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株式会社コンヴァノ(ネイルサロン)

【第10回クオリティサービス・フォーラム レポート】
誰もが主役、全員参加プロジェクト
~Project HARMONY~

株式会社コンヴァノ(ネイルサロン)

【Movie】QSフォーラム2016 コンヴァノ 発表

株式会社コンヴァノ

http://www.convano.com/

代表取締役社長・CEO 鈴木 明

東京都渋谷区桜丘町22-14  N.E.S.ビルS棟1F・B3F

事業内容:ネイルサービスチェーンの経営、フランチャイズ管理事業、各種商品企画開発および販売、新規ビジネスシステムの開発

展開するブランド:FAST NAIL(ファストネイル)、Legaly(レガリー)

『季刊MS&コンサルティング 2017年冬号』掲載
※記載されている会社概要や役職名などは、講演(掲載)当時のものです。ご了承ください。
※掲載記事内の図表等は、すべて発表資料を基にMS&Consultingが加工しております。
ネイルサロン「FAST NAIL(ファストネイル)」等のネイルサービスチェーンの経営、FC管理事業を手がける、株式会社コンヴァノ。施術時間の短さ、わかりやすい価格体系などのコンセプトが受け、設立9年目にあたる2016年度には、店舗数39店舗、年間来店者数35万人という規模へと急成長を遂げる一方で、スタッフ間での価値観のばらつきが見られるようにもなったという。そこで同社では2015年からの3ヵ年計画で、経営ビジョン実現のための全社プロジェクト“Project HARMONY”を立ち上げ、全社一丸となっての組織改革に取り組んでいる。クオリティサービス・フォーラムでは、この“Project HARMONY”の取り組みについて、同社営業部 シニアスーパーバイザーの上四元 絢様よりご発表いただいた。

Project HARMONYの取り組み背景

CONVANO Vision 2018

株式会社コンヴァノは、主たる事業としてネイルサロンチェーン「FAST NAIL」の運営を行っている会社です。2007年創立、来年で10周年を迎える成長期の会社で、現在の従業員は288名ですが、積極的に採用活動を続けており、今年度には300名を超える予定となっています。

弊社が事業を行うネイル業態について簡単にご紹介しますと、まず日本にネイルという文化が伝わってきたのが1970年代、そしてネイルサロンという業態が誕生したのが80年代と言われています。その中で2007年創立の弊社は、業界の中では後発のポジションにあります。
そして、ネイルサロンの市場規模は1,600億円程度。全体としては成長・拡大を続けている市場ではありますが、内訳を見ますと、その成長をけん引しているのは弊社のような低価格帯のサロンであり、中価格・高価格帯の市場はむしろ減少傾向にあることがわかります。

また、市場を構成するプレイヤーの多くは個人経営のサロンで、一定以上の規模でチェーン展開をしている主要プレイヤーは10社程度です。弊社はこうしたプレイヤー群の中では後発企業ですので、市場の中で勝ち残っていくためには、他社以上に差別化が必要となってきます。
そこで私どもでは、「2018年までに、ネイルサロン業界で最高のおもてなしを提供する圧倒的なリーディングカンパニーになる」というビジョンを掲げ、取り組んでいます。なお、このビジョンにおける「圧倒的なリーディングカンパニー」とは、「ブランド認知度・イメージ」「顧客満足度」「マーケットシェア」「高効率オペレーション」「従業員満足度」という5つの項目でそれぞれNo.1になり、業界をリードできる存在となることと定義しております。

この中の「顧客満足度」でNo.1を目指すことを目的とした全社プロジェクトが、本日ご紹介する“Project HARMONY”です。Harmonyとは「奏でる」「調和」などの意味を持ちますが、FAST NAILの「オペレーション(技術、品質)」と「スタッフの笑顔・おもてなし(接客応対)」の二つが調和して奏でる付加価値が、お客さまの感動につながるという意味を込めて、今回のプロジェクト名としました。

社内の3つの壁(1)理想のサロン像が不統一

資料2_FASTNAIL BRAND STATEMENT

FASTNAIL BRAND STATEMENT

しかし、このビジョン達成に向けた取り組みを進める中で、3つの壁にぶつかることとなりました。
まず一つ目の壁は「理想のサロン像の不統一」です。組織として何か目標を達成しようと考えた場合、まずはその目標が統一されていることが大前提となります。そこで、プロジェクト開始にあたって、スーパーバイザーや店長、店舗スタッフに「FAST NAILとは何だろう?」「理想的なサロンって、どんなサロンだろう?」と投げかけてみたところ、全く違うというわけではないのですが、人によって微妙に答えが違うという結果となりました。

300名近いスタッフがいれば、人それぞれ年齢や育ってきた環境も違い、価値観・感じ方も違いますから、当たり前と言えば当たり前の結果ですが、今後は一つの組織として同じ方向を向いて取り組めるように、まずはシンプルで誰もが共感できる目的・行動指針が必要だと判断しました。

