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「課題の把握」と「課題の深掘り」、両軸の評価を手に入れる 飲食店運営ツールを使いこなし効果的な店舗改善を実現

株式会社こえなびは、都内を中心に飲食店を69店舗展開している株式会社Globridgeのグループ会社。独自の飲食店向けリピート強化コンサルティングツール「こえなび」を提供しており、コロナ禍においても飲食店企業の業績改善に貢献している。今回は、「こえなび」と覆面調査「ミステリーショッピングリサーチ(以下、MS)」の導入例とそのメリットについて、代表取締役の矢熊陽平氏に話を伺った。

取材:砺波 敬之
※記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは取材当時のものです。


客層別アンケート結果及び注文データが店舗の改善につながる

––コロナ禍で一時的に落ちた売り上げが順調に回復しているそうですが、どのような取り組みをされていますか?

矢熊氏:多くの飲食店がそうだったように、1度目の緊急事態宣言の期間である2020年の4〜5月は打撃を受けましたが、それ以降は回復し、現在は店舗や業態にもよりますがだいたい前年売上対比90%ほどまでには回復しています。このように、比較的順調に回復ができたのは、「こえなび」という自社のツールを使ったリピート改善策が機能したからだと考えます。

「こえなび」は来店されたお客様にタブレットでアンケートを取るシステムで、日々の現場改善に役立てています。質問項目は、「紹介意思」を10段階、「料理の味やコストパフォーマンス」、「店舗の清潔感や雰囲気」、そして「接客について」など、5段階評価でお伺いしています。「紹介意思」項目で10点、9点の高評価を付けた方々の割合をターゲットロイヤリティスコア(以下、TL)と呼んでいます。(※図1)また、POSデータと連動させることができますので、どんな商品を注文した、どんな客数に対して、どんなサービスが満足度向上につながるのか?が分かります。

図1:アンケート画面とターゲットロイヤリティスコア

     


例えば、10代~30代までの若い女性グループが客層の6割を占めるお店で図2のデータが取れたとします。お店全体のTLが100点満点中75.9点に対して、最も客数構成比が高い20代の女性グループのTLが72.1点と若干低いため、この客層のTLを向上させることを目的とします。

まず、不満要因になりがちな提供スピード、接客サービス、雰囲気、清潔度の改善を図ります。30代のデート利用や男女グループはお店全体のTLよりも高いことから、提供スピードや接客サービス、特に接客サービスの改善が20代の女性グループには必要だということが分かります。

次に、どのメニューをどのくらい食べていただければ、TLが上がるのか、を模索していきます。図3は、20代女性グループの単価ごとのTL変化、図4は、「紹介意思」の点数ごとの注文した商品点数と構成比を示しています。3700円を超えたぐらいからTLは下がっていくことが分かります。

また、図4からカキフライではなく、生カキを食べていただいたほうが紹介意思は高まることが分かりますので、ファーストオーダーで生カキを注文していただく、あるいはカキを注文するのであれば、生カキを注文していただくようお勧めすることが重要であることが分かります。客単価が3700円を超えるとTLが下がってしまいますので、単価を上げないように一種類のカキだけを注文していただくこともポイントになります。

このように、どんな客層に、何をしたら良いのか?が分かりますし、取り組みが目に見える結果として現れるので、現場を仕切る店長にとって、うまく店舗マネジメントできる材料になっています。

図2:客層別ターゲットロイヤリティスコア


図3:20代女性グループの客単価別ターゲットロイヤリティスコア



図4:20代女性グループの紹介意思別注文商品一覧


飲食店向け集客改善ツール「こえなび」で客層の変化を分析

––こえなびがコロナ禍で役立った具体的な事例を教えてください。

矢熊氏:グループ会社であるGlobridgeが運営する「牡蠣海鮮料理 かき家 こだはる」の事例ですが、ここはもともと富裕層のサラリーマンをターゲットとした業態で営業をしていました。しかし、コロナ禍でサラリーマンのお客様の来店数が激減してしまい、なぜか本来のターゲットではなかったデート利用と女子会利用が増加したのです。

その結果、TLがガクンと下がりました。そもそも違う客層に向けて作っていた店ですから、価格帯やメニュー構成がニーズとマッチすることはありません。そのような結果が、こえなびを取り入れることによって数字として見えたのです。

これにより、我々としては一度そこで「方向転換するか」「メインターゲットは変えずにこのまま行くか」という経営判断を入れることができました。結果として、新しい若い層のお客様にも楽しんでいただけるように、価格がわかりやすい定額の女子会メニューを導入したり(写真①)、気軽に注文できるメニューをセレクトしてメニューブックを別で作成しお渡しするなどの取り組みを始め、無事お客様の満足度が上昇していきました。
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【 写真① 】



「MS」と「こえなび」の両軸活用し、スピーディーな情報共有が飲食店経営のポイント

––MSとこえなびの住み分けについてはどのようにお考えですか?

矢熊氏:こえなびは、「はい/いいえ」や選択肢から選べる質問が大半であるのに対して、MS&ConsultingさんのMSは、その場の状況や印象の理由までわかるコメント設問が多く、そこが大きく違うポイントだと考えています。具体的に言えば、こえなびでは味や接客が良かったかどうかの評価はわかりますが、MSのように「ここを改善して欲しい」という踏み込んだ改善ポイントは上がってきにくいです。

実際に、我々もGlobridgeの直営店ではこえなびと並行してMSを実施しています。これは、店舗の状況と結果を再確認し、お墨付きをもらうという意図があります。また、MSでは、お客様からのお褒めの声がコメントに書かれているので、現場スタッフのモチベーションアップにつながり、顧客志向を根付かせるために必要だと考えています。

現場での改善点、アクションプランは日々変化していくものであり、その部分はこえなびを利用して短期でPDCAを回していくという仕組みが必要ですが、一方、経営目線で見ると、そのこえなびのデータを客観的にジャッジできるものが欲しい。そのジャッジがMSの役割になると考えます。特に、コロナ禍の飲食店では比較的常連のお客様が多くなる傾向が見られるので、こえなびだけを用いていると相対的に評価が上がりやすくなり、経営判断としては材料不足を感じるでしょう。

現場のPDCAを回しつつ、しっかりと経営判断もできるよう、こえなびとMSは常に両軸で考えておくのが大切ですね。


【 参考図 】


––スピーディーな改善促進のために、情報共有として、店舗ビジネスに特化したコミュニケーションツール「tenpoketトーク」を利用されているそうですが、どのように活用されていますか?

矢熊氏:MSとこえなびで取得した数値や結果を改善促進のために「tenpoketトーク」で、アルバイトも含めたスタッフ全員に共有しています。現場でのスピーディーな情報共有は店舗運営で必須です。MSやこえなびを通じて明らかになった店舗の改善点や分析の結果は、「tenpoketトーク」を使うことで一元化できます。スピーディーにスタッフ全員に情報共有でき、それによって改善スピードのアップにもつながります。

また、当社の場合、直営以外にVR事業(バーチャルレストラン:UBERなどのデリバリー専門FC業態)を運営しておりますので、全国の店舗への一括連絡・情報収集を円滑に行うには欠かせないツールだと考えております。EメールやLINEですと無料ですが業務マネジメントには向かないですし、トークノートやサイボウズ等の他社ツールですとアルバイトさんまで巻き込んだ業務マネジメントをするには費用が掛かり過ぎてしまいますからね。

現場では短期間でPDCAを回す必要があるため、MSとこえなびの両軸活用、そしてこのスピーディーな情報共有の仕組みこそが店舗改善の鍵となるのではないかと考えています。


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