MS&Consultingでは、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の申請支援を行っています。本ページでは、申請をご検討の方向けに、補助金の概要、3つの申請枠の違い、採択率向上のためのポイントをご説明します。
<新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは?>
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、中小企業等が行う、技術的革新性のある製品・サービスの開発、既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化を支援する補助金です。企業規模の拡大、付加価値向上、生産性向上、賃上げにつなげることを目的としています。(参考:「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」公募要領)
本補助金は、日本国内に本社および補助事業実施場所を有する中小企業者・小規模企業者・小規模事業者等が対象です。会社または個人事業主の場合、主な業種ごとの対象範囲は以下のとおりです。なお、「資本金」または「常勤従業員数」のいずれかが基準以下であれば対象となります。
| 業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
| 製造業、建設業、運輸業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| 旅館業 | 5,000万円以下 | 200人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3億円以下 | 300人以下 |
| その他業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
本制度には3つの申請枠があります。どの枠で申請するかは自社の投資内容によって判断します。
| 申請枠 | 対象となる事業 |
| 革新的新製品・サービス枠 | 革新的な新製品・新サービスの開発 |
| 新事業進出枠 | 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出 |
| グローバル枠 | 海外市場開拓に向けた国内の輸出体制強化 |
補助上限額と補助率は申請枠によって以下のように異なります。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 |
| 革新的新製品・サービス枠 | 最大2,500万円 賃上げ特例適用時:最大3,500万円 |
中小企業者:1/2 小規模企業・小規模事業者、再生事業者:2/3 |
| 新事業進出枠 | 最大7,000万円 賃上げ特例適用時:最大9,000万円 |
中小企業者:1/2 |
| グローバル枠 | 最大7,000万円 賃上げ特例適用時:最大9,000万円 |
中小企業者:2/3 |
※補助上限額は従業員数により異なります。
※賃上げ特例の要件を満たす場合、補助上限額が引き上げられます。
※地域別最低賃金引上げ特例の適用を受ける場合、一部の枠で補助率が引き上げられる場合があります。
対象となる事業につながる幅広い投資が対象です。具体的には次のような経費区分があります。
| 経費区分 | 詳細 | 対象となる枠 |
| 機械装置・システム構築費 | 機械装置・工具・器具、専用ソフトウェア、情報システム等の購入・構築・借用など | 全枠 |
| 建物費 | 生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、作業場等の建設・改修など | 新事業進出枠・グローバル枠のみ |
| 運搬費 | 運搬料、宅配・郵送料等 | 全枠 |
| 技術導入費 | 知的財産権等の導入に要する経費 | 全枠 |
| 知的財産権等関連経費 | 特許権等の取得に関する弁理士費用、外国特許出願の翻訳料など | 全枠 |
| 外注費 | 検査・加工・設計等の一部外注に係る経費 | 全枠 |
| 専門家経費 | 技術指導や助言を受けるための専門家費用 | 全枠 |
| クラウドサービス利用費 | 補助事業専用のクラウドサービス利用料など | 全枠 |
| 原材料費 | 試作品開発に必要な原材料・副資材 | 全枠 |
| 広告宣伝・販売促進費 | パンフレット、動画、Webサイト、展示会出展、ブランディング等 | 全枠 |
| 海外旅費 | 海外事業の拡大・強化に必要な海外渡航・宿泊等 | グローバル枠のみ |
