
【中小企業の補助金活用事例】 設備投資に300万円の採択、生産力アップと人手不足に一手!
創業79年の歴史を持つ、富山県で食器の企画・製造・販売を手がける株式会社砺波商店。同社は「海外への商品展開」や「生産能力の強化」といったテーマに取り組むために、塗装ブースの新設を決断されました。必要となる費用については「小規模事業者持続化補助金」を活用し、一部を補填できる300万円の採択を受けました。同社、企画部長の砺波敬之氏にこうした経営判断の背景、また、導入に際して利用されたMS&Consultingの補助金申請サポートについて詳しくお話を伺いました。
人手不足時代を先取りした投資決断
― 「塗装ブースの新設」という経営判断をされた理由を教えてください。
当社のアルミ製食器は割れない・欠けないという特徴があり、飲食店やホテルといった施設でも安心・安全に使えると好評をいただいています。今後はこの「メイドインジャパン」の良さを訴求し、海外のお客様にも販路を開拓したいと考えています。一方で、足元では職人の高齢化が進んでいて、未来の人手不足問題に先手を打っておく必要性も感じていました。
海外販路の開拓、未来の人手不足への備え、また、現在直面している原材料や燃料の価格高騰への対応、こういった課題を解決するためには、生産体制の効率化が必須なため塗装ブースの新設を決断しました。
ただ、投資にはコストがかかります。そこで、さまざまな補助金の情報を持っているMS&Consulting社に相談し、当社のテーマに当てはまる小規模事業者持続化補助金の申請を行いました。結果、塗装ブースの新設費用の補助300万円が採択され、ほっとしています。
― 「塗装ブースの新設」でどのような効果を見込んでいますか?
塗装ブースの新設で、年間生産量が20%増加する予定です。また、職人が高齢化する中で技術を伝承していくというテーマに対しては、マニュアル作成など技術の標準化に挑戦していて、不良品率が10%減少する見込みです。生産能力が高まれば多様なニーズに対応できるようになります。海外を含めた新たな販路の開拓につなげていきたいと思っています。
お話を伺った、株式会社砺波商店 企画部長 砺波敬之氏
「やりたいこと」から逆算する補助金活用術
― MS&Consultingの補助金申請サポートを使って良かった点を教えてください。
今回とても助かったのは、計画書作成の段階からアドバイスをもらえた点です。他社のサポート内容も調べたのですが、弊社で作成した申請書に抜け漏れがないかのチェックのみというものが多かった印象です。計画段階から相談にのってもらえたことで、補助金を活用して新設備を導入した後のメリットや効果がより明確になりましたし、社内だけでは気がつかなかった審査項目に足りていない部分についてのアドバイスがあった点もありがたかったです。
また、補助金申請では普段現場では使わない専門用語も多く出てくるのですが、気軽に「これは何ですか?」と打ち合わせ時以外にもメールなどで都度質問でき、その際は、専門用語を現場の人間にもわかるように説明してくれた点も助かりました。
―自社で補助金申請を行う場合と比べて、外部サポートを受けて申請を行うメリットは何ですか?
弊社は製造業ですが、製造業で使う器具や設備には大きな金額が必要です。そのため補助金の金額も大きくなりがちで、サポート費用もそれなりの金額になります。ですが、専門外の業務のため、手間暇がかかる補助金申請は外部企業に力を借りて、その分生まれた時間で、自分にしかできない業務に集中した方が、長期的に見た時に売上や利益は上がるのではないかと、私自身は考えております。
陶器に見えるが割れないアルミ製食器「うつわむすび」
―最近は「補助金」ではなく「やりたいこと」を入口に弊社にご相談いただくこともあるそうですね。
そうですね。最初の頃は、自分で活用できそうな補助金を調べてから相談する形を取っていました。けれど最近は「会社でこんなことをしたいと考えているのだけれど、活用できそうな補助金はある?」と、MS&Consulting社に聞くようにしています。「やりたいこと」に対して「活用できる補助金」を紹介してもらうという形ですね。
活用できるかもしれないと思っていた補助金が使えなかったり、その逆で、活用できるが知らなかった補助金があったりします。当社は富山県にありますが、富山県内の企業でしか使えない補助金も紹介・サポートしてくれます。その自治体ごとでしか使えない助成金まで調べて、ご提案いただけるのもありがたいです。
―今後の展望を教えてください。
今は、新しい販路開拓のための新商品開発とそのお披露目をする展示会探しをしているところです。それらを進めていくにあたり、何か活用できる補助金はないかと相談させてもらっていて「小規模事業者持続化補助金」と「富山県チャレンジ補助金」は活用できるかもしれないと検討しているところです。商品力の向上や原価高騰への対応など、やるべきことは山積みですが、たくさんのお客様に当社の商品を手に取ってもらえるように、試行錯誤を続けます。
※取材日:2025年3月7日
※編集:MS&Consulting コンテンツ開発 並木彩華
※記載の数値や固有名詞などは取材当時のものです。
食器の企画・製造・販売 |
従業員数7名 |
補助金申請サポート
小規模事業者持続化補助金300万円の採択
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