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株式会社チョイスホテルズジャパン(ホテル運営)

「強みを伸ばす」HERBプログラムの導入で
スタッフのモチベーションが大きく向上

株式会社チョイスホテルズジャパン(ホテル運営)

株式会社チョイスホテルズジャパン

東京都中央区日本橋馬喰町1-6-6 吉野第二ビル7階

会社ウェブサイト:http://www.choice-hotels.jp/

『季刊MS&コンサルティング 2015年秋号』掲載
取材:砺波 敬之
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
米国チョイスホテルズインターナショナル社のマスターパートナーとして、日本全国に「コンフォートホテル」50店舗を展開する、株式会社チョイスホテルズジャパン。2012年からトレーニング課を発足して顧客満足度の向上に取り組むも、それまでのマニュアル重視の発想から抜け出せなかったという同社だが、ミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)を軸とした顧客満足度(CS)・従業員満足度(ES)向上プログラム「HERBプログラム」の導入により、ボトムアップでの改善風土が根付き、スタッフのモチベーションや各種CS指標が向上したという。代表取締役社長の村木氏、フランチャイズサービス部の舘氏、洞ケ瀬氏にお話を伺った。

御社のCS向上の取り組みの歴史を教えて下さい。

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右から、代表取締役社長の村木氏、フランチャイズサービス部舘氏、洞ヶ瀬氏

村木社長 弊社では、かなり早くからCS向上の取り組みを始めています。もっとも最初は紙のアンケートに良かったこと悪かったことをお客さまに書いてもらって、それを読んで一喜一憂しているというレベルでしたが、それは統計的ではないということで、2000年くらいからは楽天トラベルの口コミを活用するようになりました。口コミを集めて社内にフィードバックし、お客さまにもきちんと返信をするという体制を整えたのです。そうした取り組みの効果もあってか、J.D.パワーの宿泊客満足度調査ランキングでは2009年に1位を獲得することができました。

ただ、ちょうどその前後から他チェーンとの競争も一層激しくなり、またリーマンショックもあって、新たな投資はしづらい時期を迎えていました。そういった背景の中で変動型料金にしたところ、稼動率は目標値を達成する水準にまで引き上げることができましたが、やはり単価が下がってしまいましたので、2012年に再度、単価重視の方針に切り替えました。

そして、単価を上げるためにはそれに見合う付加価値を提供できなければならないということで、2012年にスタッフの接客レベル向上を目的としたトレーニング課を立ち上げました。また、楽天トラベルやじゃらんネットといったサイトには、口コミだけでなく評価点数もありましたので、そうしたデータの活用もスタートしました。専任の担当者をつけ、web上の口コミをテキストマイニングで解析し、それらのデータに基づいてCS向上活動を行ったのです。それと同時に古い施設のリニューアルも行い、ハード・ソフトの両面から取り組みを進めていきました。

CSの指標として、楽天トラベルやじゃらんネットの口コミ、宿泊客からのアンケート、弊社のMSRなどがありますが、どのような使い分けをされていますか?

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コンフォートホテルが考える「快眠」を実現するコンセプトルーム「ひつじルーム」には、寝つきから目覚めまで快眠を考えたアイテムが満載(※一部のホテル限定で導入

洞ヶ瀬氏 改善活動という面においては、御社のMSRと、弊社で独自に開発したwebアンケートの二つを用いています。その理由としては、両者とも非常に改善活動に活かしやすいためです。MSRのレポートはとても細かいところまでコメントをいただくことができ、またwebアンケートについても外に開示されず、お客さまから我々に直接届くルートであるためか、良いところも悪いところも率直に書いてくださっている印象があります。楽天トラベルやJ.D.パワーの評価は、改善に活用するというよりは結果指標として使っています。

CS向上に向けての、具体的な施策や取り組みについて教えてください。

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お客さまの声を取り入れ、寝具メーカーと共同開発した仰向け寝にも横向き寝にも対応したピロー。

舘氏 大きな取り組みとしては、毎年1回の客室品質審査があります。合格ラインを設け、そのラインに達していないところについては、指摘事項に対してどのように改善に取り組むのか具体的なアクションプランを立ててもらい、再度訪問してそれができているかを確認するところまで行っています。2004年から実施していますが、回を重ねるごとにレベルが上がっていますので、当初は審査訪問日を事前に伝えた上で実施していましたが、今は抜き打ちでやるようになりました。

細かなところでは、たとえばピロースケールというものを作りました。当社は眠りを大切にしておりますが、どれだけ良い枕でも、何度も使っていくうちに劣化しますので「枕がこれより薄くなっていたら、買い替えて下さい」という目安の物差しです。そういった日々の細かなメンテナンスも、CS向上においては重要だと考えています。

あとは、清掃担当スタッフのモチベーション向上のための取り組みも行っています。この部分で、御社のHERBプログラムの考え方が大変役に立っています。当ホテルでは「翌朝 あなたが輝く。」をブランドコンセプトとして掲げているのですが、この「あなた」というのは、お客さまだけでなく、従業員・スタッフまで含まれるのだということを常に言っております。接客も清掃も、サービスというのは目に見えない分、それを行うスタッフの「気持ちのあり方」が結果に大きく影響します。「ホテルをもっとよくしたい」「あと少し何かできないか」という気持ちの原動力として、スタッフのモチベーションは欠かせないものです。

清掃状況はホテルのCSに大きく関わるところですが、その部分でもスタッフのESは非常に重要な意味を持っているということですね。フロントの接客についてはいかがですか?