| 通訳・翻訳費 | 広告宣伝・販売促進に必要な通訳・翻訳費 | グローバル枠のみ |
※革新的新製品・サービス枠では、機械装置・システム構築費が必須です。
※新事業進出枠・グローバル枠では、機械装置・システム構築費または建物費のいずれかが必須です。
本補助金で注目したいのは、機械装置やシステム、建物といった“つくるための投資”だけでなく、新製品・新サービスを市場に届けるための広告宣伝・販売促進費も補助対象に含まれている点です。従来のものづくり補助金では、広告宣伝・販売促進費は主にグローバル枠の海外市場開拓に関する事業で対象となる位置づけでした。一方、本補助金では、革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠の対象経費として、広告宣伝・販売促進費が明記されています。
つまり、単に新しい設備を導入するだけでなく、開発した製品・サービスを誰に、どのように知ってもらい、販売につなげるのかというマーケティング面まで含めて、事業計画を設計できる点がポイントです。たとえば、パンフレット・動画・写真等の作成、Webサイト構築、媒体掲載、展示会出展、ブランディング・プロモーションの経費が対象となる可能性があります。
本補助金は金額規模が大きく、期間にある程度の余裕をもって準備できることが望ましいです。期限までに電子申請システムから申請を完了する必要があるため、早めの準備・相談をおすすめします。
【公募スケジュール】
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、幅広い業種で活用を検討できる一方、すべての設備投資が対象になるわけではありません。申請にあたっては、まず以下の2つのポイントを整理する必要があります。
本補助金には3つの申請枠があり、取り組み内容によって適した枠が異なります。同じ設備投資でも、事業の目的や市場、顧客層、開発内容によって、申請枠が変わる可能性があります。申請枠の選定が曖昧なまま進めると、制度趣旨と合わない事業計画になってしまうおそれがあります。
| 取り組み内容 | 検討すべき申請枠 |
| 自社の技術やノウハウを活かして、新製品・新サービスを開発したい | 革新的新製品・サービス枠 |
| 既存事業とは異なる顧客層・市場に向けて、新事業を展開したい | 新事業進出枠 |
| 新たな海外市場に向けて、国内の製造・提供体制を強化したい | グローバル枠 |
本補助金では、補助事業終了後3〜5年の事業計画において、付加価値額の増加や賃上げ等の要件を満たす必要があります。
| 主な基本要件 | 内容 |
| 付加価値額要件 | 補助事業終了後3〜5年の事業計画期間において、付加価値額の年平均成長率を4.0%以上増加させる計画を策定すること |
| 賃上げ要件 | 一人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加させること |
| 事業場内最低賃金水準要件 | 毎年、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高い水準にすること |
| ワークライフバランス要件 | 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表していること |
| 子育て等に関する職場環境整備要件 | 子育て等に関する職場環境整備に向けた取り組みを行うこと |
| 金融機関要件 | 金融機関等から資金提供を受ける場合、金融機関による事業計画の確認を受けること |
単に「設備を導入する」「店舗を改装する」「新しい機械を入れる」というだけではなく、その投資によって、どのように売上・利益・付加価値・賃上げにつながるのかを、事業計画として整理する必要があります。
「毎年3.5%も上げるのは厳しいのでは…」と感じるかもしれませんが、具体的に計算してみると、昨今の最低賃金の引き上げトレンド等も踏まえれば、決して非現実的な水準ではありません。本補助金の賃上げ対象には、正社員だけでなくパート・アルバイトの方も含まれます。(※パートタイム従業員については、正社員の就業時間に換算して人数を計算します)。年平均3.5%の上昇を目指す場合の例を見てみましょう。
例えば、基準年度の一人当たり給与支給総額が300万円の場合で、事業計画を5年で設定した場合には、およそ5年後の一人当たり給与支給総額が約356万円となっていれば要件は達成されています。自社の時給アップ率なども鑑みて現実的な賃上げ計画を立てていくことをおすすめしています。
※実際の基準額は、補助事業実施期間の終了時点が含まれる事業年度の一人当たり給与支給総額をもとに考えます。
