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新型コロナウイルスに関する消費者意識調査【2021年10月】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する消費者意識調査を、2021年10月20日から10月21日にかけて行いました(回答数1,078名)。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が全国で解除され、新規陽性者数も大きく減少、ワクチン接種率もアメリカやイギリスなど欧米諸国を上回った今、消費者の危機感や意識はどう変わったのか報告します。

この記事のポイント


1.危機感は急下降し、過去最低水準まで低下

2.性別・年代・エリアによらず危機感は低下、特に関東圏、女性でその傾向が顕著

3.業種を問わずサービス利用に対する抵抗感も下がり、昨年秋の水準に近づいてきている


調査概要>>

1.危機感は急下降し、過去最低水準まで低下

調査を行った10月末時点では新規陽性者数は大きく減少していました。結果、消費者の危機感も前回からさらに急下降、本調査をはじめた2020年4月以降、過去一番低い危機感となりました。

【図1】新型コロナに対する危機感分布
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答

【図1】新型コロナに対する危機感分布


【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図2】「新規陽性者数7日間移動平均」と「新型コロナに対する危機感平均値」

2.性別・年代・エリアによらず危機感は低下、特に関東圏、女性でその傾向が顕著

今回は性別・年代によらず危機感はさらに低下しました。特に女性はその傾向が顕著で、昨年の秋も大きく下回って過去最低水準となっています。

【図3】男女別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図3】男女別・危機感


【図4】年代別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図4】年代別・危機感


エリア別にみても全てのエリアで危機感が低下していますが、特に関東圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)で危機感は大きく低下しています。関西圏が微減に留まっていることと比べると、関東圏の急減は際立っています。

【図5】エリア別・危機感
「コロナウイルスに対する危機感をどの程度感じていますか?10段階でお答えください。」に対する回答
【図5】エリア別・危機感

3.業種を問わずサービス利用に対する抵抗感も下がり、昨年秋の水準に近づいてきている

「居酒屋利用に対する抵抗感」は男女とも減少しました。特に女性の抵抗感が前回から大きく低下しました。

一方、「新型コロナに対する危機感」が過去最低水準まで低下したことに比べると、「居酒屋利用に対する抵抗感」は昨秋の水準まで近づいて入るものの、過去最低水準までは下がっていません。居酒屋利用への抵抗感が無くなるというのは、まだもう少し先になると思われます。

【図6】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感
※「他のグループと1m以上間隔が空いている場合、居酒屋で飲食することに抵抗を感じますか?」に対する回答で「どちらかと言えば抵抗を感じる~非常に抵抗を感じる」が選択された比率

【図6】男女別・居酒屋利用に対する抵抗感


また、その他のサービス利用に対しても抵抗感は大きく減少しました。ワクチン接種が進み、我慢してきた消費活動を徐々に再開させたい欲求が高まっている中で、抵抗感も下がっていることから、実際に消費は高まっていくと思われます。


【図7】各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率
“抵抗を感じる”側の比率…「非常に抵抗を感じる」から「どちらかと言えば抵抗を感じる」までを足し合わせた比率

【図7】各種サービス利用形態に対する“抵抗を感じる”側の比率


一方、消費者の「感染症対策についてはまだ気になる」という感覚は続いているため、どの業種においても、今一度感染症対策の徹底度を引き続き確認していく必要があると考えられます。MS&Consulting社では消費者意識調査を定期的に行い、感染症対策と経済活動を両立させるヒントとなる基礎データをタイムリーに発信していきます。この大変な時期の一助となれば幸いです。

◆データはいずれもネットリサーチ当社調べ(2021年10月20日~10月21日、回答数1078名)
◆執筆:​​​​​​​株式会社MS&Consulting データ活用推進室 室長 錦織浩志

MS&Consulting 錦織浩志
MS&Consulting 錦織浩志
東京大学 大学院を修了後、MS&Consultingへ入社。データアナリストとしてビックデータの分析を担当。その知見を活かし、国立研究開発法人 産業技術総合研究所との共同研究の成果として、数々の共著論文を発表。研究テーマ例に「従業員エンゲージメントと顧客満足の関連性分析」「パート・アルバイトの従業員エンゲージメントの特徴」「サービス・ベンチマーキングによるサービス・プロフィット・チェーンの高度化に関する研究(サービス学会BestPaperAward受賞)」など。

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