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【美容業界(美容室・エステ)】新型コロナウイルス対策調査の感動コメント

緊急事態宣言が全国に出された4月。そしてその後5月25日に解除され元の日常に戻るかと思われたものの徐々に新規陽性者数が増えてきた中で、経済と感染症対策の両立を模索してきた6月、7月。そんな4月から7月にかけて弊社が実施した美容業界(美容室・エステ)の店舗へのミステリーショッピングリサーチ(覆面調査)のコメントを分析すると、消費者が期待している新型コロナウイルス対策の水準が分かってきました。どのような対策が「できていて当たり前」と感じ、どのような対策が「より一層安心できる」のでしょうか。


1.感染症対策へのきちんとした対応が伝わることが、好印象につながる。「丁寧さ」がさらに重要なキーワードに。

3月の末ごろから4月にかけて「髪を切りに行くことは、不要不急の外出なのか」という議論がありました。国と東京都での見解が食い違うタイミングもあり、一般消費者だけでなく美容業界の事業者にとっても判断に迷う時期でした。

そういった中、緊急事態宣言下では「営業を続けるお店」と「営業を自粛するお店」が混在していましたが、現在は多くのお店が感染症対策に取り組みながら、営業をしています。特に美容業界は以前からSNSなどを使った情報発信に取り組んでいた企業・お店も多く、しっかりとした対策の実行と「私たちのお店ではこういった対策をしています!」という情報発信をきちんと丁寧に行っている店舗が多い印象でした。

覆面調査結果を見ても以下のようなコメントが多く見られました。元々美容室やエステのお店ではスタイリストやスタッフの施術やコミュニケーションにおける「丁寧さ」が顧客満足度を高める上で非常に重要な役割を果たしていました。その「丁寧さ」がこのコロナ禍において「店舗に対する安心感」へもつながる要素となっており、以前よりも更に重要性が増しているキーワードとなっています。

【覆面調査のコメントより】

入店時は、すぐに気がついてくださいました。新型コロナウイルス対策もきちんとしていて、アルコールスプレーの消毒と検温をしてくださいました。終始換気をしていたので、安心して利用することができました。

新型コロナウイルスの影響でマスクをしたまま施術を受けましたが、シャンプーやパーマの際に、「マスクが濡れたり、薬がついてしまったりする可能性があるので、マスクを外すか外さないか、どちらがよろしいですか」と、その都度確認があり、きちんとした対応だと思いました。

電話の際、スタッフさんは、明るく元気の良い声で対応してくださいました。復唱も丁寧で、場所の確認もありました。また「今、コロナでこんな状況なので、スタッフ全員がマスクをつけさせていただいておりますが、構わないでしょうか?」など、丁寧な確認がありました。言葉遣いも丁寧だったので、歓迎されている雰囲気を感じました。

電話対応の際に「コロナ対策のため検温します」と言ってくださっていたので、入店してからの不安が無く良かったです。また、入店したときは受付の方がちょうど席を外していらっしゃったのですが、横で作業をされていたスタッフさんが私にすぐに気づき、対応してくださったことがとても良かったです。お店全体とスタッフさんに清潔感があった点も良かったです。お見送りも丁寧で、お店の前まで来てくださり、とても親切だと感じました。


一方、清潔感について、お客様はより敏感になっている可能性があります。単純に清掃が行き届いていないことが不快なのではなく、そこから「きちんと感染症対策が徹底されていないのでは?」という気持ちに持たせてしまうと、今まで以上に悪影響を及ぼしてしまいます。

施術の際に掛けてくださった茶色の毛布にジェルがついていて、触ったら乾燥していましたので、恐らく前のお客様の施術で使用されたジェルだと思いました。所々ついていて少し気になりました。店内など全体的に清掃が行き届いていて清潔感があるイメージでしたが、最後に着替えるときに毛布を見て気づきました。特に今は新型コロナウイルスの感染拡大防止策で手の消毒や検温を行っている中、前回使った毛布をそのまま使い回されているのではないかと心配になりました。お洗濯をされた上で落ちきれなかったジェルだったのかもしれませんが、より綺麗にしていただけると良いと思いました。


