MS&Consultingでは、中堅・中小成長投資補助金(正式名称:中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金)の申請支援を行っています。ここでは「補助金の概要」「採択率向上のポイント」をご説明します。
<中堅・中小成長投資補助金(大規模成長投資補助金)とは?>
地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、大きく成長していくことを目指して行う「大規模投資」を促進する制度です。最新の工場新設や省力化設備の導入などを通じて生産性を高め、地方における「持続的な賃上げ」を実現することを目的としています。(参考:「中小・中堅成長投資補助金」公募要領)
補助上限額は最大50億円、補助率は1/3以下と、極めて強力な支援スケールとなっています。
事業拡大につながる幅広い投資が対象です。具体的には次のような経費区分があります 。
| 経費区分 | 詳細 |
| 建物費 | 店舗、事務所、生産・加工・販売施設、倉庫などの建設・増築・改修・中古取得費用 |
| 機械装置費 | 機械装置、工具・器具の購入、製作、借用(リース等)、据付け費用 |
| ソフトウェア費 | 専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、クラウドサービス利用費 |
| 外注費 | 必要な加工や設計、検査等の一部を外部委託する費用 |
| 専門家経費 | コンサルティング費用や技術指導料など専門家に支払う費用 |
※建物費、機械装置費、ソフトウェア費は、いずれも固定資産計上単位において「単価100万円(税抜)以上」のものが対象です。
※外注費と専門家経費の合計額は、上記3経費(建物費・機械装置費・ソフトウェア費)の合計額未満とする必要があります。
これらの経費は交付決定後に契約・発注し、補助事業期間内に支払いが完了したものに限り補助対象となります。交付決定前に発注したものや、補助事業期間を過ぎて支払ったものは対象外となるので注意が必要です。
本補助金は金額規模が大きく、期間にある程度の余裕をもって準備できることが望ましいです。期限までに電子申請システム(jGrants)から申請を完了する必要があるため、早めの準備・相談をおすすめします。
【公募スケジュール】
▼中小・中堅成長投資補助金(大規模成長投資補助金)の公募要綱や申請ページはこちら
中小・中堅成長投資補助金 専用サイト
本制度は大規模投資を促進する目的があるため、申請にあたっては以下2つの高い要件をクリアする必要があります。
専門家経費や外注費を除く、補助対象経費(建物費、機械装置費、ソフトウェア費等)だけで10億円以上(税抜)の投資規模が必要です。投資場所が複数地域になる場合も対象となりますが、事業の目的や内容が一体的であることが求められます。また、単独では難しい場合、要件を満たせば複数社でのコンソーシアム形式(共同申請)も可能です。
補助事業の終了後3年間の対象事業に関わる従業員(非常勤含む)および役員の1人当たり給与支給総額について、「年平均上昇率が4.5%以上」となる目標を掲げ、達成する必要があります。
「毎年4.5%も上げるのは厳しいのでは…」と感じるかもしれませんが、具体的に計算してみると、昨今の最低賃金の引き上げトレンド等も踏まえれば、決して非現実的な水準ではありません。本補助金の賃上げ対象には、正社員だけでなくパート・アルバイトの方も含まれます。(※パートタイム従業員については、正社員の就業時間に換算して人数を計算します)。目標にゆとりを持たせ、年平均5.0%の上昇を目指す場合の例を見てみましょう。
例:パート・アルバイト中心の職場の場合(フルタイム換算の平均給与200万円)基準年度の1人当たり給与が「200万円」だった場合、3年後の最終年度に「約231.5万円」になっていれば、年平均上昇率は約5.0%で要件クリアです。 (※計算式:月160時間労働と仮定{(231.5万円÷200万円)^(1/3)}-1≒5.0%)3年間かけて年間約31.5万円のアップ。月額換算で約8,750円(時給に換算すると約55円程度)の引き上げで十分に目指せる水準です。
中小・中堅成長投資補助金(大規模成長投資補助金)で採択されるためには、審査で高い評価を得る必要があります。ここでは採択率向上のために押さえておきたい5つのポイントを整理します。
中小・中堅成長投資補助金(大規模成長投資補助金)の最大の目的は、大規模投資による「労働生産性の抜本的な向上」と「持続的な賃上げ」です。単なる設備投資の計画ではなく、市場ニーズや競合分析に基づいた「他社が模倣困難なビジネスモデル」であることや、投資に対する費用対効果が高いことを定量的な根拠をもって示す必要があります。また、その投資が自社だけでなく、地域経済の成長や雇用の増加といった「地域への波及効果」をもたらすかどうかも重視されます。
