
全店のクレンリネスを高める「熟練スタッフ臨店」の仕組み
店舗ビジネスにおいて、クレンリネスの行き届かなさや設備の不具合は顧客不満につながってしまいますが、全店で高い水準を保つことは容易ではありません。株式会社ダイヤモンドダイニングのバグース営業本部では、臨店管理システム「SVナビ」を活用した"クレンリネス&メンテナンス プロジェクト"を立ち上げ、この課題に挑んでいます。同社 バグース営業本部の小関事業部長に詳しくお話を伺いました。
社内コンペで優秀賞を受賞、クレンリネスの仕組みづくり
――「BAGUS(バグース)」とは、どんなお店ですか?
小関氏:バグースはラグジュアリーな空間の中で、ビリヤード、ダーツ、卓球、個室でのカラオケ、シミレーションゴルフなど複数のコンテンツを楽しみながら飲食ができる大人のアミューズメント施設です。店内を回遊しながら様々に遊べるので、幅広い顧客層にご来店いただける点が特徴です。

――そんなバグースで「クレンリネス&メンテナンス プロジェクト」を始めたのは何故ですか?
小関氏:「空間を提供するお店」というブランドの特性上、空間が清潔であること、完璧に整っていることは、欠くことのできない必須条件だと考えています。
また、バグースには、定期的に修繕が発生する備品がたくさんあります。しかし、修繕に関する知識が一部の担当者に集まっていて、店舗が自力で対応できないケースが発生するなど「知識の属人化」を解消する必要がありました。
そこで、グッド・アイデアを募る社内コンテストに企画を提案したところ、多くの賛同をもらうことができ、優秀賞をいただいたことから、クレンリネス&メンテナンス プロジェクトはスタートしました。

お話を伺った、株式会社ダイヤモンドダイニング バグース営業本部 事業部長 小関貴幸氏
――「クレンリネス&メンテナンス プロジェクト」の詳細を教えて下さい。
小関氏:プロジェクトの目的はとてもシンプルで、約40ある店舗の「クレンリネス&メンテナンスのレベルと意識の底上げ」、それを通した「ブランド価値の向上」です。
具体的には"熟練の視点"を持った選抜メンバーが、抜き打ちで3カ月に1回、各店を巡回してクレンリネスや設備の状況を評価しています。

―― 一般的な「スーパーバイザーの臨店チェック」との違いは何ですか?
小関氏:臨店管理システム「SVナビ」を活用している点が大きく違います。弊社ではもともと臨店業務の品質向上や工数削減のために、MS&Consultingさんの「SVナビ」を導入していたのですが、このシステムを活かすことにしたんです。
ポイント1:「1週間以内の画像報告」「データの蓄積」で確実に改善を促す
気づいた点はその場でもフィードバックしますが、臨店から3日以内にチェック担当者が「SVナビ」にレポートをアップします。
店舗側はそれらの指導内容をもとに清掃や修繕を行い、1週間以内に写真を添えて、SVナビ上で報告をするルールにしています。清掃は「お客様の目に映る状態が変わったか」が大事なので、写真でやり取りができる点はとてもいいですね。
店舗からの報告画面例
(SVナビのタスク画面では店舗からの報告を写真つきで確認できる)

また、エクセル管理からSVナビ管理に変えて、大きく変わったのは各店舗の数値が蓄積されていく点です。前回と比べて良くなったのかを、感覚ではなくデータで判断・指導できるようになっています。
全社的にもデータの量が揃ってきたことで強化ポイントが見えてきました。「○○は手がまわりにくいところだよね」「○○の知識を共有すれば店舗ですぐに修繕できるね」といった知見が溜まってきています。
ポイント2:軌道に乗るまでは「選抜メンバー」で活動
今は、発案者の私と統括店長(複数店舗を管轄するエリアマネージャー)を中心に選抜したメンバーで活動しています。プロジェクトを立ち上げたばかりの今の時期はスムーズな運営を優先して、熟練の視点を持ったベテランのみでメンバーを構成しました。精鋭揃いなので、将来の仕組み化につながる活動となっていると思います。

「熟練の視点」を持ったメンバーが各店を巡回して状態をチェック
変わった現場スタッフの意識
実際にチェックを受ける側の店舗の反応はどのようなものだったのか、ここからは同社の社内報に掲載されたBAGUS渋谷店 松村主任の声をご紹介します。
――臨店チェックを受けた後、具体的にどのようなことをしていますか?
松村主任:チェック後は、スタッフと分担して集中的に指摘事項に対応していきます。発注が必要なもの以外だと、営業の合間をぬって約2時間ほどで対応完了報告をしている感覚です。
――チェックを受けたことによる気づきなどはありましたか。
松村主任:一番気づかされたのは、トイレの蝶番への指摘です。男性用トイレは蝶番が少し曲がっていたため、扉を閉める時にすこし角が当たっていました。女性用トイレは開閉時にギギギと小さく音がしていました。今思うとなぜ取りこぼしていたのかと思うほどですが…。
男性用トイレはネジをドライバーで締め、女性用トイレは蝶番にあぶらをシュッとさせばおさまりました。小さな違和感の理由がはっきりとして、第三者の目の必要性を感じました。また、小さなほころびでも悪化して、費用がかかる大きな傷になっていたかもしれません。それを未然に防げたのではと感じています。

細部まで選抜メンバーの"熟練の視点"でチェックが行われている
――プロジェクトに期待することはありますか?
松村主任:この前、パートナーさんが暗い場所の壁についたホコリを拭いている姿をみかけたんです。意外だったので理由を聞いてみたら、指摘事項への対応を通して「こうあるべき」という納得感が生まれて自発的に動いてくれたみたいでした。このプロジェクトの意義は、そういう広がりがあってこそですよね。多くのスタッフの自分ごとになって、当たり前の文化になると良いなと思います。
さらなる多店舗展開を見据えた地盤固め
――今後の展望をお聞かせください。
小関氏:本格的に取り組みがスタートして6ヶ月が経ちましたが、特にクレンリネスに関しては軌道に乗りつつあると感じています。常にバージョンアップしていき、最終的には、当たり前に高いレベルでクレンリネス&メンテナンスを維持できる仕組みにまで高めていきたいと考えています。
※取材:株式会社MS&Consulting マネージャー 染谷 朋江、執筆:同社 並木彩華
※記載されている数値や固有名詞などはインタビュー当時のものです。
その他 |
10-50店舗 |
臨店管理システム「SVナビ」 |
多店舗展開 運営品質のばらつき改善 |











