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株式会社レデイ薬局(ドラッグストア業界)

人が育つ環境を整えて「憧れの店舗」を増やす

株式会社レデイ薬局(ドラッグストア業界)

株式会社レデイ薬局

愛媛県松山市南江戸4-3-37

会社ウェブサイト:http://www.lady-drug.co.jp/

『季刊MS&コンサルティング 2011年夏号』掲載
取材:西山博貢、文:高島 知子
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
愛媛県松山市に本社を置く株式会社レデイ薬局は、同じく地域密着型のドラッグストアチェーンを展開していた株式会社メディコ・二十一を3年前に完全子会社化。昨年9月、合併を果たした。組織の統一という大きなターニングポイントにミステリーショッピングリサーチ(以下MSR)やHERB研修を効果的に取り入れた、レデイ薬局の考えと戦略を取材した。

「地域のお客様と向き合う」その気持ちを拠り所に合併

店舗外観:瀬戸内圏に地域密着型の大型専門薬局を展開するレデイ薬局は、「治す」を基本コンセプトに、病気の予防も含めた「初期治療」から調剤部門による「最終的治療」まで幅広い「治す」ニーズに対応。

店舗外観:瀬戸内圏に地域密着型の大型専門薬局を展開するレデイ薬局は、「治す」を基本コンセプトに、病気の予防も含めた「初期治療」から調剤部門による「最終的治療」まで幅広い「治す」ニーズに対応。

一般小売店やコンビニエンスストアなどで医薬部外品が取り扱われるようになるなど、ドラッグストア業界の競争が激しくなっている昨今、既存の店舗には低価格化やサービス強化などによる一層の差別化が求められている。

地域密着店としてのホスピタリティを付加価値として顧客の支持を集めるのも、他店舗と差別化するひとつの策だ。愛媛県を中心とし、広く瀬戸内圏に197店舗を展開するレデイ薬局も、長らくそうした考えをベースに、大型専門薬局として医薬品を中心に扱いながら接客と相談を重視する方針で、地元の顧客に親しまれている。

同社は昨年、かねてから子会社化していた同郷のライバルとも言えるドラッグストアチェーン、メディコ・二十一と合併した。レデイ薬局の豊島誠執行役員 人財本部長(右写真)は、この合併について、婚約をしていた者同士がやっと結婚式を迎えたようなものだと例える。「合併までの準備期間はあっても、やはりそれまで経営理念や企業風土を異にしていた別々の会社が融合するのは、容易なことではありません」。

豊島誠氏:メディコ・二十一との合併を経て、本部長の豊島誠氏は「お客様と向かい合う姿勢を共有し、さらに組織の強化を進めたい」と話す。

豊島誠氏:メディコ・二十一との合併を経て、本部長の豊島誠氏は「お客様と向かい合う姿勢を共有し、さらに組織の強化を進めたい」と話す。

平成20年、自社と同じように地域密着型を掲げるメディコ・二十一との株式交換契約を締結し、その後に子会社化した際には、両者の社員やパートスタッフはもちろん、幹部陣の中にも戸惑いが生じた。それは当然のことだと豊島氏は話す。

「両社はそれぞれのドミナント戦略において、確かにライバルではありました。ただし、互いを倒そうとする敵同士ではなく、同じように地域のお客様と向き合ってより良いサービスを心がけてきた、いわば好敵手。地域のお客様に貢献したいという思いは同じでした。ですから、それを大きな拠り所として『共に頑張っていこう』という意識の統一を目指しました」。

 両社の社員の意見を基に経営理念を策定

v93-10二社が合併するということは、経営理念や社訓といった企業の指針も見直すことになる。現在レデイ薬局では、経営理念に「お客様の“健康と美”を追求し、“喜びと感動と安心”を提供する企業」、そして「社員の成長と豊かさを実現し、地域社会と地域の人々に貢献する企業」を目指すと掲げている。この理念には、社員一人ひとりの気持ちが込められている。社員の思いを汲み上げながら議論を重ね、経営幹部が言語化したものなのだ。

経営理念策定の経緯について、豊島氏はこう話す。「本来、経営理念は経営者が作るものだと考えています。経営理念とは、企業の存在意義である地域社会貢献、福利厚生、利益追求という3本柱の上に立つ、それぞれの会社の顔。これは企業の哲学であり、憲法です。ただし、合併という大きなターニングポイントを社員一人ひとりが受け止め、さらなる飛躍につなげていくためには、それぞれのDNAを活かすことが大切だという社長の判断から、『どんな会社にしたいか』という意見を両社の社員から集めたのです。それらの意見を基にしながら、最終的に経営幹部で新しい経営理念を形にしていきました」。

合併は経営陣が決めたことだと受身の姿勢になるのではなく、それぞれの社員に合併をポジティブに捉え、会社に対して積極的に関与してほしい。そんな思いを込めて募集した意見には、突拍子もないものはなく、不思議と一貫性が見られたという。これは、両社の以前の経営理念が各社員に浸透していたこと、さらに両社の理念にも相通じる部分があったことの証明にほかならない。