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【銀行向けコラム】若手行員の離職率を下げるポイントは『〇〇の環境づくり』

初めまして、MS&Consultingの角田聡(かくた・さとし)です。銀行向けコンサルティングを開発・提供するチームのマネージャーを務めています。立場上、銀行の方とお話しする機会が沢山あるのですが、その際、行員・職員の離職についての悩みを伺うことがよくあります。特に近年は応募数が減ってきており、離職によるダメージが更に大きくなってきているようです。では、どうしたらいいのか?この記事で紹介する解決策は『若手行員の心情について、鮮度の良い情報を入手し、速やかに手を打つ』です。


1.辞めると決めた後輩とのあるやり取り

さて、私は以前、銀行で働いていたのですが、退職を決めた後輩と次のようなやりとりをした経験があります。

と、こんなやり取りです。仕事にやりがいを感じているにも関わらず、身近に相談相手がいなかったために退職。何ともったいないと思った記憶があります。

これは私の体験談ですが、程度の差こそあれ、御社でもこの様なもったいない退職はないでしょうか?では、どうしたらこういった離職を防げるのか?1つの打ち手として、2019年に金融機関で初めて日本経営品質賞を受賞された、株式会社肥後銀行の取り組みを紹介したいと思います。


2.鮮度の良い情報の入手が大切

肥後銀行の取り組みポイントは、次の通りです。

「鮮度の良い情報を入手する」とは「辞めたいとなる前の、辛い・悩んでいるという段階の情報を入手する」ということです。辞めたい」と言われてからでは打てる手が限られます。しかし、その前の段階で情報を把握し、速やかに対応すれば、多様な手を打つことができ、離職の芽を摘むことが可能になります。


肥後銀行では、早い段階で若手の悩み(鮮度の良い情報)を入手するために、次のような対話の場づくりをされています。

1| ブロックサポーター制度

先輩行員2名と人事部2名の合計4名を若手行員のサポート役に任命。以前は、各支店内で先輩が後輩の面倒を見るというやり方だったが、先輩の経験やスキルによって対応にばらつきがあり、ブロック単位で取り組むことに。主に3年目までの若手行員を対象とし、若手行員の悩みや不安に感じていることを気軽に相談できる関係構築を目指し、定期的な情報交換会や食事会を実施。


2|学習デー

月1回、各支店で役席者が講師となり、若手に対する勉強会を開催。テーマは「若手行員が知りたいと思っていること」とし、詳細については各支店で決定。勉強会を通して、若手行員には「困ったことがあれば、身近な役席者に教えてもらえるんだ」という安心感を持ってもらうことを狙いとしている。

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【若手行員の離職改善フローと主な施策】

※弊社インタビュー記事(2019年12月25日)より抜粋・編集 ➡インタビュー全文はこちら


最大のポイントは「これらの施策の最大の目的は鮮度の良い情報の入手ということが周知徹底されている」ことです。インタビューの中でも、これらの施策の意図について『若手行員の離職要因の1つに「相談したいけど相談できない」という環境になっていることが挙げられます。本当に困ったときに相談するのではなく、ちょっとしたことを早い段階で相談できる環境を作ることがポイントだと考えています』とおっしゃっていました。


3.まとめ

実は本事例をご紹介したのは「先輩によるサポート制度」や「若手向け勉強会」を同じように開催している企業は沢山あるのに、離職率を下げる効果を発揮できているかには差があると感じたからです。

それは「鮮度の良い情報が重要」という視点があるかないかの違いです。施策だけ行っても目的を理解していなければ、鮮度の良い情報は入ってきません。もし今、似たような施策をしているが上手くいていないという方がいらっしゃいましたら、ぜひ「鮮度の良い情報を入手する仕掛けになっているか」「運営サイドの全員が目的と理解しているか」といった視点で運営を見直していただければと思います。


また、肥後銀行では施策を打つ前に『従業員満足度調査』を行い「どの層の行員がどんな悩みを抱えているか」を見える化してから施策を打たれました。現離職率を低減させる方法論は、各銀行で同じように見えて少しずつ異なります。ご興味がある方は、弊社の『従業員満足度調査・チームアンケート』についての資料を下記よりダウンロード下さい。



マネージャー 角田聡
マネージャー 角田聡

株式会社MS&Consulting リレーション事業本部 マネージャ―。早稲田大学卒業後、大手地方銀行を経て、MS&Consulting創業メンバーとして参画。主にEIS・CIS(従業員・顧客感動満足)による組織活性化支援という切り口で研修を実施しながら、日々の業務と連動して改善運動を定着化させるための運営支援及びコンサルティングを行う。