そこで作ったのが、「FASTNAIL BRAND STATEMENT」です。これは、大目標としての「ミッション」、そしてそのミッションを達成するための行動指針として「お客様への5つのお約束」を明文化したものです。
社内ではいろいろなミーティングが行われますが、そのミーティングでは必ず全員でこの「FAST NAIL BRAND STATEMENT」を唱和するようにしたり、スタッフが全員持っている「Convano Bible」という手帳を常に携帯するだけではなく、定期的に筆記テストをするなどして、スタッフへの浸透を図っています。

社内の3つの壁(2)営業戦略が非連動

二つ目の壁は、“Project HARMONY”が掲げるビジョンと、既存の営業戦略とが連動していなかったという問題です。
最初に申し上げたように、弊社は急スピードで大きくなってきた企業です。そのため、弊社のスーパーバイザーや店長クラスなどは特に、売り上げなどの各種数字にコミットメントする力というのは非常に強いものがあります。これは弊社の強みの一つではあるのですが、その一方で“Project HARMONY”が目指すような顧客満足度を高めるという点への意識が薄いスタッフも多く、中には「売り上げとHARMONYの活動と、どっちが大事なんですか?」と質問をしてくるスタッフもいるなど、なかなかプロジェクト活動へのモチベーションが上がらないという現実がありました。

そこで、私たちは今一度、「CSがあってこその数字」だということ、そしてプロジェクト活動の重要性を、年に2回行われる全社コンベンションをはじめ、月に2回の店長会議、毎月のNo.2会議、店舗でのスタッフミーティング、マネージャーミーティング…と、ありとあらゆる場を使って伝え続けました。

こうした取り組みの結果、今ではスーパーバイザーや店長も、プロジェクトの重要性を理解し、自ら目標を立て、行動できるように変わってまいりました。小さな前進ではありますが、スタッフが自ら動けるようになってきたことは、弊社にとっては大きな成果であると考えています。

また店舗で、HARMONYレポート(ミステリーショッピングリサーチのレポート)を起点としてPDCAサイクルを回す取り組みを行いました。
まずレポートが届くと、毎月5日を期限として、スタッフ288名全員が確認することになっています。そして、気づいたことを全員で共有し、コメントゴールを設定します。その上で店舗でミーティングを実施し、当月フォーカスする取り組みアクションを具体的に設定します。その際、決めたことを必ず実行に落とし込むために、「目標数値と、達成する期限」を明確に盛り込んで具体的なテーマとすることをルールとしています。その後、実行のフェーズを経て、次回のレポートで成果を確認するというのが一つのサイクルで、これを全39店舗それぞれで取り組んでいます。

社内の3つの壁(3)オペレーションに特化した教育

最後の三つ目の壁が、既存のオペレーションに特化した体制です。
これまで弊社の社内教育は「ネイルスキルの習得」と「ビジネススキルの習得」という二本柱で行っていました。弊社では未経験の人材も積極的に採用しておりますので、この教育体制はプロとして育成し、輩出していくために、非常に重要な位置づけのプログラムではあるのですが、やはりこれらは第一にオペレーションをスムーズに回すことを目的として開発されたものですので、“Project HARMONY”が推進するような企業としての価値観や、顧客満足に対する考え方といった内容は含まれていませんでした。そのため、そういった「考え方」の部分については、人によってばらつきが生まれていました。

そこで、トレーニングシステムを抜本的に見直し、初期教育の段階から私たちの企業理念や価値観に触れる機会を設けることとしました。
具体的にプログラムを活用していくのはこれからの取り組みですが、初期の段階から教育をすることで、ネイルのスキルだけではなく、考え方までしっかり身に付けた人材をサロンに輩出していきたいと考えています。

まとめ

資料3_感動コメントの比率(2015年 vs 2016年)

感動コメントの比率(2015年 vs 2016年)

こうした取り組み成果の一つとして、お客さまからの「感動コメント」の増加が挙げられます。弊社では、HARMONYレポートの他にも、いろいろな方法でいただくお客さまの声を一元化しているのですが、それらを「要望改善コメント」と「Goodコメント」に分類したときに、2015年はそれぞれの割合がほぼ半数であったのに対し、2016年は「Goodコメント」の比率を大きく伸ばすことができています。
数字に関しても、昨年度の総来店者数35万人に対して今年度は42万人を超える見込みで、売上高もおかげさまで前年対比2ケタ成長となりそうです。

私個人としては、今回のプロジェクトを通じて、「それぞれの場所でいろいろな役割を持つスタッフが連携することで、大きな成果を生み出すことができる」ということを実感しました。今後も現場のスタッフと一緒になって、弊社の「誰もが主役」という考え方のもと、スタッフ一人ひとりと共に活動を進め、お客さまから選んでいただけるブランドを目指していきたいと思っています。

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