※目標値は交付申請時までに従業員等へ表明する必要があります。目標未達の場合、補助金の一部返還が求められる場合があるため、無理のない賃上げ計画と収益計画をあわせて検討することが重要です。
本補助金では、事業計画書において、定性的・定量的な情報を用いながら、取り組みの必要性や実現可能性を具体的に示すことが求められます。事業の目的、市場性、競合優位性、実施体制、資金計画、付加価値向上・賃上げへのつながりを、審査員に伝わる形で整理することが重要です。
本補助金は、中小企業等の新製品・新サービス開発、新市場・高付加価値事業への進出、海外市場開拓を後押しする制度です。そのため、事業計画では「この投資がなぜ自社の成長につながるのか」を明確にする必要があります。
| 整理すべき観点の例 | 記載内容の例 |
| 事業の目的 | なぜこの事業に取り組むのか |
| 既存事業との関係 | 既存事業の課題や強みとどうつながるのか |
| 成長性 | 売上・利益・付加価値の向上にどうつながるのか |
| 賃上げ | どのように従業員の処遇改善につなげるのか |
特に新事業進出枠では、既存事業の単なる延長ではなく、自社にとって新しい製品・商品・サービスであり、かつ新たな市場を対象とすることが重要です。例えば、ターゲット顧客は既存事業と同一である商品の追加や、商圏が違うだけの出店は新事業への進出とは認められない可能性が高いです。「自社にとって新しい取り組みか」「既存事業とは異なる市場か」を丁寧に整理する必要があります。
審査では、補助事業により提供する製品・サービスの価値、顧客ターゲットの明確性、ニーズの裏付け、選ばれる理由なども見られます。市場性や競合分析などの資料を用意し、説得力のある事業計画とすることも採択へのポイントとなりえます。特に新事業進出枠では、新市場性または高付加価値性を示す必要があります。新市場性では、製品・サービスのジャンルや分野の一般的な普及度・認知度が低いこと、高付加価値性では、同一ジャンル内で高水準の高付加価値化・高価格化を図ることを説明する必要があります。
事業計画では、魅力的な構想だけでなく、実現可能性も重要です。誰が、いつ、何を行い、どのように事業化し、どのように売上・利益へつなげるのかを具体的に示す必要があります。事業計画書内では、これらの情報を過不足なく盛り込むことが重要です。
また、補助金は原則として後払いです。採択後も交付申請、交付決定、事業実施、実績報告、確定検査を経て補助金が支払われるため、資金繰りを含めた計画づくりが重要です。
以上の観点を踏まえ、申請書類を作成する際には「経営者自身が描く明確な成長ストーリー」と「社会への貢献度」、「計画の実現性」をバランスよく盛り込むことが肝心です。審査基準を意識した訴求力のある事業計画を練り上げることで、採択率の向上が期待できます。
補助金が採択されるには、事業計画の内容を磨くだけでなく、加点要件を満たすことも重要です。加点要件は申請締切日時点で満たしている必要があるため、申請直前に確認しても間に合わない場合があります。以下の加点要件を満たせば採択率(採択される可能性)を高める強力な後押しとなりますので、ぜひ活用をご検討ください。
主な加点要件
多くの企業様からのご相談を受ける中で、共通して疑問を持たれる質問がいくつか見受けられます。特に問い合わせの多いポイントをQ&A形式で7つピックアップし、整理しています。ぜひチェックしてみてください。
A.無料相談で、事業内容や投資計画を伺ったうえで、申請枠の可能性を整理します。新製品・新サービスの開発なのか、既存事業とは異なる市場への進出なのか、海外市場開拓を見据えた取り組みなのかによって、適した申請枠は変わります。
A.可能性はあります。ただし、単なる店舗改装や既存メニューの追加、通常の設備更新ではなく、新たな顧客層・市場・高付加価値化につながる事業として整理できるかが重要です。たとえば、新たな顧客層に向けたサービス提供、新業態の展開、高付加価値な体験サービスの開発、DXを活用した新しい収益モデルの構築などは、検討対象になる可能性があります。
A.活用を検討できる可能性があります。自社の技術力や生産ノウハウを活かした新製品開発、新たな分野向けの部品加工、新素材・新工法への対応、新たな顧客市場への進出などは、革新的新製品・サービス枠や新事業進出枠で検討できる可能性があります。
A.「自社にとって新しい製品・サービスか」と「自社にとって新たな市場か」が重要です。新事業進出枠では、世の中で日本初・世界初であることまでは求められていませんが、自社にとって新規性があり、既存事業とは異なる市場を対象とする必要があります。また、新市場性または高付加価値性について、客観的なデータや相場比較などをもとに説明することも重要です。