審査では、主に以下の「5つの観点」が総合的に問われます。自社の計画がこれらを満たしているか、客観的かつ定量的な根拠をもって示す必要があります。
| ①経営力 社会課題や顧客ニーズを踏まえた「長期成長ビジョン」と、自社の強み・弱みを分析した上での論理的な事業戦略が構築されているか。また、目標達成に向けた経営管理体制や、現実的で適切な資金計画が組まれているかが問われます。 |
| ②先進性・成長性 競合他社と差別化された「他社が模倣困難なビジネスモデル」であるか。労働生産性の抜本的な向上により人手不足が改善され、市場規模の伸びを上回る持続的な売上成長が見込めるかが評価されます。 |
| ③地域への波及効果 投資により創出された利益を賃金として従業員へ還元する計画が具体的かつ妥当か。雇用の増加や地域企業への波及効果、取引先との連携による相乗効果など、社会的なインパクトが重視されます。 |
| ④大規模投資・費用対効果 自社の収益規模に応じたリスクを取った投資であるか。また、補助金額に対する付加価値の増加額など「費用対効果」が高く、企業の行動変容(一段上の成長を目指す姿勢)が示されているかが問われます。 |
| ⑤実現可能性 事業を適切に遂行できる財務状況(ローカルベンチマークの総合得点)や実施体制が整っているか。中長期の課題検証やスケジュールが妥当であり、明確な市場ニーズが存在するかが確認されます。 |
上記の基本審査に加え、以下の各種認定や宣言などを行うことで、審査において強力なプラス評価(加点)を得られます。自社で適用できるものがないか、必ずチェックしましょう。
| ・中小企業から中堅企業への移行宣言 現状は中小企業である事業者が、令和9年12月末までに中小企業の枠を超える(従業員数及び資本金の基準を超える)「中堅企業」へと成長する目標を掲げ、宣誓書を提出した場合の加点。 |
| ・金融機関との連携加点 金融機関から事業計画の妥当性について確認を受け、「金融機関による確認書」を提出した上で、2次審査(プレゼンテーション審査)に金融機関の担当者等が同席した場合の加点。 |
| ・地域経済・従業員還元に関する各種認定の取得 「えるぼし認定企業」「くるみん認定企業」「地域未来牽引企業」「パートナーシップ構築宣言登録企業」といった認定を取得している、または「地域経済牽引事業計画」の承認を得ている場合の加点。 |
| ・「地域企業経営人材マッチング促進事業」の活用 同事業を活用して採用した人材を、本補助事業の実施体制に含めている場合の加点。 |
本補助金の補助率は原則「1/3以下」ですが、申請時に「補助率1/4での採択も許容する」旨を明記することで、本来の採択基準のボーダーラインに満たない場合であっても、追加的に採択される可能性が広がります。投資計画の自己負担額とのバランスを見極めつつ、確実な採択を優先する場合の有効な戦略の一つとなります。
以上の観点を踏まえ、申請書類を作成する際には「経営者自身が描く明確な成長ストーリー」と「社会への貢献度」、「計画の実現性」をバランスよく盛り込むことが肝心です。審査基準を意識した訴求力のある事業計画を練り上げることで、採択率の向上が期待できます。
多くの企業様からのご相談を受ける中で、共通して疑問を持たれる質問がいくつか見受けられます。特に問い合わせの多いポイントをQ&A形式で7つピックアップし、誤解しやすい事項を整理しています。自社が応募要件を満たすか不安な方は、ぜひチェックしてみてください。
A.売上高に関する指定はありません。主な対象要件は「常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等(単体ベース)」であることです。みなし大企業や、農作物の生産自体など1次産業を主たる事業としている場合などを除き、幅広い中堅・中小企業が対象となります。
A.補助金の一部または全額の返還を求められます。持続的な賃上げを実現するという本制度の目的から、未達成率に応じて返還義務が生じます(天災等の事業者の責めに帰さない特段の事情を除く)。そのため、無理のない現実的かつ高い成長戦略を描くことが重要です。
A.はい、可能です。一定の要件を満たす場合、最大10社による「コンソーシアム形式」での共同申請が認められています。その場合、投資額5億円以上(税抜・専門家経費や外注費を除く)の中堅・中小企業を少なくとも1者以上含む必要があります。
A.はい、必要です。1次審査(書面審査)を通過した後の2次審査(プレゼンテーション審査)では、提出された計画を用いて申請企業の経営者自身によるプレゼンテーション及び質疑応答が行われます。なお、本事業における経営者とは「代表取締役社長・会長等の代表権を有している方」と厳密に定義されています。経営者以外の役員等が同席し補足説明することは可能ですが、経営者の出席・説明がなされない場合は審査上不利になる可能性があります。
