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モティベーション組織の作り方。 「リピートがない」と言われるブライダル産業で CS向上に取り組む理由

株式会社ノバレーゼ

東京都港区麻布台1-7-2 神谷町サンケイビル3F

会社ウェブサイト:http://www.novarese.co.jp/


『季刊MS&コンサルティング 2009年冬号』掲載
取材:砺波敬之、文:西山博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。

結婚式・披露宴といったブライダルイベントの総合的なプロデュース・運営事業を行うと同時に、レストラン・ホテル事業を営むノバレーゼは、スタッフの高いモティベーションに支えられ、両事業とも高い顧客満足度を獲得、2000年の創業以来、右肩上がりの急成長を遂げている。代表取締役社長の浅田剛治氏に、顧客満足(CS)と従業員満足(ES)実現に向けての取り組みと考え方について、お話を伺った。

「リピートがない」と言われるブライダル業界にあって、CSを重視する理由は何なのでしょうか。

そもそも、なぜブライダル産業がCSを、もっと言えば当日のサービスや料理といった面を疎かにしてしまうかというと、それらが結婚式場を選ぶ上での決め手とはならないことが多いからです。結婚式を一つの商品と考えると、式場と日取りが決まった時点で営業案件としては終了しているわけで、式当日は「こなしておけば良い」という考え方が、業界に蔓延してしまっている傾向にあります。

でも私は、「ブライダルはリピートがない」というのが嘘だと思います。厳密に言えばリピートとは言わないかもしれませんが、弊社の場合ですと、一つの式場あたり年間で1万人をはるかに超える方々がご利用になられます。1万人の口コミというのは、ものすごい力になりますよね。そのように考えると、ブライダルに携わる人間として、当日来られる方全員に満足して頂きたい、感動して頂きたいという気持ちはごく当然だと思います。そのような精神論抜きに純粋に商売という観点から考えても、CSの追求は大変重要なことになってきます。

また、私がCSを重視するもう一つの理由は、スタッフに楽しく働いて欲しいという気持ちがあるからです。「こなす」という感覚で式をやっているようなところは、働いている人が少しも楽しそうではありません。同じことの繰り返しであれば、つまらなく感じるのは当たり前ですよね。私は、それは嫌なのです。自分の会社は、スタッフが楽しく働ける、仕事にやりがいを感じられる、そんな場所にしたいという想いがありますから、そのためにもCSの追求というのは重要な役割を担っています。

代表取締役社長 浅田剛治氏


地域の人に愛されるということも、CSの一つの形

レストランウェディングは市場に浸透してきましたが、ブライダル会社がレストラン事業を展開されるのは珍しいように思います。それは、CSやESを重視する御社の考え方に根ざしているのでしょうか?

そうですね。レストラン事業を始めた一つの狙いは、料理人の意識を高めることによって、ブライダルの料理のクオリティの維持・向上を図ろうということです。

「料理を作って提供する」という点で、レストランもブライダルも違いがないように思われるかもしれませんが、「料理人」と「料理を召し上がる方」の関係を考えると、両者は全くの別物です。レストランに来られる方は、その店で食べたい、この料理を食べたいという理由があるから来られるわけですが、結婚式に来られる方は、新郎様・新婦様に招待されたから来たというだけで、変な言い方になりますが、店にも料理にも何の期待もないわけです。そういう、お客様から何も期待されず、決められたものをひたすら大量生産するだけという状況に置かれると、料理人は努力をしなくなります。結婚式の料理がまずいというのは定説になってしまっていますが、その原因はこういう部分にもあるのだと思います。ですから、それなら平日はレストランとして営業して、料理人としての腕と感性を磨こう、そしてそれをブライダルの料理にフィードバックしていこうというのが、弊社がレストラン事業を始めた背景の一つとしてあります。

またもう一つには、レストランとして施設を開放することによって、地域の方にも広くご利用いただけるようにしたいという狙いがあります。近隣の方にしてみれば、土日になると人がたくさん押し掛けくるわ、鐘はガンガン鳴らすわと、ご迷惑をおかけしている点もあるのではないかと思います。地域の人に愛されるということもCSの一つの形かと思い、少しでも地域に還元できるようなことをしていきたいと常々考えておりましたので、レストランというのはその一つの答えとなるのではないかと。


今後少子化が進むことによってブライダル産業は厳しくなると言われていますが、従来のようなCS無視のやり方をしていては、結婚される方が減るという以前に、結婚式を挙げる人が減ってしまいます。お一人おひとりのお客様を大切にして、「『結婚式なんて』と思っていたけれど、友達の式に参加してみたら素敵だった。私も式をしようかな」という人を増やしていく、結局はそういう地道なことが、産業全体の活性化という点でも一番大切なのではないかと思います。