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ブランドブックには快眠サポートからホスピタリティまで同社が大切にしている思いを記載。

舘氏 フロントの接客でも、もちろんスタッフのモチベーションは非常に重要だと実感しています。

2012年にトレーニング課が発足した当初は、悪い点を直す、つまりマイナスをゼロに戻すことを重視した取り組みをしていたのですが、これではスタッフのモチベーションが下がってしまうということで、良い点を共有して、水平展開していこうという方針に切り替えました。

ただ、方針転換後もなかなか現場に考え方が浸透せず、苦労していました。意識変革のきっかけとなったのは、2013年に導入したMSRです。調査と同時に、スタッフ向けにMSRのレポートを活用するための研修をしていただいたのですが、この研修を通じてスタッフの意識がプラス思考へと大きく変わりました。細かいことですが、MSRのレポートの読み方の研修でも「悪かったところ」ではなく「惜しかったところ」という表現をされていて、そういう部分がすごく為になりました。「輝いているスタッフ」もすごくモチベーションが上がりました。

そうしたこともあり、昨年、フロントでのCS向上の取り組みのスローガンとして「Be Comfort☆」を発表しました。この言葉には、「してはいけないこと」に着目したマニュアル重視の接客ではなく、「お客さまからのご要望には、基本的にYESで答えましょう」、「して差し上げられることは、していきましょう」といったような、プラス思考での接客に切り替えていこうという意味を込めています。

これらの取り組みによって何が一番変わりましたか?

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Be Comfort☆メールマガジンは、全店に寄せられたお客さまの声(特にお客さまが喜んでくださったポイント)を掲載し、それをヒントにスタッフの接客応対能力を向上させることを目的に毎月発行している。

洞ヶ瀬氏 今まではあまり目立たなかったスタッフがどんどん表舞台に出てくるようになり、埋もれていた才能にスポットライトが当たるようになってきたと感じています。たとえば、お客さまに喜んでいただけた事例などを書き込んでもらう「Be Comfort☆掲示板」というのがあるのですが、おとなしくて率先して何かをやるようなタイプではないと思っていたスタッフが、ものすごく積極的に良い事例をたくさん書き込んでくれたり、絶対に出てもらえないだろうと思っていたベテランのスタッフが、社内のロールプレイングコンテストであるS1グランプリに出場して、積極的に盛り上げてくれたり。

舘氏 ボトムアップの風土が根付いてきたように感じます。「Be Comfort☆」を発表したときも、最初は店長やベテランのスタッフほど抵抗感があったのですが、若手やアルバイトスタッフは、割とすんなりと受け入れていたように思います。そうしたスタッフが積極的に活動してくれたからこそ、「Be Comfort☆」も浸透したのだと感じています。

ボトムアップの弊害として、収拾がつかなくなるようことはありませんか?

v178-03舘氏 そういうことがないよう、「Be Comfort☆」を発表するにあたっては4つのガイドラインを設けています。このガイドラインに抵触しそうな活動があれば、そのスタッフに直接伝えたり、上長を通じて理解をしてもらっています。

まだESの取り組みが十分ではないホテル業界の中で、御社はかなり先進的な取り組みをなさっていますね。

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ホスピタリティ研修の様子。CS担当向けにMSRを活用した接客の改善活動に関する集合型研修を実施(年4回、全国4ヶ所開催)。他に、フロントスタッフによる接客ロールプレイングコンテストなどを行っている。

舘氏 研修やトレーニングを通じて、本部と現場のスタッフの間に信頼関係が出来つつあり、スタッフのやる気と取り組み方が以前とは全く違っています。こういう差を見るとESは本当に重要だと感じます。また、こうしたスタッフの姿勢の差はCSの評価にもつながってくると思います。実際、楽天トラベルのサービス評価、そしてMSRのレポートの点数も、安定して上がってきています。

村木社長 私どものホテルの展開は、店舗間の距離が離れているので、組織が膠着しやすいという面があります。こうした組織を活性化するための手法として、ボトムアップ型の改善活動が求められるだろうと考えていて、その原動力としてスタッフのモチベーションというのは重要だと思います。

また、やはりスタッフの定着率が低い業界でもあり、これから労働人口が減少していくことなどを考えても、スタッフのモチベーション、やりがいというのは非常に重要な要素の一つです。そのために、今後はより多様な働き方ができるように変えていかなければならないと思っています。

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