
覆面調査を活用した「社内表彰イベント」で組織を強くする
お客様に選ばれ続けるお店をつくるには、現場の接客力やサービス品質の向上が欠かせません。全国に約70店舗の飲食店を経営する株式会社DREAM ON(ドリームオン)では、優秀店舗を選抜し表彰する社内イベント「ドリームフォーラム」を通して、この課題に取り組んでいます。今回は、スタッフのモチベーション向上や店舗力改善につながるような「審査の工夫」や「覆面調査の店舗表彰への活用法」について同社 CFO 児玉様、ならびに、弊社担当コンサルタント西島氏にお話を伺いました。
「社内表彰イベント」で現場の熱量を高める
CFO児玉様:「DREAM FORUM(ドリームフォーラム)」はアルバイトスタッフも参加する社内の一大イベントです。弊社は過去に居酒屋甲子園※に登壇した経験があるのですが、その時にアワード形式のイベント(数ある候補の中から審査を経て優秀店舗を選抜し功績を称えるイベント)が、店舗の成長に大きく貢献することを実感し、自社でも取り入れたいと考えたのが始まりです。
当社は全国に約70店舗の飲食店を運営していますが、「ドリームフォーラム」では、その中から選ばれた優秀5店舗が登壇し、売上や顧客満足度のスコアなど様々な指標をどう受け止め、チーム一丸となってどう改善に取り組んできたのかを発表してくれます。当日は、審査員票と会場票で最優秀店舗を決め表彰式も行います。
自分達の仕事に対する誇りや自信を育てるとともに、優秀な結果を出した店舗がどのような考え方や取り組みをしてきたのか、他店から多くの学びを得られる場となっています。

FC店舗を含め全店舗が参加、会場は熱気と感動に包まれる
CFO児玉様:今回は第1回目となる開催でしたが、居酒屋甲子園の運営を参考にしつつ、自社ならではの工夫として「卒業式」の時間を設けました。長年店舗を支えてくれたスタッフを心を込めて送り出す時間です。人と人とのつながりを大切にする弊社らしい温かな時間になったのではないかと考えています。
【DREAM FORUM スケジュール】
14:00 本選出場店舗による壇上発表
16:00 卒業式
16:40 表彰式
18:00 代表メッセージ
※居酒屋甲子園※
エントリーした全国の居酒屋の中から選ばれた優秀店舗が取り組みや想いを発表し、日本一を決める大会。外食業界で働く人が誇りを持ち、学びを共有できる場を提供することを目座している。NPO法人居酒屋甲子園運営。
「3段階の予選」が全店舗を育てる
CFO児玉様:この感動的な舞台に立つため、各店舗は3段階にわたる予選に挑むことになります。様々な角度から自分たちの姿を振り返るきっかけになり、ファイナリストに選ばれた5店舗はもちろん、参加したすべての店舗が成長できるイベントになっていると思います。
● 1次予選(定量評価)
売上前年対比、覆面調査スコア(3ヶ月間の継続調査スコア)、Google口コミ、衛生検査、モバイルオーダー評価と多角的な指標を用いて総合的な店舗力を審査。1次予選では、覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」等の結果を用いて"お客様からの支持があるお店かどうか"を特に審査する。

● 2次予選(書類審査)
1次予選を通過した店舗は、自店の強みや課題解決の道のりなどをまとめた書類「成果創出までの振り返り」を作成。2次審査では、具体的な取り組み内容や熱意が審査される。
《審査書類 事例》

● 3次予選(プレゼンテーション)
2次審査を通過した店舗は、幹部に向けてチームの成長や成果につながった取り組みをプレゼンテーション。この審査を通過した店舗が本選へと進む。
「覆面調査」の設問設計のポイント
MS&Consulting 西島:1次審査に使う覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ」の調査票は、ドリームオン様が目指す顧客体験を正確に測るため、独自のこだわりを取り入れて細かい点まで緻密に設計しています。
ポイント1|"お客様の感情"を計測する
決まったオペレーションが「できていた・いなかった」というマニュアルチェックだけでなく、「また来たいと感じたか」「スタッフから歓迎されていると感じたか」など"お客様の感情を動かせたか"を数字で測れるように設問を工夫しています。
また、最終的な感想コメントの記入欄だけでなく、接客シーンごとにコメント記入欄を設けているのも特徴です。各接客シーンの詳細な状況やその時お客様がどう感じたのかを、現場のスタッフ方が手に取るように理解できることを重視して設計しています。
ポイント2|"業態のこだわり"がお客様に伝わっているかを計測する
ドリームオン様がお客様から高い支持を得ている背景には「お客様の来店回数にあわせたメニュー説明」「提供時の魅力的な商品説明」など、対面接客だからこそ生み出せる価値をとことん追求するオペレーション設計があります。これらの"業態のこだわり"がお客様に伝わっているかを計測できるように設問をカスタマイズしています。
ポイント3|"接客のこだわり"を正しく計測する設問設計
入店時の挨拶やお会計といった各オペレ―ションにはすべて意味があります。例えば、ドリームオン様では気持ちの良い元気な挨拶を大切にされていますが、「気持ちの良い挨拶がありましたか?」という設問を用いてしますと、調査員が「気持ちの良い」をどう解釈するかで評価がぶれてしまいます。
そこで、ドリームオン様が目指す「気持ちの良い挨拶」とは、どのような挨拶なのかを丁寧にヒアリングして、目指したい「気持ちの良い挨拶」とはどのような挨拶なのかを噛み砕いて表現することで、目指している接客が実現できているのかを正しく計測できるように工夫しました。
《調査票(抜粋)》

「覆面調査」は審査以外でも活用
CFO児玉様:覆面調査の結果は審査だけでなく、各店舗の運営改善にも活用してもらっています。
具体的には、覆面調査の結果が公開された後、店舗ごとに「振り返りシート」を使って自店舗の改善策を考えてもらっています。flour+water(フラワーアンドウォーター)業態では平均点が1年で20点上昇した店舗もあり、目に見える成果も出始めています。

※実際のシートを元に弊社加工
CFO児玉様:覆面調査を3ヶ月間にわたって実施したこともあり、現場の意識改革が進んだ実感があります。今回もフォーラム審査期間に各店舗が取り組みを進めてくれ、それぞれの店舗力向上が叶い何よりでした。フォーラムが終わった後に「来年は登壇したい!」という声がアルバイトからあがってくるなど、嬉しい変化が現場で起きています。
弊社は、さらなる店舗数の拡大に向けて組織づくり・人づくりが重要な局面を迎えています。ドリームフォーラムが組織風土の醸成や教育の機会としてさらに価値を発揮するようブラッシュアップを重ねていきたいですね。
※監修:株式会社MS&Consulting リレーション事業本部 西島康平、染谷朋江
※記載されている数値や固有名詞などは取材当時のものです。
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