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キュービーネット株式会社(ヘアサロン)

手軽さの価値を追求することで、お客さまから必要とされる「サービス企業」へ躍進

キュービーネット株式会社(ヘアサロン)

キュービーネット株式会社

東京都渋谷区渋谷2-12-24 東建・長井ビル7階
会社ウェブサイト:http://www.qbnet.jp/
QBハウス ウェブサイト:http://www.qbhouse.co.jp/

『季刊MS&コンサルティング 2013年夏号』掲載
担当:木村 直人・編集:西山 博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
わずか10分でヘアカットを仕上げる手軽さで、国内のみならずアジア各国でも成長を続けている「QBハウス」を運営するキュービーネット 代表取締役の北野泰男氏は、「当社の強みは技術力と手軽さ。これらをベースに、入りやすくまた来店したくなる接客を目指している」と話す。特色を極める経営と、顧客満足・従業員満足に対する考え、そして現場での実践を取材した。

10分1000円という設定で、厳しい理美容業界において大きな成長を続けられていますが、QBハウスにとっての顧客満足とは?

代表取締役 北野泰男氏

代表取締役 北野泰男氏

当店を利用されるお客さまにはビジネスマンが多く、短時間で気軽に身だしなみを整えられるところが支持されています。したがって、追求すべきは10分で仕 上げられる技術力と、店舗への入りやすさや予約が要らないなどを含めた“お手軽さ” (低価格、短時間、高い利便性、ヘアカットのみ、予約なし)です。スタイリストの時間が取られてしまうカルテなどでの顧客管理は一切しませんし、施術時間 の延長につながるプラスアルファのリラクゼーション要素も加えません。


v116-12【QBハウスのポジショニングマップ】

QBハウスが考えるポジショニングマップ。リラクゼーション要素などを付加する理美容室が増える中、“手軽さ”を突き詰めた「引き算による差別化」で成長を重ねてきた。


一人のスタイリストがお客さまのそばを離れず、どの店舗でも変わらず気軽ながら質の高い仕上がりを提供することを目指した結果、今では海外店舗を含めて月間150万人の方にご利用いただいています。

ただ、なかなか自分たちのことを客観視するのは難しいものです。そこで2009年からミステリーショッピングリ サーチ(以下MSR)を導入しています。我々はCSの指標として再来店の意志と他者への紹介意志を特に重視しており、その0.1%にまでこだわって改善を 目指しています。

では、QBハウスにおける社員満足とは何でしょうか?

国内464店舗・海外79店舗(※2013.7.1現在)を展開。ビジネスマン向けのQBハウスの他、20代~40代の男女がメインターゲットの「FaSS(ファス)」、女性向けの「Quatre Beaute(キャトルボーテ)」、ファミリーをターゲットにした「IKKA」など特色ある業態を展開(写真はQBハウス渋谷マークシティ店)。

国内464店舗・海外79店舗(※2013.7.1現在)を展開。ビジネスマン向けのQBハウスの他、20代~40代の男女がメインターゲットの「FaSS(ファス)」、女性向けの「Quatre Beaute(キャトルボーテ)」、ファミリーをターゲットにした「IKKA」など特色ある業態を展開(写真はQBハウス渋谷マークシティ店)。

業態は特徴的ですが、やはりサービス業ですので、お客さまに「ありがとう」と言われることが何よりのモチベーションになると思いますし、それを日々目指しています。

カットに特化したQBハウスは、1日に対応する人数が一般的な理美容室より格段に多く、仕事がシンプルなだけ に、ときにルーティンワークのようになりがちでもあります。特に当社は急激に事業が拡大し、スタイリストも急増したため、まとまりに欠けていることが課題 に挙がった時期もありました。店舗の運営上、スタイリスト同士が集まる機会を作りにくく、また職人気質のスタイリストが多いことからも、連帯感が生まれに くかったのです。

当店の最大の商品は技術力だと自負していますが、技術者とはいえ、自分の世界にこもってしまっては向上心を保つ のは難しく、同僚同士で切磋琢磨する意識が不可欠です。そのために、毎月制作している社内報「QBニュース」で新店舗やMSRのランキングを紹介したり、 海外店舗のスタイリストも参加するカットコンテストを開催することで、他の技術者・店舗・エリアや国を意識するような場を設けています。

MSRの導入は、CS向上のためだけでなく、それを刺激として仲間を認めたりほめたりする姿勢を育てたいという 思いもありましたので、全国店長会などでも活用しています。実際に導入してから、全店舗で点数が上がっており、特に下位店舗の伸長が目覚ましい状況です。 これは、スタイリスト同士が切磋琢磨して成長している証だと捉えています。

技術職ですと、独立されるスタイリストもいると思いますが、人材育成についてはどうお考えですか?

v116-09スタイリストのキャリアプランとしては、店長、マネージャーとステップアップしていきますが、人数自体は多くあ りません。当然、当店を経て独立していくスタイリストもいますが、技術者として残ってくれる限りは、若手を育成できる人に育ってほしいという思いがありま すし、そういう人を評価しています。

私自身は技術者ではなく、完全にビジネスマネジメントの面からこの事業に携わっているのですが、旧来の理美容業 界における「見て学べ」という姿勢には良い面がある一方、それ以外の方法もあるのではないかと感じていました。そこで当社では、経験の浅いスタイリストの ためにエリア毎に研修施設のある店舗を設けて、約半年をかけて基礎から論理的に技術を教え込み、店舗でお客さまのカットを担当します。

当店のベテランは、10分の間に何回ハサミを入れれば仕上げられるかまでイメージできます。たとえ経験者であっても、そのような体系立った技術を備えている人は少ないので、研修店舗でしっかりと練習してもらいます。

経験の浅い人も採用するのですか?

今は積極的にカット未経験者を採用しています。他店に10年勤めても、アシスタント的業務が多く、カット経験のない・浅い人も少なくないのが現状です。業界全体の発展に、しっかり論理的に教えて人を育てていくことで微力ながら貢献できればと考えています。

シンガポール、香港、台湾とアジアなどへの海外展開を含めて今後の展望をお教えください。

アジア圏は美容師・理容師の資格がない国が多く、技術力がバラバラです。それに、「お客さまの前を横切らない」 といった日本ではごく基本的な対応も説明しなければ伝わらないので、海外店舗を軌道に乗せるまでにはいろいろと学ぶ点が多い。そこで得た気づきは、日本の 研修にも逆輸入のような形で活かしています。

高い消費力を秘めている中国をはじめ、アジア圏にも極上のサービスを謳った高価格帯のサロンが増えていくでしょ う。しかし一方で、すでに進出している3カ国の動向を見ても、気軽さを追求した業態にも確実にニーズがあると手応えを感じています。欧米ではカット専門店 が日本より一般的なので、アジア以外への進出も視野に入れています。

外へ向けて勢いよく展開しながら、それを刺激としてスタイリスト一人ひとりが日々の仕事に邁進できるように、今後も現場との連携を大事に運営していきたいと考えています。

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