な「改善」に繋げていく必要があります。たとえば「この部分がお客さまに喜ばれていない」と指摘だけして終わりではなく、「具体的にどのような活動をしていこうか?」と次のアクションへ繋げることが重要です。

例えば、今回の勉強会の中でも、「『スタッフさんが声をかけてくれなかったので、質問しづらかった』という評価がありました。次からはアプローチを徹底しましょう」という内容ではなく、お客さまに声をかける時の具体的な話し方にまで踏み込んだレクチャーをしてくださったので、参加した店長もスタッフに伝える具体イメージを持つことができたと思います。

また、勉強会の中で、サンプルのレポートを読み、「自店舗にこの内容が届いた場合、どのように活用するか」というテーマで話し合いをしました。店長によって読み込む視点やアクションへの繋げ方の深さが異なりましたが、具体的な例を提示しながら話を進めてくださったので、まだスタート段階ではありますが、MSRを効果的に活用する一つのきっかけになったと思います。

また、調査結果の報告会についても、分析結果が御社から一方的に報告されるのではなく、事前に事業ごとの方針をヒアリングしてくださった上で、重点取り組み事項を踏まえて報告いただけることで、一歩踏み込んだ活動へと繋げることが徐々にできてきていると感じています。

今までは「挨拶などの基本項目を徹底しましょう」というアドバイスで留まることもありましたが、「ヒアリングや、お客さまに喜んで頂く提案をすることは大切ですが、その提案をするためには感じの良い挨拶からスタートする必要がありますね」といったように、挨拶が単なる接客基本という考えから一段階ステップアップして、挨拶の重要な役割を認識してもらえる伝え方に変わりました。現在は、よりブランドや現場の状況、時代の流れに即した内容に変化してきています。

最近の活動としては、インバウンド施策の強化を進めておられます。

やはり、海外からのお客さまが増えていることを実感しています。「サンキューレター」といってお客さまから感謝の礼状をいただくことがあるのですが、徐々に海外のお客さまからいただく数が増えてきています。そこで、まだ手探りの部分も多いですが、最近では英会話の勉強会を定期的に実施するなど、海外からお越しいただくお客さまへの対応を強化しています。トライアルで実施した御社のインバウンド覆面調査の結果においても、「英語で熱心に対応していただけて感動しました」というお褒めのコメントがあった一方で、「英語しか話すことができないことを伝えると、奥に入ってしまい残念でした」というコメントもありました。構想段階ではありますが、インバウンド覆面調査も活用をしながら、対応の強化を進めていきたいと考えています。

そうした現場の動きに即した新しい取り組みをスピーディに実践されることも、御社の強みの一つですね。私達と各事業部の皆さまとの間を上手に調整して下さるので、本当に感謝しております。

御社と各事業部のメンバーの間に入り、お互いにできることを最大限引き出せるようにすることが、私どもの役割だと思っています。幸いにも、各事業部の多くのメンバーとコミュニケーションを取った経験がありますので、新しい取り組みがスタートする際もアドバイスをもらいながら、一緒に活動を進めることができていると思います。

また、御社は各事業部からの要望にも柔軟に対応して下さるのでありがたいです。そのような対応をして下さるからこそ「調査する側・される側」という壁を隔てたようなコミュニケーションではなく、「各事業部・店舗がお客さまに喜んでいただくための活動を推進するパートナー」として近い距離感で活動ができているのではないでしょうか。

最近では各事業部の方から直接「こういう分析資料は出せませんか?」といったご要望をいただけるようになり、MSRに対してより関心が高まってきているのかなと、私たちもやりがいを感じているところです。

たとえば、「お客さまが入店されたら笑顔で挨拶する」ことは接客の第一歩であり、とても大切なことですが、このようなマニュアル通りの対応が実施できているか否かというチェックをする調査では、店舗のスタッフも興味が湧きづらいですし、その後の改善活動にも繋がらない可能性が高いことは前述のとおりです。

御社の調査では「笑顔で挨拶できていましたか?」というチェックだけではなく、「スタッフの挨拶からどのような印象を受けたか?」「調査でなければ初期の対応で退店する可能性があったか?」など、お客さまの心の機微を読み取ることを大切にされています。そのため、定量的な数値の分析だけではなく、お客さまからのコメントを集約し、より店舗のスタッフが興味を持ちやすい、改善活動に繋げられるフィードバックができていると思います。

先ほどのインバウンド覆面調査のお話も然り、「常に先を見た取り組みをしていきたい」という想いから、御社には様々な要望をお伝えしているかと思いますが、それにしっかりと対応くださり、スピード感を持って推進できていることに感謝いたします。

今後のMSRの活用に向けてのお考えをお聞かせ下さい。

先に申し上げました通り、「指摘のためのツール」ではなく、「店舗スタッフのモチベーションに繋がる調査」にしたいという想いがあります。そのために、点数だけでお店を評価するのではなく、お客さまからのコメントをしっかりと届けたいと思います。

以前、非常にスタッフ数の多い店舗の中で、同じスタッフが調査モニターを3回接客したことがありました。そのスタッフは3回とも評価が高かったことも素晴らしいのですが、それ以上に「3回も調査モニターを接客した」ことがより素晴らしいと思います。なぜならば、日頃からお客さまのことをしっかりと観察し、積極的にお声がけできているからこそ、高い確率で調査モニターを接客することに繋がっていると考えるからです。このように、調査結果を表面的な部分だけに留まらず、店舗の状況やスタッフの想いなど、結果の背景までを理解した上で、店舗の改善活動や勉強会などに役立てていきたいと思います。

最終的にはスタッフ一人ひとりが「調査モニターを接客したい」という前向きな気持ちになれることを目指し、取り組んでまいります。

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