MS&Consultingでは、新事業進出補助金の申請支援を行っています。本ページでは、申請をご検討の方向けに、「補助金の概要」と「採択率向上」のためのポイントをご説明します。
<新事業進出補助金とは?>
既存の事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援し、新規事業への挑戦を促す補助金制度です。コロナ禍の事業再構築補助金に続く新たな施策として、企業の思い切った事業領域の拡大と賃上げを後押しします。
(参考:「新事業進出補助金」公募要領)
補助額上限は企業の従業員数に応じて異なり、補助率は一律で投資額の1/2(50%)です。従業員数に応じた上限額は以下の通りで、ここでの従業員とは、解雇予告が必要な者(パート・アルバイト・契約社員等)を指し、役員や個人事業主は含まれません。
| 従業員数 | 補助額上限 |
| 20人以下 | 2,500万円(※大幅賃上げ特例適用時は 3,000万円) |
| 21~50人 | 4,000万円(特例適用時 5,000万円) |
| 51~100人 | 5,500万円(特例適用時 7,000万円) |
| 101人以上 | 7,000万円(特例適用時 9,000万円) |
※最低補助額は750万円となっています。「大幅賃上げ特例」(後述)を活用した場合、上記カッコ内まで補助上限額が引き上げられます。
今後2次公募以降が予定されていますが、日程は公式発表をお待ちください。本補助金は金額規模が大きく、ある程度の期間的余裕をもって準備できることが望ましいです。※初回(第1次公募)の申請受付期間は2025年6月17日~7月15日まででした。
新事業計画の実行に直接必要となる設備投資や専門サービス利用の経費が幅広く対象になります。具体的には次のようなものが対象になります 。
| 経費区分 | 詳細 |
| 機械装置・システム構築費 | 生産設備や機器類の購入費、業務システムの構築費用 |
| 建物費 | 工場・店舗・倉庫等の建物の建設や改修にかかる費用 |
| 運搬費 | 設備や資材の搬入・運送にかかる費用 |
| 技術導入費 | 新技術の導入や研修受講にかかる費用 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許出願や商標登録など知財に関する費用 |
| 外注費 | 製品開発やシステム開発、業務の一部を外部委託する費用 |
| 専門家経費 | コンサルタント等の専門家に対する謝金・相談料 |
| クラウドサービス利用費 | クラウドソフトやオンラインサービスの利用料 |
| 広告宣伝・販売促進費 | 新事業の市場調査、広告制作、マーケティング施策費用 |
▼新事業進出補助金の公募要領や申請ページはこちら
新事業進出補助金 専用サイト
申請にあたっては、以下の5〜7つの要件を満たす必要があります。まずは、「新市場進出要件」「付加価値額要件」「賃上げ要件」の3つの基本要件を押さえましょう。さらに、「事業場内最賃水準要件」「ワークライフバランス要件」などを追加資料で明示し、必要に応じて「金融機関要件」「賃上げ特例要件」の対応も検討します。これらは単なる申請条件にとどまらず、審査でも重視される評価ポイントです。満たすべき項目が複数あるので、期間の余裕を持って事業計画を練りこみ、専門家の意見も取り入れながら申請を進めることをおすすめします。以下で解説します。
事業計画は、以下の3つの要件を満たすように検討します。
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新市場 進出要件 |
以下の3つを満たすこと
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| 付加価値額 要件 | 補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、付加価値額(又は従業員一人当たり付加価値額)の年平均成長率が4.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること |
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賃上げ 要件 |
補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、以下のいずれかの水準以上の賃上げを行うこと
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申請時もしくは実績報告時には、以下の2つの要件を満たしていることを追加資料などで証明する必要があります。
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事業場内 最賃水準要件 |
補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、事業所内最低賃金が事業実施県における地域別最低賃金+30円以上の水準となっていること。具体的には、実績報告時に賃金台帳の提出などが求められる。 |
