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コロナ禍によって従業員満足度(ES)はどうなった?

5月25日に全国で緊急事態宣言が解除されて早3か月。スーパーマーケットやドラッグストアなどのエッセンシャルな業種業態を除き、多くの店舗で休業や時短営業がされていました。サービス業においても、感染症対策と両立させながら経済活動の復活を模索しています。

休業期間中の給料はどのくらい補償してもらえるのか」「会社やお店は大丈夫なのか」「お店ではどのような対策をとらなければいけないのか」「そもそも働き続けられるのだろうか」など、様々な不安がある中、働く店長、社員、アルバイトの従業員満足度(ES)はどのように変化をしたのか。

今回はこのコロナ禍でいち早くMS&ConsultingのES調査(tenpoketチームアンケート)を実施した14社、のべ53,010名の回答から見えてきた「COVID-19が従業員満足度に与えた影響」について考察していきます。


【調査期間】

コロナ禍 … 2020年4月~7月(n=25,131)

コロナ前 … 2019年4月~2020年2月において、各社直近回の1つ前の実施時(n=27,879)

【業種】

外食、小売(アパレル、ドラッグストア)、ガソリンスタンド、ホテル


1.コロナ禍において、14社中12社で従業員満足度は向上していた。

MS&ConsultingのES調査「tenpoketチームアンケート」では、結果指標を「重要3項目(従業員ロイヤルティ)」と定め「働きがいを感じているか」「この職場を推奨できるか」「この職場で働き続けたいか」という3つの項目の平均を用いています。

今回調査を行った14社の内、この結果指標が改善していた会社は12社と全体の約86%を占めていました(図1)。また残りの2社についても微減に留まっており、大きくESのスコアを下げた法人はありませんでした。


図1 コロナ禍におけてES調査を実施した法人のES推移


2.「心身の健康」「帰属意識」が高まった他、アルバイトスタッフでは「リーダーシップ(≒店長との関係性)」も改善

では、特にどのような項目が高まったのでしょうか。tenpoketチームアンケートでは5つのカテゴリ36の標準項目があり、その項目について推移を役職別に分析すると様々なことが分かってきました。

まず役職別で分けたとき、「店長」「社員」「アルバイト」共通して従業員ロイヤルティと5つのカテゴリ全てが高まっていました。項目を見ると「心身の健康|心身共に健康に働けていると感じるか」「帰属意識|ここで働き続けたいと感じるか」の2項目が改善幅上位10項目に入っていました。


次にアルバイトを見てみると、共通して高かった「心身の健康」「帰属意識」の他には8項目中4項目がリーダーシップ(≒店長との関係性)の項目となっていました(表1)。特に「情報の伝達|的確に情報を店舗内に伝えているか」が高まっており、このコロナ禍で様々な情報を伝えることが必要になったタイミングにおいて、的確に情報を伝えられた店長が比較的多かったことが推察されます。また、そのような情報伝達を含め、落ち着いてコミュニケーションが取れたことから「傾聴姿勢|上司が自分の意見に耳を傾けてくれる」「興味・関心|上司が自分に対して興味や関心を持ってくれる」といった「スタッフの巻き込み」関連の項目でスコアが高まっていました。


表1 アルバイトスタッフにおけるコロナ禍/コロナ前のES比較


社員では「有意味感|仕事の社会的価値を感じる」「影響感|自分が好影響を与えている」といった、スタッフの主体性に関する項目で特に高まっていました(表2)。様々な業種の社員データが含まれていますが、外食や小売、ガソリンスタンド、ホテルなどにおいて「自分自身の仕事」の意味合いや誇りを感じられるようになっていると推察できます。


表2 社員におけるコロナ禍/コロナ前のES比較


店長においては「傾聴姿勢|上司(マネージャー等)が自分の意見に耳を傾けてくれる」の項目が最も高まっていました。日々変化する状況の中で、経営や営業部の方針をマネージャー経由で店長に伝える中、現場のリーダーとして店長も現場の状況をマネージャーに伝えたい、その中で意見に耳を傾けていたマネージャーの方が多かったのではと考えられます。


表3 店長におけるコロナ禍/コロナ前のES比較



3.しかし、これはサービス業全体に当てはまるものとは限らない

ただ、ここで注意しなければならないのは、これらのデータは「コロナ禍においていち早く自社のES調査を行った」企業のデータであるということです。各役職の「コロナ前」における従業員ロイヤルティスコアを見てみると、店長(54.1)とアルバイト(55.6)は全てサービス業(50)を大きく上回っていることから、元々従業員満足度を大事にしていてESも比較的高い傾向にある企業の結果であることが分かります。


こういった企業においても、店舗別に見てみると逆にリーダーシップの項目が下がったり、従業員ロイヤルティが下がったりしている店舗もありました。コメントにおいては

以前から店長との話し合いがない店舗だったが、今回の新型コロナの件でいつ店を再開するのかも何も発信されず、ギリギリまで連絡もなく不安な毎日でした。

  本社からの変更が多い。内容がきっちり落とし込まれてない。コロナ対策も遅すぎる。

  コロナ対策が曖昧であり、会社の方針も教えられていないので、お客さんに聞かれても答えられない。

といった声も聞かれました。


特に新型コロナウイルスの感染拡大防止のために清掃・消毒などのオペレーションが増加する中でも業績をV字回復させていこうとする中で、店長や社員、アルバイトのモチベーション、店舗の組織状態を確かめておくことは非常に重要であると考えられます。

皆様の組織ではこのコロナ禍において、縦のコミュニケーション(上司⇔部下)や横のコミュニケーション(同僚)はスムーズでしたでしょうか?店舗はこれから生産性を高めていける組織状態にありますでしょうか?ぜひ一度健康診断として、ES調査を実施してみるのはいかがでしょうか?


<MS&Consultingはアジア太平洋地域におけるHRTech企業Top10に選ばれました>


チーフデータサイエンティスト 錦織浩志
チーフデータサイエンティスト 錦織浩志

東京大学大学院工学系研究科を修了後、2012年に株式会社MS&Consultingへ入社。産業技術総合研究所との共同研究にプロジェクト開始当初からプロジェクトリーダーとして参画。社内初のデータサイエンティストとして大量の顧客満足度や従業員満足度の調査データ分析を担当。

店舗ビジネスに特化して開発したES調査です。「アルバイトを含めた満足度調査が可能」「300以上の他社店長事例から改善方法までわかる」などの特徴があります。

中小企業・小規模事業者むけの補助金です。対象:『従業員満足度調査(tenpoketチームアンケート)』『SV業務改善ツール(SVナビ)』

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