株式会社イートファクトリーホールディングス

SVナビ活用により、既存店を支える仕組みを構築 人不足時代に多店舗展開を加速させる秘訣とは?

株式会社イートファクトリーホールディングス

文/湯瀬 圭祐
※記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは取材当時のものです。

人手不足が叫ばれて久しい飲食業界において、直営店のみならずFC展開も順調にその数を伸ばす株式会社イートファクトリーホールディングス。2019年度末までに、6店舗の出店が決まり、84店舗体制となる。さらに、2020年12月末までには出店数100店舗をその視野に捉えるなど成長著しい。また業績も堅調で、2019年10月大阪にオープンした 吹田樫切山店は、最寄り駅から徒歩20分、32坪、家賃35万円の立地に関わらずオープン初月で1,000万円以上の売上を獲得、今後に向けて都市圏内や駅近立地だけではなく、地方都市、ローカル立地での展開にも手ごたえを感じている。あえて時代に逆行する非効率経営での成功ポイントについて、代表取締役 山口功氏に伺った。

徹底的な逆張り経営

今の時代に多店舗展開を加速させることは、様々な苦労はあります。特に、弊社の主力業態である「満マル」については、多くのお客様に末永く愛される業態になることを目指し、グランドメニューを約200品目設置し、季節ごとにおすすめメニューも更新し、手作りを大事にしながらも、低単価をウリにしており、時代には敢えて逆行した「徹底的な逆張り経営」を進めています。そのため、満マルは基本的には業態寿命がなく、長く営業すればするほど売り上げのベースが上がっていき、オープン10年で最高月商を更新するお店もあるのですが、その分ハードルもたくさんあります。

一番その影響を受けやすいのは、既存店です。新規出店を加速することで、本部のパワーの大半を新店オープンに使わねばならず、本部から既存店へのサポートが弱くなってしまいます。それをカバーする戦略として、既存店・加盟店様のサポート・指導をメインとするSVを各エリアに配置し、サポート業務を進めてもらっていますが、時代の逆風から発生する様々な問題が、現場の店長と、店長をサポートするSVに集中し、負荷が大きくかかってしまっているのも事実です。

満マルはグランドメニューが200種類、さらに月替わりメニューもある


SVナビ活用によるSVパフォーマンス向上

既存店の現場を支え、問題解決を進めていくのは、当然店長だと思います。しかし、時代の変化によって週5~6日シフトインしてくれるキャスト(パート・アルバイト)の数が激減し、人不足が進んでいることに加え、出店戦略の加速により、加盟店様も含めて、十分な経験を持つ店長を全店に配置することが難しい環境にあります。そうなると、店長業務が、店舗の経営者としての業務ではなく、店舗のトッププレーヤーとしての業務に偏ってしまい、既存店の問題解決を進められなくなってしまいます。そこをSVがサポートする形にしたいのですが、SVも現場の人不足の煽りを受けて、通常のSV業務に加えて、社員の休み回しのサポートや、ヘルプ等、店長と同じく現場のトッププレーヤー化してしまう事象が増えています。

本来は、SVの作業の時間を最小化し、現場に関わる時間を最大化することがベストかと思いますが、このような状況では、現場の改善が進まず、既存店のパワーがジリジリと減少してしまうのではないかという危機感を強く抱き、SVの生産性・パフォーマンスを飛躍的に高めるための方法論を模索しはじめました。

全社の教育体系を整備し、マインドアップを仕掛け、仕組みやルールを変えることで、だいぶ改善が進んできました。しかし、どうしてもSVの臨店チェック(インスペクションシートというシートによるチェック)だけはアナログ状態のまま残っており、「紙ベースでチェックして、指摘して、終わり」という状況で、この部分をブラッシュアップできれば、SVが現場に「サポーター」として関わる時間を増やすことが可能になり、改善にパワーをより多く使うことができると考えました。

そのようなときに、ミステリーショッピングリサーチで利用していたMS&ConsultingさんのMSナビの使い勝手が良いという声を聞き、このシステムをSVの臨店チェックに応用出来ないかと相談をさせていただいた結果生まれたのが、このSVナビです。


SVナビの導入により、過去を捨てずに改善を積み上げられる

SVナビには多くのメリットがあると思いますが、私が一番に感じているのは、「過去を捨てずに改善を積み上げられる」ことです。紙ベースのチェックですと、SVが臨店してチェックをする際に、今起きていることはチェックできるのですが、裏を返すと、今起きていることしか改善できないことになります。従来の紙ベースのチェックでは、前回はどうだったのか?前々回はどうだったのか?という点は曖昧になってしまいます。チェック結果を記した紙はスキャンして保管をしていますが、過去のデータを探すのがとても大変です。SVも忙しく仕事をしていますので、過去データを探す作業に時間がかかると、面倒でどうしても見なくなってしまう。そうすると過去を捨てて、今の改善ばかりをすることになる。この状況では、改善が積みあがらないので、私の中では、振り出しに戻るのと一緒だと思っています。

その点、SVナビは手間をかけずに、過去のデータを容易に検索することができるので、改善を積み重ねていくことが可能になります。これは、非常に大きなメリットです。

また全店舗の中で、自分の担当店舗のランクや状況が一目でわかるので、SVの時間を効率的に使うことができるのも、大きなメリットかと思います。客観的な評価でランク付けをした上で、低ランクの店舗が分かりますので、そのような店舗にはSVが直接現場に入り込み、問題解決にスピーディに取り組むことができます。さらに、本部から必ず伝えなければいけない伝達事項などを最初にアナウンスできる欄を設けることで、情報の抜け漏れ等も減らせると考えています。

今後は、その流れをさらに発展させて、SVナビにおけるスコアの改善度や平均などの軸をSVの評価制度に組み込むことも検討しています。

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今後に向けて

弊社は、2019年6月にホールディングス制に移行し、さらなる成長に向けた一歩を踏み出しました。その理由としては、「新しいチャレンジを形にし、想いを実現するための変化」が必要だと考えたからです。今後は、満マルに加えて、新しい業態開発へのチャレンジをスタートします。「社長を10人輩出する!」という想いで創業しておりますので、その想いを実現し、さらなる成長を続けるために、今後は業態ごとの事業会社を生み出し、「単一業態で100店舗展開可能な事業会社」を10社創り、10人の社長輩出を必ず現実のものにしたいと思っています。

主力業態の満マルについては、今後も国内では共に成長いただけるパートナー様を募り、都市部に加えて、地方、ローカル、ロードサイド等への出店を加速していきたいと思います。ご興味がおありの方がいらっしゃったら、是非ともお声がけ下さい!

加えて、満マルについては、ベトナム、フィリピンと海外進出を果たし、おかげさまでそれぞれ繁盛しています。東南アジアを皮切りに、「マーケットとしてこれから成長しそうなエリア」を見出し、出店を加速していきたいと考えております。


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