| ワークライフ バランス要件 | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表すること。具体的には、申請前に、「両立支援のひろば」に策定した一般事業主行動計画を公表すること。 |
必要に応じて、以下の2つの要件を満たしていることを追加資料などで証明する必要があります。
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金融機関要件 |
金融機関等から資金提供を受ける場合に必要。具体的には、金融機関に事業計画の確認をしてもらい、「金融機関による確認書」を提出すること |
| 賃上げ特例要件 | 補助額を引き上げることができる「大幅賃上げ特例適用」を受ける場合に必要。補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、以下の両方の賃上げを行うこと
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本補助金で採択されるためには、審査で高い評価を得る必要があります。ここでは採択率向上のためにチェックしたい3つのポイントを紹介します。
本補助金が目指す政策目的を正確に捉え、自社の新規事業計画をそれに沿った内容にすることが第一です。新事業進出補助金では、「自社にとって新規性のある製品・サービス」で「既存とは異なる新たな市場」に挑戦する計画であることが求められます。検討中の事業がこの「新事業進出」の定義に該当するかを確認しましょう。補助金の趣旨に沿った事業であることを明確に示すことが、採択への第一歩です 。
計画の収益性や実行可能性は審査上の重要な評価項目です。実現性を示すために、人材・体制・資金計画・スケジュールを具体的に記載しましょう。特に大規模投資を伴う場合は、財務状況や金融機関からの融資意向なども補足すると信頼性が高まります。本補助金では、資金提供を受ける場合、金融機関による事業計画の確認書の提出が必要です。早めに準備を進めましょう。
事業計画書には、「なぜその新事業に挑戦するのか」「どのように成長・社会貢献につなげるのか」といったストーリーも盛り込みましょう。あわせて、補助金が必要な理由(例:新市場進出に伴う先行投資の負担軽減など)も明確に示すことが重要です。これらを審査基準に沿ってバランスよく構成することで、採択の可能性が高まります。

以上のポイントを踏まえ、申請書類を作成する際には細部まで入念にチェックすることが肝心です。公募要領の指示に沿って記載漏れや誤りがないか確認し、不備があれば提出前に必ず修正しましょう。なお、公募要領に沿わない内容や必要書類の不備がある場合は、審査対象とならず不採択となってしまうため注意が必要です 。
新事業進出補助金は始まったばかりの制度ですが、MS&Consultingではこれ以前より、事業再構築補助金など各種補助金の申請支援で豊富な実績を積んできました。特に前身である事業再構築補助金では、経済産業省認定の経営革新等支援機関として多くの企業の採択を支援し、全国平均44.9%に対して68.9%と約1.5倍の採択率を実現しています。この成果は、当社のノウハウと伴走型支援の強みを示すものです。
当社はサービス業を中心に20年以上にわたり多様な業種の事業計画策定をサポートしてきました。その知見を活かし、多店舗展開、新規出店、EC構築、DX推進など幅広い分野で支援が可能です。過去の事業再構築補助金では、飲食業の新業態開発、小売業のEC化、製造業のDXなど多数の採択事例があり、新事業進出補助金でもこれらの実績に基づいた提案力で、計画策定から申請までを支援します。
※事業再構築補助金は2021~2023年度に実施された類似制度です。新事業進出補助金とは要件等が一部異なりますが、補助金申請支援のノウハウという点で当社の実績をご紹介しています。

企業様からのご相談の中で、特に多く寄せられる質問をQ&A形式で8つご紹介します。申請要件を満たせるか不安な方は、ぜひご確認ください。
場合によって申請可能ですが、事業計画が要件を満たしているかよく確認が必要です。本補助金における「新事業進出」とは、事業者にとって新規の製品・サービスを、これまでとは異なる市場へ提供することを指します。つまり、新たな顧客層を対象とした市場への進出である必要があります。既存製品の拡販や同市場内での展開では該当しないため、計画がこの定義に沿っているか十分にご確認ください。
申請できません。申請時点で従業員が0名(役員のみの法人や個人事業主など)の事業者は補助対象外です。本補助金は、企業の規模拡大や賃上げを目的としており、従業員のいない事業者は対象とされていません。
必要です。従業員100名以下の中小企業でも、次世代法に基づく一般事業主行動計画の策定と社外への公表が申請要件です。申請時までに、自社の行動計画を作成し「両立支援のひろば」サイトで公開する必要があります。小規模企業でも免除されない点にご注意ください。
