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シミュレーション型研修「レストランマネジメントゲーム」で 店長の経営視点を育成

株式会社寿商店

取材:角 俊英 編集:宮本紗和

※記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは取材当時のものです。

愛知県名古屋市で昭和55年に鮮魚卸売業を創業し、その知識と経験を生かして現在11店舗の飲食店を展開する株式会社寿商店。事業を拡大していくなかで、「人時売上高」を重点指標の1つにしているという。この改善に向け、シミュレーション型研修「レストランマネジメントゲーム」を実施した。常務取締役である森 朝奈氏、飲食事業部・魚料理とすし下の一色 グローバルゲート店の店長 中森 拓氏に、「レストランマネジメントゲーム※の導入効果と活用法」について伺った。

※レストランマネジメントゲームは、ボードゲームを使った店舗経営シミュレーションにより、マネジメントスキルや店舗損益管理のポイントを楽しみながら、短時間で身に付けることができる研修プログラムです。


店舗運営をゲームで学び、業務理解度や人材育成につなげたい

――レストランマネジメントゲーム実施時の課題を教えてください。

森氏: 店舗スタッフ、特に店長クラスの人材育成の場を提供したいと考えていました。レストランマネジメントゲームでは、繁忙期にむけた人員体制の強化やリスク管理、人材育成などをどう計画していくか、ということが学べるので、日々の業務に追われてなかなか気づけなかった部分を明確にすることができたのではないかと感じています。

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――レストランマネジメントゲーム実施後、店長に変化はありましたか?

森氏:弊社は日頃から人時売上高を重視していて、各店舗の店長は毎日、この数字報告をすることになっています。今まではただ会社に言われているからやる、という店長が多かったように思うのですが、このゲームを体験することで、人時売上高の数字がどういう部分に影響を与えるのかを理解できるようになりました。

実際に、今まで人時売上高が高くなれば店舗利益は上がるが、一方で高すぎるとスタッフの疲弊感も高まりかねない、といった意味をよく理解できていなかった店長も、「今日は人時売上高が高くついたので人が辞めちゃうかもしれないですね」と冗談を言えるくらい理解できています。座学でのセミナーではここまで理解は進まなかった気がします。

また、飲食業未経験や店長初体験のスタッフだと、「スタッフが急に辞める・人手が足りない」などのトラブルに関して、自分だけが抱えている問題だと思ってしまいがちです。しかし、スタッフ問題は飲食業界でよくあることなのだということや、それをどう解決していくのかを楽しく学べることで、前向きに取り組もうという気持ちが生まれたようです。

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お話をお伺いした、常務取締役 森 朝奈氏


現場のストレスを把握し、管理するための「人時売上高」

――人時売上高を重視されているのはなぜでしょうか?

森氏:弊社が運営する飲食店が3店舗になったときから、現場の様子がわからなくなってきました。売上報告は受けますし、日報などで毎日の忙しさは感覚的にわかりますが、人手不足など人手に対するストレスが把握できなくなっていたのです。

ある日、急に店長から「キツイから辞めたい」と言われて、はじめてそのストレスを会社として追えていなかったということがわかりました。そこで、少しでもそこを追える数値がないか探した結果、人時売上高に行き着きました。

ただ、経営側の目線ではとても大事なデータですが、現場で働くスタッフにとっては重要度が伝わりにくい数字です。店長だけなく、店舗で働くスタッフにとっても「なんとなくやっている業務」から「きちんと目的を理解して行う業務」へと短期間で変化したことは、レストランマネジメントゲームの効果だと思います。

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店舗全体の数字や計画を、客観的に見る目が養われた

――実際にレストランマネジメントゲームに参加した感想を教えてください。

中森氏:初対面の人たちとチームを組んだので、最初は少し戸惑いました。ただ、日々の業務で、中長期的な店舗計画を立てて実際に数字を出し、損益計算書を使った振り返りまでするという機会はなかったので、ゲームでそこを一通り経験することで店舗全体のことを客観的に見られるようになれたことが良かったです。

ゲーム中は、「ゴキブリが出た」とか「スタッフのランクが下がった」など、マイナス要素のあるカードをたくさん引いて大変でしたが、最終的にはなんとか良い点数で終わりました。良い要素ばかり引けないのは実際の現場でも同じなので、とても参考になりました。

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お話をお伺いした、飲食事業部・魚料理とすし下の一色 グローバルゲート店 店長 中森 拓氏


――現場で活かせるようになったことはありますか?

一番参考になったのは、長期計画を立て、そのなかで毎月の目標を決めて日々営業をするという体験です。忙しいときほど目的を見落としがちですが、毎月コンスタントに目標に向かっていくことの大切さを改めて感じました。

レストランマネジメントゲームを通して、スタッフの育成、採用人数や販促など、中長期的な視点で目標を定めていくことができ、人時売上高についても繁忙期を見据えて設計ができるようになりました。

例えば、販促についてもスタッフという地盤が固まっていないうちに、「販促カード」を使うと、結局コストに見合わない結果になってしまうなど、実際の店舗と同じだなと思いました。また、本部に毎日人時売上高を報告している目的や背景がわかり、納得感が高まりました。

レストランマネジメントゲームは、店長として必要な情報を一気に吸収することができ、翌日から実践できるとてもいい研修ツールです。

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