HOME > 導入事例 > 株式会社OHANA(居酒屋業態)
株式会社OHANA(居酒屋業態)

居酒屋甲子園優勝店舗の舞台裏 最強チームが出来るまで

株式会社OHANA(居酒屋業態)

株式会社OHANA

愛知県半田市有楽町5-216-3 苺マンション1F中号室

『季刊MS&コンサルティング 2010年冬号』掲載
取材・文:藤平吉郎、居酒屋甲子園写真提供:居酒屋甲子園事務局
※記載されている会社概要や役職名などは、インタビュー(掲載)当時のものです。ご了承ください。
愛知県を基盤に居酒屋など6店舗を展開する株式会社OHANA。「元気と感動と幸せ」を企業理念に、レベルの高い顧客満足(CS)と従業員満足(ES)を実現している。その成長の足跡と、強さの秘密を探った。

独創的な料理と接客で圧倒的な差別化を実現

松田真輔氏

松田真輔氏

愛知県南知多町出身の松田真輔氏が1号店の創作和洋ダイニングOHANAを刈谷市にオープンしたのは2005 年。出店に当たり、半年間、平日と週末の同じ時間帯に周辺の飲食店で食事し、客層などを綿密にリサーチした。「ターゲットを明確にして、どんな店造りが良 いのか、さらにどんな料理や接客が良いのかについても事前にイメージし、開店する前に完璧に近いものが出来ていました」と松田氏。

工業高校の建築学科で学んでいたため、自ら内外装を設計。ハワイのウェルカムな姿勢や温かさが好きだったため、「ハワイと和を融合させた非日常の空間」をコンセプトに、天井などにヤシの葉やバナナの皮をあしらうなどして独特なムードに仕上げた。

v63-02料理は、飲食店で商品開発を担当した経験を活かし、具体的な料理のデッサンを描いた。「五感で感じてもらう、つ まり、お客様が最初に見た時の驚きや、食べて喜んでいる表情などを想像して考案」(松田氏)した和洋折衷、四季折々の創作メニュー。また、「食べたいなと 思わせるネーミングも大事」だと考え、「厚切りベーコンとほうれん草の元気が出るサラダ、これ食べたらポパイになっちゃいます。注:オリーブは入っていま せん」580円などメニュー名もユニークだ。

さらに独創的なのが、0円メニュー。「激レア!炎の大将のテーブルマジック(要予約)」0円、「本部長モッチの 恋愛相談」など。松田氏は、「個性のあるお店を作りたかった。それに、ご来店からお見送りまでの間、キッチンスタッフはもちろんのこと、ホールスタッフで もお客様に接する機会に限りがある。それを改善したかった。0円メニューがあることによって、お客様の方からコミュニケーションを取って頂ける回数を増や すことが狙い」と話す。

1年に1店ペースだがいずれも好調な立ち上がり

v63-03店舗は刈谷駅から歩いて数分だが、振り客(※)は少なく、飲食店としては不利な立地。しかし、他にはない店造り と、「気持ちを込めて料理を作り、その日に来店して頂いたお客様に全力を尽くす接客」(松田氏)が評判を呼び、口コミで常連客が増えていった。当初、月商 580万円の売上目標を立てたが、オープン後から現在までこの数字を下回ったことはなく、ピークの月商は850万円を叩き出す繁盛店に育った。

その後の店舗展開は、ほぼ1年に1店のペース。各店共に立ち上がりから目標売上を達成し、順調に業績を伸ばした。

※振り客:あらかじめその店に行くことを目的とせずに、通りすがりなどに来店する一般客のこと。

松田氏の辛い経験が理念とスピリッツとなる

v63-04OHANAの経営理念は、『元気と感動と幸せの販売・元気と感動と幸せの獲得』。松田氏は、「一言で言うと、お客様、スタッフ、業者様も含めて関わる人全ての幸せのために自分たちがあるということです」と語る。

それを実現させるのがザ・オハナ・スピリッツで、『夢と目標を持ち、志を高く持つべし』、『まず自分を信じて、信じぬくべし』など31項目ある。これらは、松田氏がこれまでの挫折や、苦しかったことなどを書き溜めていた言葉から生まれたものだ。

松田氏は、店を始める5年ほど前の23歳の頃、父親が大きな借金を抱え、家族がバラバラに。名古屋から田舎に戻り、父親と2人で暮らした。飲食店で働いたが、いずれ店を持ちたいという希望が萎みそうになったこともあった。

「それまでは、人に認められたいという、自分の目標の達成だけが望みでした。とても苦しい中で、何のために店を やりたいのか自分と向き合いました。その結果、これまで応援してくれたり、支えてくれた人のために店をやるんだ、そう気付きました。叶うかどうかは分かり ませんでしたが、唯一楽しかったのが、夢を描くこと。店名は、内装は、料理はと、ワクワクしている時がホッとできる時間でしたね。その時に出会った言葉が OHANAなんです。ハワイの原住民の言葉で、家族や仲間、愛する人という意味です」と松田氏は述懐する。

相手を知ることが大事と入口となる面接を重視

v63-05幸せや家族を軸にする松田氏は、仕組みづくりにおいて入口となる面接を重視する。「店の歯車の一つではなく、その人と関わったら一生付き合っていく覚悟で面接に臨む」と言う。面接にかける時間はアルバイトが2時間、社員で最長10時間だったこともある。

まず、相手を知ることから始める。家族構成を聞いたり、幼稚園時代の話まで聞いたりすることもあるなど、深いところにまで踏み込む。松田氏にその胸の内を開く。

「悩みを聞くと、ほとんどの人が答えを自分で持っているんです。こんな経験をして、こういう自分がいて、こう やったら良くなるということを頭で分かっている。でも、逃げたり、諦めたりしてそれができず、罪の意識があって苦しい。心を閉じて誰も分かってくれないと 思い込み、自分に矢印を向けている人がほとんど。私は、それを分かるよとその人に伝える。つまり、認めてあげることで、矢印を良い方向に向けたい」

なお、面接で落としたことはなく、また入社して欲しいと言ったこともない。最終的に決めるのは本人なので、やるかやらないかは自分で判断してもらう考えだ。そして面接の最後には、お互いが「一緒にやっていこう」という意思を共有するのだという。

面接に限らず、もう一つ大切にしているのが「支援すること」だ。

「相手の全てを肯定し受容する。見返りを求めないで自分から与える。こうしてお互いが理解し合えば、心がつながります。認めることと支援することの両方で、その人の本来の価値や可能性、いわば背骨を一緒になって見つけてあげたい」(松田氏)。

ヒーロー、ヒロインが誕生する毎月の大感動の研修>>