2.コロナ禍においても「プロのアドバイス」に対するニーズは高い。 

マスク着用だったとしても、密接な位置でコミュニケーションを取っても良いのか。多くの方々が悩まれている部分だと思います。覆面調査のコメントを読み解いていくと、感染症対策としてコミュニケーションを減らしていることや今まで実施していたヒアリングなどを控えていることに対して一定の理解は得られています。

しかし、一方で「やっぱり美容師さんのアドバイスはためになった」「家でもできるアドバイスが嬉しかった」といった声も複数聞かれた他「やはりもう少しヒアリングをして欲しかった」といったコメントもありました。

消費者のコミュニケーションそのものを避けたいというわけではなく「必要な情報や有益なアドバイスが欲しい」という傾向は変わっていないと考えられます。しかし、そこへ「できればより簡潔に分かりやすく、でも親しみやすく」といった、ある意味‟わがまま”な消費者心理へどう対応していくかが今後のポイントになっていく可能性があります。

【覆面調査のコメントより】

スタッフさんは、コロナ対策のためにマスクを着用し、不要な会話は控えていらっしゃる姿勢が感じられて好感が持てました。一方、必要な情報は惜しみなく話してくださいました。特に、家に帰ってからの髪型の再現方法については、大変丁寧に教えてくださいました。ドライヤーでの乾かし方やカーラーの巻き方などを、実際にスタッフさんが行って見せながら言葉での補足もしてくださったので、自分でもできそうに思えて、自信と安心感を持つことができました。また、教えてくださったコツに、プロの力を感じました。スタッフさんが「分からないことがありましたら何でも聞いてください」と言ってくださったことも、親切でとても良かったです。

コロナウイルスの影響のため、自宅でヘアカラー剤を使い、染めていました。そのため、髪の毛が傷んでいました。ヘアオイルを使ったドライヤーの熱から髪の毛を守るスタイリングを教えてもらいました。ワックスでのスタイリング方法も教えてくれたので、良かったです。

あまりカットをしていないため、カット前と変わらない印象を受けました。重たいように感じたため、ブローの際にもう少しボリュームを出していただき、動きがあるようにセットしていただけると良かったです。合わせ鏡で後頭部にボリュームが無いことをスタッフさんにお伝えした所、快くやり直してくださいました。もしかしたらコロナ対策でコミュニケーションを控えて下くださっていたのかもしれませんが、自宅でのお手入れ方法やブローのコツ等の説明が無かったので、できれば伝授していただけると嬉しかったです。

施術に集中しているからなのか、もしくはコロナウイルス感染予防のために会話を控えていたのか分かりかねますが、スタッフさんとの会話が弾まず、あまり居心地が良くないと感じました。会話が多すぎるのも困りますが、もう少し会話を広げていただけると、よりリラックスすることができて良いと思いました。

新型コロナウイルス対策で、スタッフさんがあまりコミュニケーションを取らないようにされていたのは納得できていますが、施術後のカウンセリングやアンケートも無く、初めて受けたコースということもあり、もう少しお客様へのヒアリングをされると良いと思いました。



3.まとめ

外食のデリバリーや小売のネット通販など、家に居ながらにサービスを受けられる、いわゆる「巣ごもり消費」というキーワードがコロナ禍において生まれました。しかし、美容業界の特徴の一つとして「その場に行かないとサービスを受けられない」という側面があります。
むしろこれからも「キレイでいたい」「髪を切りたい」といった消費者ニーズは無くならず、そのために「来店する」という行動が無くなることもほぼありません。「行く理由がある」ということが求められる価値となってくるのではないでしょうか。在宅勤務や外出自粛の中で感じるストレスを癒してもらうため、美容室やネイルサロン、エステへ行くことを楽しみにしている消費者も多いと思います。そういった方々にとって、なくてはならない業界であり続けることは間違いないと思います。
​​​​​​​調査コメントを分析すると、感染症対策がお客様の「安心感」につながり「また来たい」「もう来たくない」という再来店意向へつながっていることも分かります。しかし、お客様の不安を払しょくするには、コロナ対策を徹底するだけではなく、それらの対策が「お客様に伝わっているのか」を確認していくことが重要です。


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チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
東京大学大学院工学系研究科を修了後、2012年に株式会社MS&Consultingへ入社。産業技術総合研究所との共同研究にプロジェクト開始当初からプロジェクトリーダーとして参画。社内初のデータサイエンティストとして大量の顧客満足度や従業員満足度の調査データ分析を担当。

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