tenpoketNEWSトップに戻る
 
catch-img

【7月:セルフ小売業態】新型コロナウイルス対策調査の傾向分析レポート

緊急事態宣言が全国で解除されて以降、徐々に新規陽性者数が増えてきた中で、経済と感染症対策の両立を模索してきた7月。そんな7月に弊社が実施したセルフ小売業態の店舗へのミステリーショッピングリサーチ(覆面調査)の結果を分析すると”今の消費者”が期待している新型コロナウイルス対策の水準が分かってきました。どこまでが「できていて当たり前」と感じ、どのようなアクションは「より一層安心できる」対策なのでしょうか。

対象期間  … 2020年7月1日~7月31日

対象調査数 … 315店舗(n=344)

※セルフ小売業態 … スーパー、ドラッグストア、食品、食物販など「接客が少ない小売業態」を指します。

1.「感染症の不安」を感じてしまっているお客様は全体の1割強程度

調査には、まず「感染症の心配なく、店舗を安心して利用できると感じましたか。」という設問があり、4つの選択肢(非常に安心だった、問題なし、やや安心感に欠けた、非常に不安を感じた)から1つを選んでもらいます。

7月1日から31日の間で調査が行われた315店舗において「やや安心感に欠けた」と答えた人が全体の9.9%、「非常に不安を感じた」と答えた人が全体の0.6%で、合わせて計1割強(10.5%)の人が来店した店舗でお買い物をする中で不安感があった、という結果になりました。これは飲食業と比べても半分以下の数値となっており、感染症対策の先陣を切って取り組んできた各店舗、事業者の皆さんの努力によるものであると考えられます。



図1 7月のセルフ小売業態の店舗調査における感染症対策の安心感 回答分布


2.感染症対策の安心感が再来店意思に与える影響は、セルフ小売業態においても大きい 

1割強の人がお買い物をする中で不安感があったと答える一方、「非常に安心だった」と答えた方が6割弱(56.4%)そして「問題無し」と答えた人が3割強(33.1%)と、店舗による差が大きいことが分かります。そして、データをより詳しく見ると、この「感染症対策の安心感」は「このお店にまた来たいと思ったか」という再来店意思とも連動していることが分かりました。

図2 感染症対策の安心感別の「必ずまた来たい」獲得率

*不安・・・非常に不安を感じた or やや安心感に欠けた

  • 非常に安心と感じる店舗では、66.1%もの人が「必ずまた来たい」と回答しており、これは問題なしと感じる店舗よりも「必ずまた来たい」と答える人の割合が31.8pt高かった。

図3 感染症対策の安心感別の「たぶん(絶対)来ない」選択率

*不安・・・非常に不安を感じた or やや安心感に欠けた


  • 不安に感じる店舗では、23.8%の人が「たぶん(絶対)来ない」と回答しており、これは問題なしと感じる店舗よりも「たぶん(絶対)来ない」と答える人の割合が10.5pt高かった。


つまり

店舗利用時にお客様が感じる感染症対策への安心感は、離反要因にもリピート要因にもなりえる。

ということが分かります。


3.「お客様への積極的な働きかけ」や「カゴやカートなど備品の消毒」は、できていない率が高い傾向

では、具体的な感染症対策の中で「できていない店舗が多いもの」は一体どうなっているのでしょうか。それをまとめたものが下記の図4になります。

図4 感染症対策設問における「できていない」割合

一口に感染症対策設問と言っても、店舗での実施状況には大きなばらつきがありました。特に「スタッフからの店舗の感染症対策に関する説明」や「カゴやカートなど備品の消毒」については60%以上の店舗で「できていない」という結果になっていました。


4.スタッフや店舗から「積極的に伝えること」が安心感をつくる

それでは感染症対策に対して「非常に安心」という高評価を受けている店舗では、一体どのような項目が特に徹底がされているのでしょうか。逆に不安を感じさせてしまっている店舗では、どのような項目が特におろそかになってしまっているのでしょうか。