A.原則として、交付決定前の発注・契約は補助対象外となります。採択された後も、すぐに設備を発注できるわけではありません。採択後に交付申請を行い、交付決定を受けた後に、発注・契約・納品・支払いを進める必要があります。
A.補助金は原則として後払いです。交付決定後に補助事業を実施し、実績報告、確定検査を経て補助金額が確定した後、請求手続きを行って補助金が支払われます。最短でも申請から半年以降に入金となるパターンがほとんどです。
A.はい。採択後にも交付申請、事業実施、実績報告、確定検査、補助金請求、事業化状況報告などの手続きがあります。補助金は採択されて終わりではありません。採択後の手続きや証憑管理まで見据えて、申請前から無理のない事業計画を作ることが重要です。
補助金は、申請して採択されればすぐに受給できるものではありません。採択後も交付申請や実績報告などの手続きがあり、補助金は原則として事業完了後に支払われます。そのため、申請前の段階から、資金繰り・スケジュール・必要書類・発注タイミングを見据えて準備することが重要です。
まずは、自社が取り組みたい内容が「革新的新製品・サービス枠」「新事業進出枠」「グローバル枠」のどれに該当しそうかを整理します。新製品・新サービスの開発なのか、既存事業とは異なる市場への進出なのか、海外市場開拓を見据えた取り組みなのかによって、申請枠や事業計画の見せ方が変わります。
導入予定の設備、システム、建物、外注費、広告宣伝・販売促進費などが補助対象になるかを確認します。補助金は原則として後払いのため、採択後の交付申請や事業実施に必要な自己資金・借入などの資金計画もあわせて整理しておく必要があります。
市場性、顧客ニーズ、競合との差別化、実施体制、スケジュール、売上・利益計画、付加価値向上、賃上げ計画などを整理します。特に新事業進出枠では、既存事業との違い、新たな市場性または高付加価値性を説明できるかが重要です。
GビズIDプライムアカウントの取得、一般事業主行動計画の策定・公表、決算書、労働者名簿、収益事業を行っていることを説明する書類、見積書などを準備します。金融機関から資金提供を受ける場合は、金融機関による確認書も必要です。
電子申請システムに必要事項を入力し、添付書類をアップロードして申請します。申請内容は、申請者自身が理解・確認したうえで申請する必要があります。締切間際は申請が集中しやすく、入力にも時間がかかるため、余裕を持った対応が必要です。
提出した事業計画をもとに、補助対象事業としての適格性、経営戦略との整合性、事業の実現可能性、新市場性・高付加価値性などが審査されます。一定の審査基準を満たした事業者には、必要に応じてオンラインでの口頭審査が行われます。
審査結果が通知・公表され、採択された企業は「交付申請」の手続きに進みます。事務局による精査を経て「交付決定通知」を受けた日付以降に契約(発注)した経費のみが補助対象となります。事業完了後は実績報告を行い、確定検査を経て補助金が支払われます。(※補助金の支払いは原則後払いですので、企業は一旦全額を立替える必要があります)。
以上が大まかな申請までの流れです。初めて大型補助金に挑戦する企業にとってハードルは高いかもしれませんが、各ステップで不明点があれば専門家に相談しながら進めると安心です。
「補助金申請が採択されることは非常に喜ばしいことなのですが、そのことに安心していると、痛い目を見ます。
採択後、補助金の受給までには、「交付申請」「実績報告」というステップがあり、多くの採択事業者様が苦労されています。
認定支援機関の中には、採択された後の支援は行う予定でなかったため、申請事業者が路頭に迷い、悩んだ挙句、弊社にご相談に来られるケースも少なくありません。認定支援機関を選ぶ際には「支援の範囲」つまり「どこまで面倒を見てくれるのか」について充分に検討のうえ準備されることをお薦めいたします。
ここまで、「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の概要や申請のポイントについて説明してきました。とはいえ、上記の内容は本制度の基本的な情報と、弊社が蓄積したノウハウの一部に過ぎません。実際の申請には、企業ごとに異なる事情や個別のテクニックも存在します。
MS&Consultingでは、中小企業向け補助金申請のコンサルティング支援サービスを提供しており、これまで多数の企業様の採択獲得をサポートしてきた実績があります(当社の過去の補助金申請支援による採択率は全国平均を大きく上回る実績を誇ります)。補助金の活用をご検討中の方や、「自社で申請できるか不安」「採択率を上げるポイントをもっと知りたい」という方は、ぜひお気軽に弊社までお問い合わせください。

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