A.補助対象外となります。補助対象経費となるのは、交付決定を受けた日付以降に契約(発注)を行い、補助事業期間内に納品、検収、支払等の事業上必要な手続きがすべて完了したものに限られます。交付決定より前に契約(発注)した経費は、いかなる事情があっても対象になりませんのでご注意ください。
A.可能です。通常の補助対象(借用)として計上できるほか、本補助金特有のスキームとして「リース会社との共同申請」を行うこともできます。この場合、設備の購入費用に対する補助金がリース会社に直接交付され、貴社が支払う毎月のリース料から補助金相当分が減額されるため、初期の資金繰り負担を大きく軽減することが可能です。
A.可能です。過去の公募で不採択となった事業者様でも、次回以降の公募に再度申請を行うことができます。ただし、申請にあたっては必ず「最新の公募回用の申請様式」をダウンロードして作成・提出する必要があります。過去の様式をそのまま使用して提出された場合、審査を行えない可能性があるためご注意ください。不採択となった要因を分析し、事業計画書をブラッシュアップした上での再挑戦をおすすめします。
本補助金は、次回(第5次以降)の公募の実施が予定されています。巨額の投資計画を練り上げるには時間がかかるため、詳細が発表される前の今から準備を始めることが成功の鍵です。実際に、補助金の申請から交付に至るまでの一般的なプロセスを確認しましょう。必要な準備・手続きを、大きく6つのステップに分けて解説します。
本補助金の電子申請を行うにはGビズIDが必須です。まだ取得していない場合、まずはオンラインで申請手続きを行いましょう(法人は印鑑証明等の郵送手続きが必要なため、取得完了まで2~3週間程度かかります)。既に他の補助金等でGビズIDをお持ちの場合はこのステップは不要です。
10億円以上の投資計画、年平均4.5%以上の賃上げ目標などを盛り込んだ「成長投資計画書」を作成します。審査の要となるため、自社の長期成長ビジョンや競合優位性、費用対効果などを客観的かつ定量的に示す必要があります。
成長投資計画書に加え、財務状況を示すローカルベンチマーク、直近3期分の決算書、賃上げ特例等を狙う場合の「金融機関による確認書」や「各種認定の証明書」など、指定された書類一式を漏れなく準備します。また、加点用の書類ももれなく提出できるように注意しましょう。
準備が整ったら、オンライン申請を行います。申請フォームに沿って基本情報を入力し、上記の申請書類データ一式をアップロードします。申請後、受付確認の通知が届きます。
締切後、事務局による審査が始まります。1次審査(書面審査)を通過した企業は、地域ブロックごとの2次審査(プレゼンテーション審査)に進みます。ここでは申請企業の経営者自身が外部有識者に対してプレゼンテーションと質疑応答を行う必要があります。
審査結果が通知・公表され、採択された企業は「交付申請」の手続きに進みます。事務局による精査を経て「交付決定通知」を受けた日付以降に契約(発注)した経費のみが補助対象となります。事業完了後は実績報告を行い、確定検査を経て補助金が支払われます。(※補助金の支払いは原則後払いですので、企業は一旦全額を立替える必要があります)。
以上が大まかな申請までの流れです。初めて大型補助金に挑戦する企業にとってハードルは高いかもしれませんが、各ステップで不明点があれば専門家に相談しながら進めると安心です。
「補助金が採択されることは非常に喜ばしいことなのですが、そのことに安心していると、痛い目を見ます。
採択後、補助金の受給までには、「交付申請」「実績報告」というステップがあり、多くの採択事業者様が苦労されています。
認定支援機関の中には、採択された後の支援は行う予定でなかったため、申請事業者が路頭に迷い、悩んだ挙句、弊社にご相談に来られるケースも少なくありません。
認定支援機関を選ぶ際には「支援の範囲」つまり「どこまで面倒を見てくれるのか」について充分に検討のうえ準備されることをお薦めいたします。
ここまで、「中小・中堅成長投資補助金」の概要や申請のポイントについて説明してきました。とはいえ、上記の内容は本制度の基本的な情報と、弊社が蓄積したノウハウの一部に過ぎません。実際の申請には、企業ごとに異なる事情や個別のテクニックも存在します。
MS&Consultingでは、中小企業向け補助金申請のコンサルティング支援サービスを提供しており、これまで多数の企業様の採択獲得をサポートしてきた実績があります(当社の過去の補助金申請支援による採択率は全国平均を大きく上回る実績を誇ります)。補助金の活用をご検討中の方や、「自社で申請できるか不安」「採択率を上げるポイントをもっと知りたい」という方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。

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