「逆風に立ち向かうシナリオ」経営者インタビュー|株式会社OHANA



※本インタビューは、2020年4月3日に実施いたしました。

※記載されている会社概要や肩書き、数値や固有名詞などは取材当時のものです。

取材・文▼湯瀬 圭祐


グループ全体で23店舗の飲食事業を展開する株式会社OHANA代表取締役社長 石田尚武氏に、新型コロナウイルスによる影響と対策についてお話を伺った。

新型コロナウイルスの猛威によって、色々なダメージを被り、想定外の変化を迫られているかと思います。この状況を経営者としてどう捉えていますか?

深刻に受け止めております。弊社も業績的な影響はかなり受けており、愛知県は宴会自粛の波がひどく、キャンセルが相次いでいるのが現状です。業績面を見ると、弊社内でも健闘している店舗と苦しんでいる店舗が二極化しています。居酒屋業態でも、リピーターや常連客の比率が高い店舗は健闘しています。3月の結果では、OHANA本店や魚昇は前年対比90%で推移していました。また、食事利用のラーメン業態なども健闘しています。一方で、宴会利用で業績を伸ばしていた店舗は苦戦しています。


具体的にどのような対策を行っていらっしゃいますか?

経営者としてまず着手したことは、ファイナンスです。これは、OHANA単体ではなく、親会社も含めたグループ全体で動いております。その後に、現場のメンバーに向けて、「会社を存続させる」ことを判断基準に動いていく、ということを発信しました。それと同時に「経費の最適化」をお願いしました。ここで意識したことは、言葉のチョイスです。「経費の削減」では、削減というネガティブなワードが先に走ってしまい、組織のパワーや雰囲気が下がってしまうと思いました。そこで、現場のメンバーにはビデオメッセージを活用して、「経費を最適化したいが、未来につながる必要な経費は理由が明確であれば投資をする。どんどん提案をしてほしい」と伝えました。


この効果は早くも出てきていると感じています。現場の店長・マネージャー陣から色々な提案をもらえるようになりました。なにが最適なのか?と考えることによって「言われたことをやる」のではなく、自分たちが置かれている状況を俯瞰して捉え、主体的に考える機会になったと思います。また、「経費の最適化」という視点で提案させることで、店長も経営者視点を養うことができています。このような状況だからこそ、より強い責任感が芽生えているように感じています。


今の状況での大きな悩みの種である人件費のコントロールについては、現場のメンバーと色々議論をした上で、対策を打っています。本来は一時的に閉店をした方が良い店舗もあります。しかし、アルバイトさんがまったくシフトインできないと退職につながってしまうため、バランスを見ながらですが、なるべくお店はオープンするようにしています。


同時にアルバイトさんには、しっかり稼げるように他のアルバイトとの掛け持ちを促しています。本来は、弊社のみでアルバイトをしてもらうようにお願いをしているのですが、今この局面では、「あれがダメ、これがダメ」と言っている場合ではないと思い、柔軟に対応をしています。アルバイトさんの生活を第一に考え、たとえアルバイトを掛け持ちしていても、最終的には、「OHANAで働くことが一番楽しい!」と思ってもらえるように店舗力を高めていきたいと考えています。


社員の皆さんに伝えるメッセージが非常に重要だということが伝わってきました。伝える際に意識していること、コミュニケーションの工夫をお教え下さい。

このような状況ですので、事務的な連絡はネガティブなものがとても多いのですが、特に店長や社員の皆さんに強調してお伝えしていることは、以下の内容です。


「危機の時こそ、店長や社員が成長出来るチャンスである」


本来はトップダウンでどんどん指示を出して、問題解決をする方が効率的だと思うのですが、それをやってしまうと、店長や社員の「危機対応能力」が養われないと考えています。もちろん、社長として大きな方針を掲げて皆さんにお伝えし、道は外さないように承認フローはしっかりと用意しています。しかし、店長や社員にじっくり考えさせる時間を与えることによって、次第に良い意見が出てくるようになりました。この経験は、今後に必ず活きてくると思っています。


最後に総括をお願いします。

業績低下に歯止めがかからないため、「経費の最適化」の一環で家賃交渉を検討しました。ちょうどそのタイミングで、「おはな~はなれ~」の大家さんからご連絡をいただき、「こんな状況で大変だろうから、家賃を減額するよ」と仰っていただきました。これは、日頃からメンバーが大家さんと良好な関係を築き、地域に根差して良いお店を作ってくれている証拠だと実感しています。引き続き経営者として、会社の判断基準を明確に発信しながらも、この難局を社員や店長が成長できる機会とも捉え、相互コミュニケーションを図りながら、乗り越えていきたいと考えております。



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