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城山観光株式会社(ホテル業態)

城山観光ホテルのCS改善運動

城山観光株式会社(ホテル業態)

城山観光株式会社

鹿児島県鹿児島市 新照院町41-1

会社ウェブサイト:http://www.shiroyama-g.co.jp/

『季刊MS&コンサルティング 2011年冬号』掲載
取材:有賀 誠・文:西山 博貢
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
城山観光株式会社は、2009年5月からミステリーショッピングリサーチ(以下、MSR)を使ったCS改善活動に取り組んでいる。改善活動の内容について、フロント、ブライダル、レストラン、ホテル経営、それぞれの立場からインタビューにお答え頂いた。

フロント担当の東園桂様:MSRを導入された後の状況を教えて下さい。

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1963年に開業した城山観光ホテル。2011年3月の九州新幹線全線開通を控え、サービス向上にも力が入る。

MSRを導入して約2年を迎えますが、実際我々フロントスタッフが「ここには自信がある」とか「ここは弱いな」と思っていた強みや弱みを同じようにお客様も感じていることが分かり、改善の方向性に自信が持てるようになりました。

一方で、お客様からの改善点を見ると、「景観や眺望がもう少し良い部屋だと良かった」というところがトップで、良かった点を見ると、朝食会場や温泉がトップにきます。これらはどちらもハード面で、自分達の接客にあまり関心を持たれていないということでもあります。自分達の接客が良いということを一番に挙げてもらえていないということを課題に感じています。そこを少しでも改善しようということで、ホテル全体でCS向上委員会というチームをつくりました。今取り組んでいるのは、キャンペーンなどを企画し、お客様満足に向けて頑張っているスタッフを表彰するというものです。

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フロント担当の東園桂様

例えば、「従業員同士の挨拶なくしてお客様への自然な接客・挨拶はできない」をキャッチフレーズとして掲げる「挨拶キャンペーン」。自分のテリトリーのお客様には積極的に挨拶しますが、すれ違いざまのお客様には挨拶をしないということが見受けられますので、これの改善に取り組んでいます。他にも、入社2年、3年目の輝いているスタッフを表彰する「ルーキー賞」、新入社員に対する「ニューフェイス賞」、そして、皆が獲得に熱を上げている「サービス力賞」があります。お客様に対する接客や、収益性を考えたオペレーションの提案、会社の取り組みへの参画度などを総合的に評価する賞です。また、「CSコンペ」というイベントを12月に開催予定です(2010年11月インタビュー時点)。入社五年目までの従業員が部署の代表となり、お客様満足のための取り組みを幹部陣の前で発表するというものです。 「ファイブスター制度」というものもあります。総支配人宛てのアンケートが客室やレストランに置いてあるのですが、そこでお客様から名指しでお褒めの言葉があると、模範社員として制服に付けることができる「スターバッジ」という小さなバッジを部署長さん経由で渡します。年間を通して5つ以上集めた人にはその上のランクのバッジをあげるようにしています。これらの活動の、象徴的な成果として、お客様に対してだけでなく、従業員同士の挨拶が活発になってきたことに驚いています。

 

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フロント:お客様に名高い観光地を存分に味わって頂くため、フロント担当の約7割が「鹿児島検定」を取得。CS改善活動によって、スタッフ個人の接客レベル向上への意識がさらに高まってきたという。

MSRからはフロントの課題が色々と細かい点まで見えました。最初のお出迎えのところから、客室まで案内し、1日を過ごして頂き、夕食の説明、温泉、そして朝食までは良いことが多い。しかし、チェックアウトの対応にかなりバラツキがあることが分かりました。例えば、600名ほどのお客様が泊まられて、かつ、団体様の出発が朝の8時に同時に2本あるような時、お客様への感謝の気持ちよりも、「その方々をどんどんさばいていかなくてはならない」という気持ちが先に走り、ただ「ありがとうございました」と言うだけの、誰でもできるサービスになってしまっていました。そういう点は皆が個人差はあれども改善意識を持っている事が多く、ご指摘がきっかけとなって改善の動きが進んでいます。

例えば、先程の問題については、スタッフ全員が意識している「接客8大用語」というマニュアルに「今回のご滞在はいかがでしたでしょうか」「またお越し下さいませ」の2言を付け加え、7時半からの朝礼で徹底して習慣付けを行い、自然に言葉が出るような試みを始めました。

こうした配慮が行き届きにくいポイントをマニュアルによって規定し、さらに「お客様のご評価を伺う」という行為を加えることによって、必然的にお客様満足に意識が向かいます。お客様に指名されるようなレベルの接客を板につけていきたいですね。

ブライダル担当の上野由加里様:ブライダル運営において大切にされている事は何でしょうか。

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城山観光ホテルの創業と共に半世紀の歴史を持つウェディング。出産や子供の入学、金婚式など、ウェディングから始まる人生の様々なシーンに対応できることが強みだ。

新郎新婦の要望ばかりを聞くブライダルコーディネーターというのは、本当に満足のいく結婚式を演出することができません。例えば、新郎新婦のご要望を叶えてあげたいという気持ちは誰もが強く持っていますが、お二人の一番の喜びというのは、お二人だけの満足よりも、来てくれた人に「良かったね」と言ってもらうことです。そう考えると、お二人にとってのベストな対応は、お二人の理想を詳しく伺うと同時に、「ゲストとして招かれた立場ならどう感じるか」をあえて冷静に考えて頂けるようにすることであったりもするのです。

ブライダル運営は、まずブライダルコーディネーターがプランをつくった後、当日の式運営はほとんどの部分を宴会部やレストランを始めとした各部署の現場スタッフの方々にお願いしていますので、ゲストの気持ちを知るため、そして理想的なプランを実現するためには、スタッフ間の情報交換・意志疎通がとても重要です。

当然、多くの人が関わる分、仕事量もかなり多いので、単価アップや業務改善のスピードも大事になってきます。その為、それだけに意識が向きがちですが、「またここに戻って来られる場所でありたい」という気持ちを共有し、新郎新婦とゲストそれぞれの立場に立って考える事こそが、ブライダルに携わる者にとって必要であると思っています。MSRはそのための貴重なツールとして捉えています。