それらを表1と表2にまとめました。

表1 「非常に安心」と「問題なし」の実施率GAP上位5項目

表2 「不安」と「問題なし」の実施率GAP上位5項目


この結果を見ると、

  • 「カゴやカートなど備品の消毒」「袋詰めにおいて他のお客様と間隔を保つ案内や誘導」「スタッフから店舗の感染症対策に関する説明」といった項目は「できているとより安心を感じられる」効果のある行動だと考えられる。(表1)
  • 一方「他のお客様と接触を避けられる工夫がある」「接客時に適度な物理的距離感がある」「マスクをしていても伝わる挨拶がある」といった項目は「できていることが期待水準」となっており、ここができていないと「安心感が欠ける、不安」という気持ちになってしまう。(表2)

つまり、

まず感染症対策を徹底し、不安を取り除いた上で、

スタッフや店舗から積極的に伝え、安心してもらうことが重要

だということが分かります。


5.調査コメントから分かること

店舗での感染症対策に「非常に不安を感じた or やや安心感に欠けた」と回答した調査員が「店舗を利用していて、感染症に関して不安に感じたものがあればご記載ください。」の設問に書いていたコメントをいくつかご紹介します。

スタッフさんは基本的にマスクをされていたのですが、スタッフさん1名だけがマスクを口にせず、顎に引っ掛けていたのでとても不安を感じました。また、入店時にスタッフさんより感染症防止目的で「アルコールをスプレーさせていただきます」と言われ吹き付けていただいたのですが、量が少なかったので、他のお客様にもこれだけの量しか吹き付けていないのかと思うと、不安でした。

マスクの供給が遅れているためマスクをしていないことがありますとPOPがありました。今はどこでもマスクが購入できるように思いますが、マスクをしていないスタッフさんがいました。もし体質等でマスクができないのであれば、その旨をバッチに書くなどし、以前と同じ距離ではなく、意図的に距離をとっていると分かるようにしてほしいです。

店頭の鮮魚コーナーは見る人や調理を頼む人で密集しがちでした。主に担当しているスタッフさんが1人で、接客中で混むときもあったので、状況によって応援のスタッフさんが入るなどがあるとさらに良いと思いました。

飲料の売り場で陳列作業をしていたスタッフさんがマスクを顎にずらしていました。商品の場所をお尋ねした際にマスクをしないままお話しされていたのが気になりました。お客様と接客する際は、きちんとつけていただけると安心です。


「マスクの供給が遅れているため~」というPOPも4月や5月であれば問題無かったものの、8月となった今は「時代遅れ」となっています。他にも不要な掲示やPOPが貼ったままになっていないか、注意が必要です。

また、多かったのが「マスクはしているが、顎にずらしている」というコメントです。これから暑い日が続き、動く中で暑苦しくなってしまうこともあるかもしれませんが、適切なマスク着用は引き続き心がけていきたい項目です。


6.まとめ

今回の調査で感染症対策の実施度には店舗によってかなりばらつきがあることが分かりました。また、その実施度はお客様の「安心感」につながり「また来たい」「もう来たくない」という再来店意向へつながっていることも分かります。しかし、お客様の不安を払しょくするには、コロナ対策を徹底するだけではなく、それらの対策が「お客様に伝わっているのか」を確認していくことが重要です。


<自社のコロナ対策はお客様に届いていますか?>

現状把握・改善するなら「新型コロナウイルス対策調査」をぜひご検討ください。


チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
チーフデータサイエンティスト 錦織浩志

東京大学大学院工学系研究科を修了後、2012年に株式会社MS&Consultingへ入社。産業技術総合研究所との共同研究にプロジェクト開始当初からプロジェクトリーダーとして参画。社内初のデータサイエンティストとして大量の顧客満足度や従業員満足度の調査データ分析を担当。

自社の感染症対策にお客様は安全・安心を感じているのか?「新型コロナウイルス対策調査」で確認いただけます。

店舗ビジネスに特化して開発したES調査です。「アルバイトを含めた満足度調査が可能」「300以上の他社店長事例から改善方法までわかる」などの特徴があります。

中小企業・小規模事業者むけの補助金です。対象:『従業員満足度調査(tenpoketチームアンケート)』『SV業務改善ツール(SVナビ)』