モティベーション組織への取り組み。社内文化を醸成し、スタッフに楽しく働いてもらうために…

ノバレーゼでは、スタッフのモティベーションを高めるために、創業からいち早く理念の言語化を行った。また、それを刷り合わせる機会を至る所に設け、社内文化の醸成に力を入れている。「モティベーションに溢れた組織を実現するためには、会社のアイデンティティを示し、心を掴む仕組みを作り、継続して刺激を与え続けることが大事です」と浅田社長は語る。

また、社内文化を醸成し、スタッフに楽しく働いてもらうための仕組みとして、様々な取り組みを行っている。その中心的な役割を担っているのが、同社の創業以来毎年4月に開催されている、「ノバスポ(ノバレーゼエキスポの略)」と呼ばれる社員総会である。このイベントでは、全国の600人を超える同社のスタッフが一堂に会し、年間MVPの表彰や、新入社員紹介、トップによるスピーチ、出し物など、二日間をかけて様々なプログラムが開催される。

普段はブライダルやレストランといった場でエレガントなサービスを提供しているスタッフたちだが、この日ばかりは羽目を外し、カジュアルな雰囲気の中でイベントを楽しんでいる。もちろん、ただ皆で集まって楽しむのだけが目的ではなく、スタッフはこれらのプログラムへの参加を通じて、会社のビジョンへの理解を深め、また帰属意識や仲間意識を高めていく。

また、「ノバスポ」以外にも、スタッフに元気を与えるというコンセプトで編集されている月刊の社内報「ノバビタ(ノバレーゼビタミンの略)」など、「ノバ」をキーワードとした社内イベント、ツールを企画し、継続して実行することで、文化の共有を深めている。(下表:モティベーション組織作りのツール)

店舗スタッフにとって一番の励みになっているのが、「お客様の声」である。ブライダル部門では、結婚式に参加された方(新郎・新婦ではなく、招待客)へのアンケートを行っており、全11店舗で合計約2200件/月を超えるイベントが行われる中、毎月約200通の葉書が送られてくる。同時に、高級業態のためにアンケートを取りにくいレストラン部門では、MSRを導入することで「お客様の声」を積極的に集めている。本部からのフィードバックでは、どうしてもできていない部分に視点が偏りがちであるが、MSRでお客様の視点からご指摘とともにお褒めの言葉をいただくことが、店舗スタッフにとって一番の励みとなっている。


モティベーション組織作りのツール

ノバスピ
ノバレーゼスピリットの略。
ノバレーゼスタッフが働く上で大切にし、共鳴し合う精神のこと。
ノバスポ
社員総会(ノバレーゼエキスポの略)のこと。
スタッフ一同が毎年4月に集結し、
様々なプログラムを通じて帰属意識を高める
(年間MVPの表彰、新入社員紹介、
トップによるスピーチ、出し物などを二日間かけて繰り広げる)。
創業時からの伝統行事であり、
一大イベントとしてスタッフの期待も大きい。
ノバT
ノバスポで配られるノバレーゼTシャツ。
クリエイティブスタッフがデザインし、
一人一枚好きなデザインを選べる。
ノバスポ開催中及び、
社内で集まるイベント時などには欠かせないアイテムの一つとなっている。
ノバビタ
ノバレーゼ社内報のネーミング。
ノバレーゼビタミンの略で、
スタッフに元気を与えるというコンセプトのもと、
正社員からアルバイトまで、
月に一度、一人一冊発行される。
週ノバ
Weekly NOVARESEの略。
週に一度営業成績を速報として知らせるネットツール。
ランキング形式となっており、
成績優秀者は顔が掲載されるため、
スタッフの大きなモティベーションとなっている。


■担当コンサルタントが語る この企業はここが凄い
株式会社MS&Consulting 砺波敬之

ノバレーゼ様の強みは、商品力、業態力などありますが、最も素晴らしいと思う点は、人財育成です。また、モティベーションを上げるための施策は本ページで紹介したとおりですが、売上を拡大させるためのプランナーの営業力強化にも余念がありません。プランナーの属人性に任せるのではなく、すべてのプランナーのレベルを上げるための仕組みが整っています。例えば、お客様に向けたスタイルブックというものがあります。このブックを読めば、ご契約の際にお客様が不安に思う事柄をすべて解決できるようになっているのです。個々の能力だけに頼らず、会社全体としてどのように成果を出していくのかという仕組み作りが大変素晴らしい企業様です。


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