社会的背景とミステリーショッピングの価値(点数化と顧客の生の感想)

現在、日本のサービス業は成熟化が進んでおり、提供される商品や施設設備には競合間で大きな差がみられなくなってきています。その中で、競合他社とどのように差別化を図るかが店舗運営を営む企業の課題となっており、顧客の個別のニーズに対応できるような顧客接点の強化や、より高いサービス品質が求められるようになってきています。そして、それぞれの顧客の状況や心理状態に応じた接客サービスを提供できるような従業員の採用・育成やサービス設計のニーズが高まってきています。

顧客がサービスを受けた時の状況や心理変化を詳細に把握できることがミステリーショッピングの大きな特徴ですが、そこに従業員のホスピタリティマインドやモチベーションを高めるための気づきのツールとしての利用価値があり、近年、従業員のマインド教育の一環やサービス設計の改善手法として注目を集め始めています。

この主な理由を深堀すると、次の2点が挙げられます。


(1)サービスの見える化

サービスのひとつの大きな特徴は、目に見えない点です。そのため、サービスの提供に対するフィードバックを得ることが難しいといえます。ミステリーショッピングを使うと、目に見えないサービス品質を「見える化」することができます。すなわち、サービスのレベルが点数化され、改善の具体的なポイントを明らかにすることができ、また、点数化されることで改善の度合いも把握できるのです。


(2)顧客目線による情報提供

従業員が店長やトレーナーといった指導者からの指摘によらず、実際にサービスを利用した顧客(=調査員)からの生の感想を聞くことによって、自分たちが行っているサービスの価値、逆に顧客に不満を与えてしまった対応やその理由などを従業員が自ら感じることができるようになります。自ら感じることにより、従業員の主体性が引き出され、意識変革を促すことにつながります。

一時的な状態把握のためだけではなく、ミステリーショッピングを定期的に実施することによって、サービス現場における改善活動を風土として根付かせられるような活用も有効です。

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