状況によっては申請できません。締切日時点で他の大型補助金(事業再構築補助金、ものづくり補助金など)に採択され、事業が継続中の場合は本補助金の申請対象外です。過去に採択された企業様は、完了報告や精算払いが済んでいるか確認してください。また、本補助金に一度採択された企業は、原則として再度の採択は受けられません。
不適切な行為とみなされる恐れがあります。補助対象要件を満たすためだけに、資本金や従業員数、株式割合などを人為的に変更した場合、対象外とされる可能性があります。たとえば、親族間で一時的に株式を移動して要件を満たす行為は認められません。公募要件は事業実態に基づいて満たす必要があり、恣意的な調整は避けてください。
必須条件ではありません(任意です)。認定支援機関や金融機関の関与は必須ではなく、自社のみで策定・申請も可能です。ただし、外部の専門家の助言は計画の精度向上に役立つため、必要に応じて活用を検討するとよいでしょう(※MS&Consultingも認定支援機関としてサポート可能です)。
可能です。本補助金は複数回の公募が予定されており、同一企業による再申請も可能です。1次公募で不採択となった場合も、計画を見直して再挑戦できます。
補助金の返還を求められます。本補助金では、事業終了後3~5年以内に一定の賃上げを実施することが必須です。実際、公募要領には「目標未達の場合は返還義務あり」と明記されています。無理のない賃上げ計画を立て、確実な施策で達成を目指しましょう。状況は事後も報告が求められ、未達成時は返還額が算定されますので、採択後も継続的に対応が必要です。
それでは実際に、補助金申請の一般的なプロセスを確認しましょう。ここでは、交付申請までを大きく6つのステップに分けて解説します。

本補助金の電子申請を行うにはGBIZIDアカウントが必須です。まだ取得していない場合、まずはオンラインで申請手続きを行いましょう(法人は印鑑証明等の郵送手続きが必要なため、取得完了まで2~3週間程度かかります)。既に他の補助金等でGBIZIDをお持ちの場合はこのステップは不要です。
作成した事業計画書は、経営者やチームで入念に推敲しましょう。審査基準を意識し、説得力のあるストーリーになっているか、記載漏れや誤記がないかを確認します。根拠が弱い数値には補足データを加えるなど補強を行いましょう。必要に応じて外部の専門家にレビューを依頼するのも有効です。締切直前では修正が難しくなるため、余裕をもって社内チェックを終えることが重要です。
準備が整ったら、オンライン上で申請を行います。申請フォームに沿って基本情報を入力し、上記の申請書類データ一式をアップロードします。申請後、受付確認の通知が届きます。
締切後、事務局による審査が始まります。まず書面審査(第一次審査)で提出書類をもとに採択候補が選定され、必要に応じて口頭審査(面談)が行われます。審査結果に基づき、全申請者に採否が通知されます。
採択された企業は、交付申請・交付決定の手続きに進み、交付決定通知をもって事業が正式に開始されます。その後、事業実施・実績報告・精算請求を経て補助金が支払われます(※完了後も年次報告などが求められます)。
採択となった場合、ほどなくして事務局との間で交付申請の手続きに入ります。交付決定通知をもって正式に補助事業のスタートとなり、その後は計画に沿って事業を実行してください。補助事業期間内に設備の納入・支払いを完了し、事業完了後に実績報告を提出します。
実績報告内容の確認を経て問題がなければ、後日指定口座へ補助金が支払われます(※補助金の支払いは原則後払いですので、企業は一旦全額を立替える必要があります)。
以上が大まかな申請までの流れです。初めて大型補助金に挑戦する企業にとってハードルは高いかもしれませんが、各ステップで不明点があれば専門家に相談しながら進めると安心です。
「補助金が採択されることは非常に喜ばしいことなのですが、そのことに安心していると、痛い目を見ます。採択後、補助金の受給までには、「交付申請」「実績報告」というステップがあり、多くの採択事業者様が苦労されています。
認定支援機関の中には、採択された後の支援は行う予定でなかったため、申請事業者が路頭に迷い、悩んだ挙句、弊社にご相談に来られるケースも少なくありません。認定支援機関を選ぶ際には「支援の範囲」つまり「どこまで面倒を見てくれるのか」について充分に検討のうえ準備されることをお薦めいたします。
ここまで、「新事業進出補助金」の概要や申請のポイントについて説明してきました。 とはいえ、上記の内容は本制度の基本的な情報と、弊社が蓄積したノウハウの一部に過ぎません。実際の申請には、企業ごとに異なる事情や個別のテクニックも存在します。
MS&Consultingでは、中小企業向け補助金申請のコンサルティング支援サービスを提供しており、これまで多数の企業様の採択獲得をサポートしてきた実績があります(当社の過去の補助金申請支援による採択率は全国平均を大きく上回る実績を誇ります )。補助金の活用をご検討中の方や、「自社で申請できるか不安」「採択率を上げるポイントをもっと知りたい」という方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。

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